Fundsという、2019年1月8日から口座開設受付開始した貸付ファンドのマーケットプレイスサービスがあります。
小額から投資できるうえに、スマホなどでも操作しやすいことから、初回ファンドは募集開始からわずか16分で売り切れというすさまじい人気です。
初回募集したファンドは、既存のソーシャルレンディングの予定回り(年6%から年12%)に比べて予定回りが低い(年1.8%から年6%)にも関わらず、瞬間蒸発したという点がすごいですね。
人気度合いを甘くみていた管理人は事前にFundsの口座開設していたにも拘らず買いそびれた1人です。
そのFundsを運営しているファンズ株式会社(旧株式会社クラウドポート) 代表取締役藤田 雄一郎さんに、お話を伺ってきましたのでお届けします。
公式情報Funds
昨今行政処分が続いたソーシャルレンディング業界になぜこのタイミングでこの事業に参入されたのでしょうか?
みんなのクレジット、そしてラッキーバンクというソーシャルレンディング事業者が金融庁から行政処分を受けるというタイミングでの事業参入ですが、とくに狙ったわけではありません。
実は構想等は2年以上前から、準備を進めておりまして、第二種金融商品取引業の登録に1年半程度かかり昨年の12月にようやく登録が完了したので、サービスを開始しました。
タイミング的には悪いかもしれませんが、ありがたいことに、我々の予想以上に口座開設申し込みをいただきました。お待たせしてしまった方もいらっしゃるほか、商品が買えない状態になってしまって申し訳ないと思っています。
現在、早く皆様に口座開設していただけるよう、全メンバーで体制を整備しております。
Fundsのメリットを教えてください
Fundsの主なメリットは以下の3つです。
- マーケットプレイス型であること
- ファンド組成先を厳選していること
- 1円から投資できることの
それぞれ詳しくご説明します。
マーケットプレイス型について
まずはマーケットプレイス型についてですが、当社はファンドを組成したり、お金を貸し出したりすることはございません。ファンド組成企業と個人投資家を繋ぐ場所という取引所を提供するのみです。
ファンドの募集取り扱いを行うところのみに特化しております。
さまざまなジャンルで専門性があり、かつ実績がある会社が組成したファンドに対して、当社が提供するプラットフォームであるFundsを介して個人投資家様が出資するということになります。
つまり、個人投資家にとっては1つの口座で簡単にファンド組成企業単位の分散投資ができるということです。
投資家が投資したお金は、ファンドを組成した会社に帰属し、既存のソーシャルレンディング事業者は自社又は自社のグループ会社がファンドを組成していますので、ソーシャルレンディング事業者が破産した場合は、破産財団に組み込まれてしまいます。
いわゆる事業者リスクですが、今まではその事業者リスクを低減しようとすると、複数のソーシャルレンディング事業者に口座を開設して分散投資を行う必要がありました。
1人で複数のアカウントを持つことは、口座管理も煩雑ですし、ファンドの比較検討もしづらい状態でした。そこで当社のFundsのサービスを利用していただければ、1アカウントで複数のファンドに分散投資が簡単にできます。
さらに、一部のソーシャルレンディング事業者がファンド出資として集めたお金を、自分の親会社に資金を貸し付けていたという利益相反の問題がありました。これはファンドを組成・運営する会社と販売する会社が実質的に一体であったことから、企業統治(ガバナンス)がしっかりできてなかったためです。
当社は、プラットフォームを提供するのみですので利益相反は起こりませんし、ファンドの企業がいかに儲かる事業だという案件を持ち込んでも、個人投資家の皆様に不利益になる案件は取り扱わないというスタンスを構築しております。
ファンド組成先の選定について
当社は、不適切な貸付審査やファンド募集、運用・管理による利用者の不利益や行政処分を避けるため、ファンド組成企業に対して厳しいルールを設けております。
まずは、以下の3点のいずれかをクリアしないと当社では取り扱いいたしません。
- 上場企業であること
- 会計監査を受けていること
- ベンチャーキャピタルが出資していること
この3点をクリアすれば、基本的に不正を起こす可能性が低い会社であると考えます。
そのうえで、財務状況、適法性、事業計画性を細かくチェックして問題ないと判断した会社のファンドのみ取り扱っております。
審査においては、銀行での融資実務やコンプライアンス業務の経験が豊富な河野(日本長期信用銀行出身、元スイス長銀社長)をトップにすえて、社内に公認会計士、弁護士を雇用しておりますので、その者共を中心に行います。さらに、必要に応じて社外のトパーズ・キャピタル会長の松田様(元みずほコーポレート銀行常務執行役員)などに諮るなどして慎重に審査をすすめております。
また、Fundsの取り扱いファンドの組成企業も社名を乗せて掲載しておりますので、可視化により投資家の皆様は投資判断をしやすいと思っております。
1円から投資できること
小額からはじめて頂いて、少しずつ投資資金をふやして頂きたいという気持ちから、1円から投資可能として他社様との差別化を図りました。
システム的にも1円や1万、100万円でも労力は変わらないので、皆様がご利用いただきやすい1円からという金額に設定しております。
ご注意していただきたいのが、少額で投資していただいても、分配金が1円未満の場合、切捨てにより端数処理がされてしまいます。
実際は1,000円や1万円などで投資していただき、償還後は、その分配金をさらに違うファンドに投資していただくという福利効果を投資家の皆様に体感していただきたいです。
また、投資家様がかかる手数料としては、デポジット口座に送金する際に取引金融機関に支払う振込手数料以外は無料ですので、ご安心して利用いただけるとは思います。
投資対象はどのように決めているのでしょうか?
