2016年4月25日、インヴァスト証券からETF(上場投資信託)取引専用の口座「トライオートETF」が開始されました。
従来は証券口座のみ取引できなかったETFを証拠金取引を利用して取引ができるようになりました。
そのトライオートETFのメリットやデメリットを探ります。
公式情報トライオートETF
インヴァスト証券トライオートETFの特徴
インヴァスト証券トライオートETFは、専用口座から海外籍及び国内籍ETFに対して半自動売買できるのが特徴です。
インヴァスト証券との間で仮にETFを売買したという設定のもと、売買の差額をもらったり支払ったりします。つまり、実際のETFを現物として売買したわけではなく、あくまでも仮想の売買で損益をはじき出す、CFD取引(差金決済取引)の一種です。
ETFの売買においては、インヴァスト証券が指定した証拠金額が用いられます。当然、この証拠金額は実際のETF価格と比例して変動します。
トライオートETF買いの場合
買いのケースでは、ETFの値が上がればその金額をインヴァスト証券からもらい、値が下がればその金額をインヴァスト証券に支払います。
トライオートETF売りの場合
売りのケースでは、値が上がれば支払い、値が下がればもらうということになります。
トライオートETF取引による利益の一例
例えば、あるETFの価格が2000円の時に1口購入して、そのETFが3000円に上がった時に売れば、1000円の利益が生じるので、それを受け取れます。
トライオートETFは多用な注文ができる
注文形態は、成行注文、指値注文、逆指値注文、If Done注文、If Done OCO注文、一括決済機能と、幅広く対応しています。
インヴァスト証券トライオートETFで売買できるETFは?
インヴァスト証券トライオートETFで売買できるETFは、2017年2月現在で以下の26種類です。
一般論として、株式取引であれば、一銘柄は一企業への投資になるのに対し、ETFは上場する銘柄の中から選別された複数の銘柄の平均株価が基準となることから、ETFを利用すると複数の銘柄に分散投資することになります。
取扱ETF | 対象国など | 投資対象 | 備考欄 |
---|---|---|---|
日経平均レバレッジ上場投信 | 国内 | 日経平均 | レバレッジ2倍 |
日経ダブルインバース上場投信 | 国内 | 日経平均 | レバレッジ2倍 |
日経225連動型上場投資信託 | 国内 | 日経平均 | |
TOPIX連動型上場投資信託 | 国内 | TOPIX | |
Direxionデイリー米国金融株ブル3倍ETF | 米国 | 金融株 | レバレッジ3倍 |
プロシェアーズウルトラプロQQQ | 米国 | ナスダック | レバレッジ3倍 |
プロシェアーズウルトラS&P500 | 米国 | S&P500 | レバレッジ2倍 |
SPDR S&P500ETF | 米国 | S&P500 | |
iシェアーズラッセル200ETF | 米国 | 小型株 | |
公益事業セレクト・セクターSPDRファンド | 米国 | 公共事業株 | |
生活必需品セレクト・セクターSPDRファンド | 米国 | 生活必需品株 | |
エネルギー・セレクト・セクターSPDRファンド | 米国 | エネルギー株 | |
iシェアーズラッセル1000バリューETF | 米国 | 大型バリュー株 | |
資本財セレクト・セクターSPDR ファンド | 米国 | 資本財株 | |
一般消費財セレクト・セクターSPDRファンド | 米国 | 一般消費財株 | |
テクノロジー・セレクト・セクターSPDRファンド | 米国 | テクノロジー株 | |
金融セレクト・セクターSPDRファンド | 米国 | 金融株 | |
パワーシェアーズQQQ信託シリーズ1 | 米国 | 金融株除くナスダック | |
ウィズダムツリー・欧州・ヘッジド・エクイティ・ファンド | 欧州 | 大型株 | |
iシェアーズ中国大型株ETF | 中国 | 大型株 | |
iシェアーズMSCI ACWI ETF | 世界 | 大型&中型株式 | |
バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF | 新興国 | 新興国株 | |
iシェアーズiBoxx米ドル建てハイイールド社債ETF | 米国 | 高利回り社債 | |
iシェアーズiBoxx米ドル建て投資適格社債ETF | 米国 | 投資適格社債 | |
WTI原油連動ETF | 商品 | NY原油先物 | |
SPDRゴールド・シェア | 商品 | 金 |
インヴァスト証券トライオートETFの最低取引単位は?
