個人向け社債として、株式会社みずほフィナンシャルグループ第12回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)が発売されます。
詳細を確認してみましょう。
このエントリーの目次
- 株式会社みずほフィナンシャルグループ第12回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)の詳細
- 株式会社みずほフィナンシャルグループ第12回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)の引受額(販売額)
- 株式会社みずほフィナンシャルグループ第12回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)の購入方法
- 株式会社みずほフィナンシャルグループとは?
- 社債のリスクについて
- 社債における劣後特約とは?
- 実質破綻時免除特約とは?
- 検討すべきは信用リスク分の金利プレミアム
- 10年間投資するにしては金利がやはり物足りない
- 【参考】株式会社みずほフィナンシャルグループ第13回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)も発売します。
- 【参考】最新の社債情報はこちらを
株式会社みずほフィナンシャルグループ第12回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)の詳細
- 発行総額:35,000百万円
- 申込単位:100万円
- 仮条件利率:年0.30%~0.90%
- 正式利率:0.61%(6月7日決定予定)
- 払込金額:各社債の金額100円につき金100円
- 償還金額:各社債の金額100円につき金100円
- 年限:約10年
- 申込期間:平成29年6月8日から平成29年6月20日
- 払込期日:平成29年6月21日
- 償還日:平成39年6月21日
- 利払日:毎年6月21日及び12月21日(初回は12月21日)
- 引受会社:みずほ証券、大和証券、野村證券、岡三証券株式会社
- 取得格付:A+(R&I)
株式会社みずほフィナンシャルグループ第12回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)の引受額(販売額)
各社の引受額(販売額)は現時点では未定です。公表次第追記します。
引受人の氏名又は名称 | 引受金額 |
---|---|
みずほ証券株式会社 | 26,000百万円 |
大和証券株式会社 | 5,000百万円 |
野村證券株式会社 | 3,000百万円 |
岡三証券株式会社 | 1,000百万円 |
合計 | 35,000百万円 |
株式会社みずほフィナンシャルグループ第12回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)の購入方法
証券会社ごとに購入方法を紹介します。
みずほ証券での購入方法
3Sサポートコースならば、コールセンターでの取引に加え、店頭での取引が可能です。ダイレクトコースは、コールセンターでの取引限定となります。
株式会社みずほフィナンシャルグループ 第12回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)(PDF)
大和証券での購入方法
「ダイワ・コンサルティング」コースの方は、取扱店に来店しての取引が可能です
「ダイワ・ダイレクト」コースの方は、取扱店に来店しての取引か、コンタクトセンターでの注文が可能です。
株式会社みずほフィナンシャルグループ 第12回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)(PDF)
野村證券での購入方法
本店・支店のみ取引が可能です。野村ネット&コールでの取扱いはありません。
岡三証券での購入方法
特にインターネットなどでの告知はしておりません。優良顧客向けに販売しているものと思われますが、詳細は店頭でご確認ください。
株式会社みずほフィナンシャルグループとは?
メガバンクであるみずほ銀行を傘下に持つみずほフィナンシャルグループは、日本の3大金融グループの一角を担う持株会社です。
元々は、第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の3社合併によって誕生した、みずほホールディングスの子会社でしたが、2003年3月に親子関係を逆転させて以来、現在は、みずほグループの統括会社となっています。
ちなみに、現在のみずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長は、日本興業銀行出身です。
みずほフィナンシャルグループは、みずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほ証券、みずほ投信投資顧問、新光投信、DIAMアセットマネジメント、オリエントコーポレーション、ユーシーカードなどを実質的に支配しています。
社債のリスクについて
信用リスク
発行元が破綻した場合は、預けたお金が戻ってこない可能性があります。最悪全額償還されないケースもありえます。
流動性リスク
償還日前までに、自身の都合によりお金が必要となり、市場等で売却する場合、流動性が低いことから、適正な価格よりも若干安い金額で売却しなければならない可能性があります。ようするに火急のお金が必要なので足元を見られるということです。
価格変動リスク
償還日まで保持していれば関係ないのですが、償還日前までになんらかの事情で売却する必要が生じた場合、市場で売却することになりますので、額面の金額よりも高い金額で売却、もしくは低い金額で売却するといった価格変動するリスクがあります。
社債における劣後特約とは?