おかげさまで、多くの会社からFundsの仕組みに興味をもって商談を進めているところですし、当社から上場企業様などへファンド組成を持ちかけているところでもあります。
業界では中小零細企業様が借り手企業となることも多いですが、当社は資金調達が多様化できるなどのメリットを上場企業様などにお伝えしています。
もちろん、ご興味をもっていただいた会社がすぐにファンドを組成できるわけではなく、先ほどお伝えした社内審査で問題ないと判断しなければ、話は進みません。
ちなみに、初年度の事業計画は20社程度が組成するファンドの取り扱いを目標に掲げていますが、それはクリアできるのではないかと考えております。
現状では口座開設していただいても、投資案件が無いという状況が大変心苦しいので、なるべく早く新しいファンドを取り扱うことができるよう、鋭意準備を進めております。
顧客の資産保全対策について詳しく教えてください
投資家様が入金した投資資金は、ファンドへ出資するまで、預かり金として当社で、分別管理をしています。
お申し込みいただいた投資資金は、ファンドの募集期間終了後速やかにファンドの組成企業へ送金いたします。
ただし、当社へ入金していただいてからファンド出資完了まで、当社が破産した場合は、元本を毀損するおそれがありますので、当社の信用リスクをご考慮いただいたうえで投資をご判断いただければと思います。
ファンドは2年以上の中長期のものは取り扱わないのですか?
当初募集したファンドは半年から1年と比較的短い期間のファンドばかりでした。調達する企業の要望もありますが、投資家様のニーズにマッチした利回りや期間などを考えております。
現在は短期ですが、将来的には長期的な案件も取り扱いとは考えておりますし、利回りが低くても安心して投資できる案件も増やしたいと思います。
今後の課題は?
ファンド出資により得た収益は、雑所得による総合課税になってしまう点ですね。これは当社だけの課題ではなく、融資型クラウドファンディングを取り扱い会社にとって共通の課題です。よって、業界団体を通じて働きかけていくべき問題かと考えております。
あとは、投資家の皆様の信頼をえるために、実績を1つ1つ積んでいくことです。当社の事業モデルを安心して利用していただくためにも、引き続き、ファンド組成企業の審査などは万全の体制で行います。
Funds自体の事業採算は?
正直って金融スプレッドは微々たるもので、取扱額もまだ少ないので、初期段階としては、決して儲かる事業ではありません。
しかしながら、儲からない事業が良く無いということではありません。たとえばSNSサービスであるLINEとか検索プラットフォームのGoogleも認知されている事業自体は儲かる事業ではありませんが、その事業を融合したサービスで事業採算を確保していますよね。
当社も、Fundsというプラットフォームを利用する方々が多くなれば、その方々へ違うサービスを提供できると考えております。
そのためには、先ほどお話した、1つ1つ着実に実績を積んで、投資家の皆様が安心できるサービスを提供することが使命だと考えております。
【参考】ファンズ株式会社(旧株式会社クラウドポート、Funds運営会社)について
- 社名:ファンズ株式会社(旧株式会社クラウドポート)
- 設立:2016年11月1日
- 代表取締役:藤田雄一郎
- 資本金:188,005千円
- その他:2018年3月13日、B Dash Ventures、AGキャピタル、みずほキャピタルなどを引受先とした総額3.1億円の第三者割当増資実施
Fundsの特徴などは後日アップします
ということでFundsの運営している藤田社長のインタビューをお届けしました。
Fundsの特徴などは後日徹底解説しますが、ご興味ある方は公式ページをご確認くださいませ
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