インヴァスト証券トライオートETFの最低取引単位は1口です。
インヴァスト証券トライオートETFの手数料は?
トライオートETFの売買手数料はマニュアル注文ならば無料ですが、場合によっては金利調整額を、さらに為替ヘッジコストを負担する必要があります。
マニュアル注文なら取引手数料無料
マニュアル注文なら取引手数料無料なので、手軽にできるというのが特徴です。
また、円貨決済なので、事前にドルに換える手間もありません。従来のETF取引に比べ、売買手数料と為替手数料が発生しません。(別途金利と売値と買値の差[スプレッド]による手数料が発生します)
オートパイロット注文は、発注代金の0.3%
一方、トライオートETFを自動売買で取引するオートパイロット注文は、発注代金の0.3%(税込)の取引手数料がかかります。
ETF保有期間中金利調整額が発生する
ンヴァスト証券トライオートETFでは、ETFを保有するにあたって、金利調整額がかかります。ETFを買ったときには金利調整額を支払い、売ったときには金利調整額を受け取ります。
つまり「買い」ばかり狙うと金利調整額を支払い続けるという面が出てくるので注意が必要です。
元本為替ヘッジによる金利コストもある
他に、元本為替ヘッジのために金利コスト1.25+Libor%がかかります。Liborとは、国の政策金利のことです。この金利コストは元々円単位である日本国内のETFに対してもかかるので注意してください。
なお、証拠金に対して金利コストが発生するため、あとで解説するレバレッジを利用すれば、金利コストの負担は低下します。
インヴァスト証券トライオートETFの取引時間
インヴァスト証券トライオートETFの取引時間帯はほぼ一日中です。具体的な取引時間は、以下のとおりです。
銘柄 | 取引時間 |
国内ETF銘柄 | 9:05~11:25、12:30~15:00 |
米国銘柄 | 23:35~翌朝5:55(サマータイム期間は22:35~翌朝4:55) |
インヴァスト証券トライオートETFのレバレッジは5倍
インヴァスト証券トライオートETFでは、2017年2月6日以降に口座開設した方は、レバレッジ5倍を基本としています。
なお、2017年2月3日以前に口座開設した方は、Myページから変更申請をして、審査をパスすれば、証拠金の5倍分のレバレッジをかけて取引することもできます。ちなみに、レバレッジ5倍からレバレッジ1倍への変更は現時点ではできません。
例えば、レバレッジを5倍にすれば、1万円の証拠金でも実質5万円分のETF(5口分)を売買できるということになり、単純に考えて5倍の資金効率を得られます。
さらに、レバレッジを増やしても、金利コストは変わりません。つまり、実際の証拠金に対して1.25+Liboe%しかかからず、実質1.25%以下となります。
インヴァスト証券トライオートETFの情報ツールは?
インヴァスト証券トライオートETFでは、初心者でも取引方法やルール、さらに銘柄情報が把握できる取引ツールが用意されています。ここから、リアルタイムでレートを確認できます。
また、パソコンだけでなく、スマートフォンのアプリにも対応しており、いずれも無料で利用できます。
インヴァスト証券トライオートETF資産保全は?
インヴァスト証券トライオートETFでは、顧客の資産に対しては100%信託分離保管されており、万が一の事態が生じても、預けた資産に評価損益等を加えた有効証拠金は、全額保全されます。
トライオートETFの税金は?