詳しく解説すると、破産など法的に財産を整理する必要が生じた場合に、他の債権の返済が終わってから、返済を受ける債権に付けられる特約です。つまり、同順位の債権が40万円と60万円あり、破綻したときの債務者の財産が10万円しかない場合は、40万円の債権者には4万円の弁済、60万円の債権者には6万円の弁済と、同順位債権間は、等比率での弁済となります。
一方、40万円の債権と、60万円の劣後特約債権があり、破綻したときの債務者の財産が10万円しかない場合は、40万円の債権者は10万円の弁済、60万円の劣後特約債権者は弁済されないという悲惨な結果になります。
このように、他の返済が終わってから返済される=劣後ということで、劣後特約と呼ばれ、債権の弁済順位が低いかわりに高い利率を享受できるというメリットがあります。
実質破綻時免除特約とは?
預金保険法126条の2に規定される特定第2号措置(金融機関が自身の財産をもっても債務を完済できない事態が発生する恐れが生じたり、債務の支払停止や停止する恐れのある金融機関に対して、金融市場その他の金融システムの著しい混乱が生ずるおそれがあるとみとめられた場合のみ、内閣総理大臣が実施できる資金援助などの措置)に該当した場合に、その特約が付保された社債を発行した発行元は、元利金や利息の支払などの義務を全て免除される特約です。
つまり、特定第2号措置は、破綻一歩前であっても、噂などが広まってしまい日本の金融システム全体が混乱に陥るまえに発動されるものです。
この特定第2号措置が講じられた場合は、社債の元金はこの特約により償還されません。
検討すべきは信用リスク分の金利プレミアム
社債を購入を考える場合に、比較検討すべきは、1000万円まで元本とその利息が保証されている定期預金の利息に比べてどの程度高いのかということです。つまり、信用リスク分のプレミアム(金利に上乗せ)がついた金利が上乗せされているかどうかです。
株式会社みずほフィナンシャルグループ第12回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)のリスクプレミアムの検討
今回紹介した株式会社みずほフィナンシャルグループ第12回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)の利率は0.61%で、メガバンクの定期預金の約61倍の金利となり相対的に高い金利といえます。
ちなみに、この社債に勝てる10年もの定期預金は大阪協栄信用組合のスーパー定期1000(金利 年0.7%)のみです。
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【最大金利0.55%】大阪協栄信用組合はなぜ最強の定期預金を発売し続けるのか徹底解説
常に高利の定期預金を販売し続ける大阪協栄信用組合。 1000万円以上の大口定期預金ですが、1年もの金利 年0.50%と圧倒的な破壊力で常にランキング上位に位置し ...
通常の10年もの定期預金の店頭表示金利の平均金利は、日本銀行によると以下のとおりであり、定期預金金利平均に比べて、最大0.58%程度の信用リスクの金利プレミアムが付くこととなります。
預入金額 | 平均年利率 |
---|---|
300万円未満 | 年0.024% |
300万円以上 1,000万円未満 |
年0.027% |
1,000万円以上 | 年0.032% |
※5月24日公表数値
預金種類別店頭表示金利の平均年利率等について|日本銀行金融機構局(PDF)
10年間投資するにしては金利がやはり物足りない
みずほフィナンシャルグループが10年の間に、倒産する可能性は極めて少ないと思いますが、信用リスクをおったうえで、10年もの長期間にわたって資金が拘束される結果として、0.61%分の利息が貰えますが正直いって物足りません。
余剰資金が多額にある方ならば投資しても良いでしょうが、それ以外の方が頑張って投資する価値があるとも思えません。
【参考】株式会社みずほフィナンシャルグループ第13回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)も発売します。
株式会社みずほフィナンシャルグループ第13回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)も同時期に発売となります。こちらは期間10年債で、期限前償還条項の特約です。
詳しくは以下のページをご覧下ください。
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株式会社みずほフィナンシャルグループ 第13回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)が6月8日より申込開始【当初5年利率0.47%、10年債】
個人向け社債として、株式会社みずほフィナンシャルグループ第13回期限前償還条項付無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)が発売されます。 詳細を確認して ...
【参考】最新の社債情報はこちらを
