知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(6月16日~6月21日)
6月16日~6月21日の週のNYダウは方向感が出にくい展開になりそうだ。
日経平均株価は、引き続き不安定な展開になると考えられる。
先週の振り返り
2025年6月9日~2025年6月14日の週の日経平均株価は、週の前半は堅調に推移し、後半は軟調だったが、全体では小幅に上昇した。
9日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことを受けて買い優勢となると、円安も追い風となり、堅調に推移した。
後場の日経平均株価は、堅調ながらもこう着状態となり、前週末比346円96銭高の38,088円57銭と続伸して取引を終えた。
10日(火)は、前日のNYダウが下落した一方、ナスダック総合指数が上昇したことから、日経平均株価は買い優勢となると上げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は伸び悩み、前日比122円94銭高の38,211円51銭で取引を終えた。
11日(水)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことで、日経平均株価は買い優勢となったが、一巡すると伸び悩んだ。
後場の日経平均株価は様子見ムードからもみ合いとなり、前日比209円68銭高の38,421円19銭で取引を終えた。
12日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したことを受けて売り優勢となると、下げ幅を拡大する場面もあった。
後場の日経平均株価は、円高が重しとなると軟調に推移し、前日比248円10銭安の38,173円09銭で取引を終えた。
13日(金)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したのとは反対に、日経平均株価は円高が重しとなって軟調に推移した。
後場の日経平均株価は安値もみ合いとなり、前日比338円84銭安の37,834円25銭で取引を終えた。
今週のNYダウは?
2025年6月16日~2025年6月21日の週のNYダウは、方向感が出にくいだろう。
その理由の1つが、17日(火)と18日(水)に開催されるFOMCだ。
今回は特に政策変更はなく、政策金利は据え置かれると考えられるが、FOMCの声明文や終了後のパウエルFRB議長の会見での発言には注意したい。
なぜなら、11日(水)に発表された5月米消費者物価指数の結果が弱いものになったからである。
5月米消費者物価指数は、前月比+0.1%(事前予想:同+0.2%)、前年同月比+2.4%(事前予想:同+2.4%)となり、前月比では事前予想を下回ったが、前年同月比では事前予想どおりの結果となった。
また、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は、前月比+0.1%(事前予想:同+0.3%)、前年同月比+2.8%(事前予想:同+2.9%)となっている。
コア指数については、今回を含めると4ヶ月連続で市場予想を下回る結果になり、トランプ米政権の関税政策によるコスト上昇の影響を価格転嫁する動きが限定的なものにとどまっていることがうかがえる。
また、最も厳しい関税措置が、今のところ一時的に停止されている影響も大きいようだ。
ただ、今後を楽観視することはできず、企業が上昇したコストをいずれ価格転嫁する可能性は十分に考えられる。
ちなみに、5月米消費者物価指数のみならず、翌12日(木)に発表された5月米卸売物価指数も、コア指数は前月比・前年同月比ともに事前予想を下回る結果になるなど、弱い。
これら物価関連指標の結果を受けて、金利スワップ市場は9月のFOMCまでに利下げを行う可能性を75%としている。
パウエルFRB議長の会見で、9月までの利下げや年内の利下げ回数が2回との予測を裏付けるような発言があれば、市場には安心感が広がり、NYダウの上昇を後押しするだろう。
一方で、これまでどおり利下げに慎重な姿勢を崩さなければ、NYダウは上値の重い展開になるかもしれない。
さらに、2025年6月16日~2025年6月21日の週は、中東情勢も相場のかく乱要因になると考えられるため、注意が必要だ。
13日(金)にイスラエルがイランに対する大規模攻撃を開始し、同日夜にはイランからイスラエルに向けた報復として、ミサイル攻撃を行ったことが報じられている。
原油供給リスクは今のところ限定的とみられているが、ホルムズ海峡の封鎖といった最悪のシナリオが実現する可能性が高まれば、原油価格が高騰し、1バレル=100ドルを超えるとの見方もされている。
その場合、NYダウをはじめとした株価指数や為替動向にも大きな影響を与えるため、注意が必要だ。
なお、6月16日~2025年6月21日の週は、17日(火)に5月米小売売上高の発表があり、その結果に注目が集まるだろう。
加えて、19日(木)はジューンティーンスで祝日のため、米国市場は休場となることに留意したい。
今週の日経平均株価は?
2025年6月16日~2025年6月21日の週の日経平均株価は、不安定な展開になりそうだ。
週の半ばまでは、FOMCの結果を前に様子見ムードとなり、方向感が出にくくなることに加えて、相互関税に関する日米交渉の動向、中東情勢の緊迫化と円高・ドル安進行懸念、原油価格の高騰などの懸念材料が上値抑制要因になると考えられる。
16日(月)と17日(火)には日銀金融政策決定会合もあるため、終了後の植田日銀総裁の会見内容には注意を払いたい。
今週の推奨セクター
2025年6月16日~2025年6月21日の週に推奨したいのは、外食である。
値上げが受け入れられやすい雰囲気が形成されていることから、客数への影響が限定的なものにとどまっている。
そうした中、今後も値上げが予定されていることから、客単価は上昇するとみられ、外食企業にとってはメリットになると考えられることから、ポジティブである
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは小売りの中でも百貨店である。
5月の低温にもかかわらず、国内客の売上高は堅調で、特に外商催事の受注売上高が前年同期比で大幅増と好調である一方、香港を中心に、今年7月に日本で大地震が発生するとの流言が広がり、航空機が減便していることが売上高に影響。
業績に対する影響が大きい免税店の売上高も、中国客の売上高構成比が減少し、香港、台湾も客数が減少しているため、いったん様子見したほうがよさそうだ。
今週の経済指標
6月16日~2025年6月21日の週は、17日(火)、18日(水)の米FOMC、17日(火)の5月米小売売上高のほかに、16日(月)に6月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、20日(金)に6月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数の発表がある。
また、16日(月)、17日(火)の日銀金融政策決定会合のほかに、20日(金)には日本の5月全国消費者物価指数の発表がある。
これらの結果にも注意が必要だ。