トライオートETFは店頭CDFと同じですので、雑所得による「申告分離課税」が適用されます。
CFD(トライオートETF)の利益対して一律20.315%(所得税15%、復興特別所得税が所得税×2.1%、地方税5%)がかかります。
※CFD(トライオートETF)の利益 = 売買差損益 ± 分配相当額 ± 金利・貸株料調整額 - 必要経費
また、現物ETF取引ではないため、確定申告にて外国税額控除の制度を利用することはできませんが、損失が発生した場合に、確定申告をしておくと翌年以降3年間、利益からその損失分を控除することができます。
ちなみに、損益の通算はインヴァスト証券の店頭FX「シストレ24」「TriAutoFX(トライオートFX)」「FX24」、店頭CFD「トライオートETF」を合算できますし、他社のFXやCFD、日経225先物取引についても損益を通算することが可能です。
ETF自動売買セレクトを利用して自動売買もできる
トライオートETFにはETF自動売買セレクトという機能がります。
ETF自動売買はあらかじめ設定されたロジックにより複数の連続注文を行い収益を確保を試みます。
あらかじめロジックは用意されていますが、自分でも追尾のみカスタマイズすることが可能です。
なお、ロジックごとに推奨拠出金が定められています。
自動売買セレクト名 | 銘柄コード | 運用資金 |
---|---|---|
MSCIワールド_スリーカード | ACWI.ARC | 476,280円 |
MSCIワールド_追尾 | ACWI.ARC | 466,480円 |
金融株トリプル_スリーカード | FAS.ARC | 421,200円 |
小型株_スリーカード | IWM.ARC | 456,300円 |
小型株_追尾 | IWM.ARC | 468,000円 |
ナスダック100_スリーカード | QQQ.ARC | 469,800円 |
S&P500ETF_スリーカード | SPY.ARC | 477,360円 |
ナスダック100トリプル_追尾 | TQQQ.ARC | 478,800円 |
エネルギー株_追尾 | XLE.ARC | 499,200円 |
資本財株_スリーカード | XLI.ARC | 441,000円 |
一般消費財株_スリーカード | XLY.ARC | 466,830円 |
インヴァスト証券トライオートETFのメリット
円貨から海外籍ETF取引が可能
円貨から外貨にすることなく海外籍ETFの取引することができます
為替ヘッジにより為替リスクをゼロにできる
為替ヘッジを行いますので為替リスクはゼロにできます。もちろん為替ヘッジコストは負担しなければなりませんが。
レバレッジによる取引ができる
通常のETFはダブルやトリプルなどのETFを利用すれば2から3倍の取引は可能ですが、さらにその5倍のレバレッジをかけることで、銘柄によっては10倍から15倍のレバレッジがかけることが可能で、ハイリターンを狙った取引が可能です。
また、レバレッジを増やしても、金利コストは証拠金に対してしかかからないので、レバレッジを増やすほど実質の金利コストも抑えられます。
インヴァスト証券トライオートETFのデメリット
銘柄が26種類しかない
インヴァスト証券トライオートETFでは取扱銘柄は26種類に限られています。好みに合った銘柄を徹底的に探すタイプの投資家でしたら、物足りなく感じるかと思います。ただ、初心者などにとっては、選択肢が絞れるので逆にメリットともいえます。
金利調整額がかかることから長期投資にはまったく向かない
また、金利調整額の存在から、インヴァスト証券トライオートETFは長期投資には適していません。金利調整額は買った時に支払い、売った時に受け取るの仕組みなので、買いばかりだと、支払うばかりになってしまうのです。
国内ETFにも元本為替ヘッジのために金利コストがかかる
なぜだかわかりませんが、元本為替ヘッジのために金利コストが国内籍ETFにも発生します。
インヴァスト証券トライオートETFは短期売買向けの投資ツール
金利がかかることから長期投資には向かないツールです。またレバレッジが原則としてかかることからリスクも高いので、短期間で臨機応変に売買して取引差益を狙うことがコスト負担やリスクを抑えるコツになります。
さらに、ETF自動売買セレクトが常に利益を生み出すならばかなり有益なツールと捉えることができます。
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