知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2020年9月14日~9月18日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
先週は米国ハイテク株の動向に左右される展開に
2020年9月14日~2020年9月19日の週の日経平均株価は、米国のSQである18日(金)までは米株式市場の動向に左右されやすい傾向が続くものの、おおむね底堅く推移するものと考えられる。
2020年9月7日~2020年9月12日の週の日経平均株価は、米ハイテク株の動向に左右される展開となった。
ただ、米国市場の動向を確認すると、一方的に下落する展開ではなく、買い戻しも入った。
とはいえ、上値は重く、買いの勢いは弱いと言えるだろう。
日経平均株価は米ハイテク株の動向を受けて下落する場面もあり、23,000円台を一時割り込んだものの、その後は再び23,000円台を回復し維持している。
また、ドル円が一時1ドル105円台まで下落したことも、日経平均株価の下押し要因になったものと考えられる。
そのドル円も、1ドル106円台に持ち直している。
バリュー株に資金流入も
このように米ハイテク株の下落にも関わらず、日経平均株価は底堅く推移したが、その理由として、米国ほどハイテク株への買いが集中していなかったことに加え、先週も書いたように、日本のバリュー株に資金が移っていることが考えられる。
もともと米ハイテク株は、今回のコロナ禍を受けてさらなる上昇をしていた。
割高水準になっていたため、下落するのではないかとの見方がされていたのだ。
米ハイテク株が今回下落したことにより、株価はいったん調整されたと考えられる。
ただし、18日の米国のSQにあたるクアドルプル・ウィッチング・デーまでは、米国株は乱高下する可能性もあるため、引き続き注意したい。
今週はFOMC開催
2020年9月14日~2020年9月19日の週は、日本では自民党総裁選が14日(月)に行われ、15日(火)と16日(水)は米FOMC、16日(水)と17日(木)は日銀金融政策決定会合が行われる。
FOMCについては、引き続きFRBがどのような金融政策をとるのかということはもちろん、将来のインフレ目標、経済予測についての文言が注目される。
また、その後のパウエルFRB議長の発言にも注意が必要だ。
特に平均2%のインフレ目標に対し、FRBがどのようなスタンスを示すのかということに市場は注目している。
すでに市場は、米国の金融緩和策が長期的に続くとの見方をしているが、その確度がより高まれば、米株式市場はいったん安定するだろう。
その結果、2020年9月7日~2020年9月12日の週のようなハイテク株の売りの影響を受けた日経平均株価の下押しは起きにくくなるものと考えられる。
自民党総裁選は織り込み済みだが解散総選挙の時期が注意
また、自民党総裁選に関しては、菅氏が優勢との見方がされており、市場もそれを織り込んでいる。
菅氏は安倍路線をそのまま引き継ぐとみられていることから、同氏が自民党総裁に選出されても、株式市場の反応は限定的なものにとどまると考えられる。
ただし、菅氏はコロナ禍で打撃を受けた飲食・宿泊サービスの事業継続と雇用を守ることを最優先に考えている、との発言をしている。
このことから、外食やレジャー等の銘柄に思惑買いが入る可能性があることに留意したい。
また、どのような組閣人事がとられるかということや、解散総選挙の有無やその時期についても市場の関心は向いている。
そのため、菅氏が市場の見通しどおり自民党総裁に決まった場合は、引き続き上記の点に注意が必要だ。
米国の追加経済対策について
さらに、米国の追加経済対策をめぐる与野党対立の行方も相場に影響を与えると考えられる。
10日に米共和党が提出した追加策法案について、法案を進めるのに必要な手続き上の採択で米民主党が阻止したことから、同法案をめぐる協議は難航が続いている。
11月の米大統領選前までに合意しない可能性が浮上したため、このことが10日の米ハイテク株の下押し要因となった。
なぜなら、同法案の可決が遅れることで米経済の本格回復が遅れるのではないかとの懸念が広がったからだ。
そのため、今後も同法案をめぐる米与野党の動向には注意したい。
米国市場の乱高下に引きずられる展開か
以上のことから、2020年9月14日~2020年9月19日の週の日経平均株価は、引き続き米国市場の動向に注意が必要だが、おおむね底堅く推移すると考えられる。
すでに書いたように、FOMCと18日(金)のクアドルプル・ウィッチング・デーまでは米国市場は乱高下する可能性があるため、それに日経平均株価は引きずられる形になるだろう。
それでも、バリュー株を下値で買い拾う動きが出ると考えられるため、大幅な下落にはなりにくいと考えられる。
ただ、イベントが多い週であるため、様子見ムードにもなりやすく、積極的に上値を追う展開にはならないと考えられる。
なお、このほかに、2020年9月14日~2020年9月19日の週は、米8月小売売上高が16日(水)、米9月フィラデルフィア連銀製造業景況指数が17日(木)、米9月ミシガン大学消費者信頼感指数が18日(金)に発表される。
この結果にも注意したい。
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