知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2023年11月20日~11月25日)
2023年11月20日~11月25日の週のNYダウは、21日(火)のFOMC議事要旨の内容に左右される展開になるだろう。
日経平均株価は概ね堅調に推移しそうだ。
先週の振り返り
2023年11月13日~11月18日の週の日経平均株価は、大幅高になるなど堅調だった。
13日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことを受けて反発スタートとなったが、途中で失速。
後場の日経平均株価は、利益確定売りに押されて上昇幅を縮小すると値を消す場面もあったが、最終的に前週末比17円00銭高の32,585円11銭で取引を終えた。
14日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウの動向を受けて続伸したものの、32,800円前後でもみ合う展開となった。
後場の日経平均株価はレンジ内でのもみ合いが続き、前日比110円82銭高の32,695円93銭と続伸して取引を終えた。
15日(水)は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて、日経平均株価は3日続伸して取引をスタートすると、その後はプラス圏で堅調に推移した。
後場の日経平均株価は、米株高を受けて上昇幅が800円を超えるなど買い優勢が続き、前日比823円77銭高の33,519円70銭で取引を終えた。
16日(木)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が上昇した一方、日経平均株価は利益確定売りに押されて反落。
後場の日経平均株価はマイナス圏での小動きが続き、前日比95円29銭安の33,424円41銭で取引を終えた。
17日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウが反落したことから続落スタートしたが、買い戻しが広がり下げ幅を縮小すると、前日終値付近でもみ合う展開となった。
後場の日経平均株価は利益確定売り優勢となり、前日比95円29銭安の33,424円41銭で取引を終えた。
NYダウはFOMC議事要旨の内容次第
2023年11月20日~11月25日の週のNYダウは、21日(火)のFOMC議事要旨の内容次第で動向が変わるだろう。
14日(火)に発表された10月米消費者物価指数は、事前予想の前月比0.1%増、前年同月比3.3%増を下回り、それぞれ前月比0.0%、前年同月比3.2%増と4か月ぶりに前月を下回る結果となった。
また、変動の激しい食品やエネルギーを除く物価指数は、事前予想の前月比0.3%増、前年同月比4.1%増を下回り、それぞれ前月比0.2%増、前年同月比4.0%増となった。
3日(金)に発表された10月米雇用統計も事前予想を下回り、今回発表された10月米消費者物価指数も事前予想を下回る結果となったことから、インフレの上昇が鈍化しつつあることが窺える。
この結果を受けて、米長期金利は低下し、市場は利上げ停止の可能性が高まったと受け止めているだけでなく、利下げの時期に注目が集まっている。
このままのペースでインフレが低下すれば、来年前半にはFRBのターゲットである2%まで鎮静化するとみる向きもあり、ブルームバーグは米国の債券トレーダーが2024年の利下げを想定していると報道している。
また、16日(木)に発表された10月米小売売上高は、前月比0.1%減(事前予想:同0.3%減)、自動車を除いた小売売上高は前月比0.1%増(事前予想:0.0%)と予想ほど減少しなかった。
米国の個人消費の堅調さが窺える結果となったことから、米国の景気が緩やかに落ち着く可能性があるとして、市場は好意的に受け止めた模様だ。
以上のことから、2023年11月20日~11月25日の週のNYダウは概ね堅調に推移すると考えられるが、注意したいのは21日(火)のFOMC議事要旨である。
直近の主要な米経済指標の結果から、市場は利上げ停止の確度が高まったと受け止めているが、FOMC議事要旨の内容が、タカ派的なスタンスが維持されているものであれば、利上に対する警戒が強まり、NYダウの下押し要因になるだろう。
その場合、14日(火)以降のNYダウは上値が重くなりやすく、方向感の出にくい展開になりそうだ。
反対に、FOMC議事要旨の内容が想定以上にハト派的であれば、市場は利上げ停止と利下げの可能性が高まったとして好意的に受け止め、NYダウは堅調に推移するだろう。
なお、23日(木)は感謝祭のため、米国市場は休場である。
日経平均株価は、概ね堅調に推移か
2023年11月20日~11月25日の日経平均株価は、概ね堅調に推移しそうだ。
材料難に加えて23日(木)が勤労感謝の日で東京市場が休場となるため、積極的に上値を追う展開にはなりにくいと考えられるが、下落時には押し目買いが入り株価を下支えするだろう。
ただし、14日(火)発表のFOMC議事要旨が予想以上にタカ派的で、NYダウやナスダック総合指数が急落した場合には、日経平均株価にも下押し圧力がかかりやすいため、注意したい。
今週の推奨セクター
2023年11月13日~11月18日の週に推奨したいのは、自動車部品の中でもタイヤを手掛けるところである。
日本自動車タイヤ協会(JATMA)が発表した9月国内タイヤ販売本数は962万本(前年同月比1.6%減)となった。
前年同月比では、市販用が8.4%減、新車用が10.6%増となった。
新車用のプラス転換は2020年9月以来となり、好感できる。
新車向け販売はもちろん、タイヤメーカーのミックス低下にも貢献する可能性があるため、ポジティブだ。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、前工程の半導体製造装置を扱うところである。
AI関連は旺盛な需要があるが、それ以外の民生用の需要見通しは厳しく、メモリ投資の減退リスクも考えられる。
そのため、避けたほうがいいだろう。
今週の経済指標
なお、2023年11月20日~11月25日の週は、21日(火)のFOMC議事要旨の公表のほかに、21日(火)に10月米中古住宅販売件数、22日(水)に10月米耐久財受注、11月米ミシガン大学消費者態度指数(確報値)、24日(金)に11月米製造業PMI、11月米サービス業PMI、11月米総合PMIの発表がある。
また、24日(金)は日本の10月全国消費者物価指数の発表があるため、これらの結果に注意が必要だ。