知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2023年3月20日~3月25日)
2023年3月20日~2023年3月25日の週は、NYダウは不安定な展開になると考えられる。
また、日経平均株価はFOMCを前に方向感が出にくい展開になることが予想される。
先週の振り返り
2023年3月13日~2023年3月18日の週の日経平均株価は、週後半に買い戻しが入ったが、全体としては軟調だった。
13日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウとナスダック総合指数の大幅下落を受けて売り優勢となると、下げ幅を広げる展開に。
後場も日経平均株価は軟調に推移し、前営業日比311円01銭安の27,832円96銭で取引を終えた。
14日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウの下落を受けて売り優勢に。
円高も進み、一時728円超安まで下げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価も銀行や保険を中心に下落し、前日比610円92銭安の27,222円04銭で取引を終えた。
15日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が反発したことから買い戻し優勢となったが、戻り待ちの売りに押されると失速し、膠着状態となった。
後場の日経平均株価も伸び悩み、前日比7円44銭高の27,229円48銭で取引を終えた。
16日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウの下落を受けて軟調に。
一時、買い戻しが入り、27,000円を回復する場面もあったが、売りに抑えられると、27,000円手前でもみ合いが続いた。
後場の日経平均株価もマイナス圏で伸び悩み、前日比218円87銭安の27,010円61銭で取引を終えた。
17日(金)の日経平均株価は、NYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて買い戻し優勢に。
後場の日経平均株価も堅調に推移し、前日比323円18銭高の27,333円79銭で取引を終えた。
NYダウは不安定な展開に
2023年3月20日~2023年3月25日の週のNYダウは不安定な展開になると考えられる。
なぜなら、21日(火)と22日(水)に米FOMCが開催されるからである。
先週破綻したシリコンバレー銀行に続き、12日(日)にはシグネチャー銀行が破綻したことで、今回のFOMCでは利上げを行わない、あるいは0.25ptの利上げを行うとの見通しが急速に強まっている。
シリコンバレー銀行破綻のニュースが報じられた10日(金)時点で、CMEのFedWatchによれば、0.25ptの利上げを行うとの見通しは60%ほど、0.5ptの利上げを行うとの見通しは40%であった。
しかしその後、0.5ptの利上げを行うとの見通しはなくなり、16日(木)の段階で、利上げを行わないとの見通しが20.3%、0.25ptの利上げを行うとの見通しが79.7%となっている。
急速な利上げがさらなる銀行破綻を引き起こすとの見方から、今回は利上げを行わない、あるいは利上げをしても0.25ptにとどめるとの観測が強まっているのだ。
また、14日(火)に発表された2月消費者物価指数の結果がほぼ事前予想どおりの着地となったことも、上記の見方を強めている。
インフレ懸念が強まるほどではないとの見方から、0.5ptの利上げには踏み切らないだろうと予想されているのだ。
一方で、FOMCに先んじて行われた16日(木)のECB理事会では、0.5ptの大幅利上げを決定している。
今のところ、今回のFOMCでは0.25ptの利上げを行うとの見方が優勢ではあるが、結果に注意を払った方がいいのは確かだ。
可能性としては低いが、今回のFOMCで0.5ptの利上げが行われた場合には、NYダウは大幅下落するだろう。
また、0.5ptの利上げが行われなかったとしても、パウエルFRB議長の会見での発言がタカ派的なものであった場合は、やはりNYダウには強い下押し圧力がかかるとみられるため、注意したい。
22日(水)のFOMCとパウエルFRB議長の会見を通過するまで、NYダウは不安定になる可能性があることを念頭に置く必要がある。
さらに、シリコンバレー銀行、シグネチャー銀行に続く銀行破綻についても、併せて注意したい。
シリコンバレー銀行の破綻を皮切りに、クレディ・スイスグループの経営不安が再燃した。
ただし、シリコンバレー銀行およびシグネチャー銀行については、米規制当局が預金の全額保護を発表し、クレディ・スイスについても、中央銀行であるスイス国立銀行が500億スイスフランの資金供給を行うことが報じられているため、今のところ、市場の不安は緩和されている。
シリコンバレー銀行やシグネチャー銀行の破綻は、かつてのリーマンブラザーズの破綻に比べると小規模であるものの、引き続き、他の銀行で似たような金融不安が発生しないか、ということに注意したほうがいいだろう。
日経平均株価は前半までは方向感が出にくい状態に
2023年3月20日~2023年3月25日の週の日経平均株価は、22日(水)まで方向感の出にくい状態が続くと考えられる。
なお、21日(火)は祝日のため休場となる。
FOMCで、市場予想どおり0.25ptの利上げもしくは政策金利の据え置きが決定し、かつ、パウエルFRB議長がタカ派的な発言をしなかった場合には、23日(木)以降は基本的には堅調に推移するだろう。
今週の推奨セクター
2023年3月20日~2023年3月25日の週に推奨したいのは、精密機械の中でもデジカメの割合が高いところである。
2022年10~12月期の世界デジカメ出荷台数は、デジタル一眼は前年同期比26.1%増の1,700万台となり、金額ベースでも同59.9%増の1,876億円となった。
また、コンデジの出荷台数は減少、交換レンズは微増した一方で、金額ベースではどちらも前年同期比2桁増となっている。
2023年にはピークアウトすると考えられるが、それでも概ね堅調に推移すると考えられる。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは金融の中でも暗号資産を手掛けているところである。
株式は個人投資家の売買代金が改善傾向にあり、FXは急激な円安が緩和されたうえ、円高方向に進行していることから、売買代金が落ち着きつつある。
他方、暗号資産は苦戦が続いている。
シリコンバレー銀行やシグネチャー銀行の破綻に関する市場の不安はいったん緩和したものの、今後の見通しが不安定な状態であることも勘案すると、金融の中でも暗号資産の割合が高いところは避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
なお、2023年3月20日~2023年3月25日の週は、21日(火)、22日(水)の米FOMCの他に、23日(木)に2月米新築住宅販売件数、24日(金)に2月米耐久財受注、3月米製造業PMI、3月米サービス業PMI、3月米総合PMIの発表が予定されている。
また、24日(金)には日本の2月全国消費者物価指数の発表もある。
これらの結果や内容にも注意が必要だ。
