本日お届けするのは、先週から始まった知人の金融関係者のtakashiさんの寄稿記事です。
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相場見通し(2019年12月16日~2019年12月20日)
おはようございます、金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
さて、2019年12月16日~12月20日の週の日本の株式相場は、米中貿易協議の第一段階の合意に達したとのニュースが好感され、概ねリスクオンムードとなるだろう。
米中貿易協議の第一段階の合意と15日発動予定の米国による対中制裁関税の発動ついては、12月9日~12月13日の週の市場における最重要事項となっていたため、本件に関する報道が相場を左右する展開が続いた。
また、同週にはFOMC、ECB理事会などの重要イベントがあったため、このことが相場の重しとなり、株も為替も方向感の出にくい状態になったようだ。
13日の日経平均株価は、前場に米中貿易協議が大筋合意したとの報道を好感し、買い優勢に。
半導体など景気敏感株を中心に買われる展開となった。
その流れは後場も継続し、日経平均株価は24,000円台を回復。
前日比598円29銭高の24,023円10銭で取引を終えている。
その後、同日の夜に、米中両国が貿易協議の第一段階の合意が成立したことを発表。
知的財産権の保護や、技術移転の強要、食品・農産品、金融サービス、為替レート、貿易の拡大等の9章で構成された合意文書であることを中国政府が発表し、トランプ米大統領もTwitterに「中国と非常に大きな第一段階の合意に達した。15日に発動予定の制裁関税は見送る」と投稿した。
これにより、15日に発動予定だった中国製ノートパソコンやスマートフォンなどへの15%の追加関税の残り1,600億ドル相当に関しては見送られることとなった。
また、米通商代表部によれば、2,500億ドル相当の中国製品への追加関税の税率は25%で継続し、15%となっている1,200億ドル相当については、当面の間は7.5%に引き下げるとのことだ。
この報道を受け、相場は一転してリスクオンムードに。
NYダウは一時100ドル近く上昇し、最高値を更新。
また、ドル円も1ドル109円63銭まで円安が進んだ。
しかし、その後は利益確定売りが先行したため、NYダウは再び元の水準まで下落。
ドル円も1ドル109円21銭まで下落した。
今回の米中貿易協議の第一段階の合意と15日に発動予定だった対中制裁関税の見送りについては、市場は想定内と受け止めている。
事前予想どおりとはいえ、合意に至るまでは流動的で、関連ヘッドラインに振り回される状態が週を通して続いたことから、投資家は今回の結果を好感したものと考えられる。
なお、今回の合意については、中国側が米国に要求する関税の完全撤廃は通らなかった。
また、米中両国での溝が深い産業補助金等の問題は、第二段階以降の合意に持ち越されることになっている。
トランプ米大統領によれば、米中貿易協議の第二段階の合意については、米大統領選の後になる予定とのことで、本問題の長期化は避けられない。
とはいえ、第一段階の合意について解決が見られたことを市場は好感するだろう。
そのため、12月16日~12月20日の週については、投資家のリスクオフムードが後退したことにより、日経平均株価は上値を試す展開になる可能性がある。
ただし、最高値を突破したところでの利益確定売りには注意が必要だ。
一方、為替は米中貿易協議の第一段階の合意と15日に発動予定だった対中制裁関税が見送られたことで、過度な円買いは後退するものとみられる。
ただ、12月10日と11日に行われたFOMCで米国の政策金利の当面の据え置きが決まり、来年の金融政策の見通しでは、17人のFOMC参加者のうち、13人が据え置きとの想定を示していることから、ドル円は方向感の出にくい展開になるだろう。
そのため、円安トレンドになりにくく、円安が日経平均株価を押し上げたとしても、一時的なものに留まるものと考えられる。
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