知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2020年7月6日~7月10日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
今週も先週に続いてもみ合いに
2020年7月13日~2020年7月18日の週の日経平均株価は、もみ合いが続くと考えられる。
強気相場になるとは考えにくく、個別株が日経平均株価の上昇をけん引するだろう。
2020年7月6日~2020年7月11日の週の日経平均株価は、前週、前々週に続き、もみ合い相場となった。
7月6日(月)に22,718円まで上昇する場面もあったが、翌日は失速。
上値を追う材料に乏しく、利益確定売りが優勢となったことが原因であると考えられる。
その後は概ね22,500円を挟んだ動きが続き、7月9日(木)に22,636円まで再び浮上した後は、東京における感染者数の増加が重しとなり、下落。
7月10日(金)は前日のNYダウが新型肺炎の感染再拡大を受け、下げ幅が一時500ドルを超えるなど軟調だったことから、日経平均株価も下落。
ただ、前週末比でみると15銭67銭程度の下落となり、週を通した動きはもみ合いだったと言える。
2020年7月6日~2020年7月11日の週は材料難だったと言えるが、米国での感染者数の増加に加え、7月8日(水)と10日(金)にはETFの分配金の捻出売りが入ったことが下押し材料となった。
さらに、日本では東京都の感染者数が7月9日(木)には224人、翌10日(金)には243人と2日連続の200人超えとなったことや、良品計画の米子会社が破綻したことが、投資家心理の重しとなったと考えられる。
ただ、そんな中でも下値を大幅に割り込むことが無かったのは、ポジティブだと言えるだろう。
背景には、日銀のETF購入による買い支えへの期待感があると考えられる。
とはいえ、積極的に買いあがるだけの材料はなく、個別株の買いや、ナスダックの上昇を受けたハイテク株への買いなどが、日経平均株価の押し上げ材料になった。
好材料があっても上昇トレンドを形成するまでには
このような流れは、2020年7月13日~2020年7月18日の週も続くだろう。
米国では南西部の州での新型肺炎の感染者が急増しており、多くの州でバーやビーチなどの閉鎖といった対策がとられている。
中でもカリフォルニア州とテキサス州では、1日あたりの死者数が最多となり、全米での死者数は9日(木)には2日連続で900人超え、感染者数は300万人を突破するなど、いまだに収束の兆しが見えないのだ。
このことが米株式市場では意識され、積極的に上値を追う展開になりにくい。
一方で米経済指標は好調で、7月6日(月)に発表された6月の米ISM非製造業景況指数は、事前予想の50.2を上回る57.1となり、前回の45.4からも大幅に良化した。
また、7月9日(木)に発表された前週分新規失業保険申請件数は、事前予想の137.5万件を下回る131.4万件で、解雇ペースの鈍化が続いていることが伺える。
ただ、新規失業保険申請件数に関しては、依然として失業率が高い水準にあることも指摘されている。
米国内での新型肺炎の感染再拡大により、活動再開の遅れや一部の活動の再停止などの動きが出ているため、雇用の増加がいったん停滞あるいは失速するのではないかとの見方がされているのだ。
この懸念は現実味を帯びつつあり、7月10日(金)に発表された米生産者物価指数は事前予想に反し、マイナスに(事前予想:前月比0.4%、結果:同-0.2%)。
新型肺炎の感染再拡大により、インフレ圧力が弱まっていることが伺える内容となった。
このように、良新型肺炎の感染拡大が重しとなっているため、米株式市場は、米経済指標の好調とは裏腹に、上昇トレンドに転じにくい状態が続いている。
それは日本も同じで、すでに書いたように、東京における感染者数の再増加が重しとなっている。
だから、好材料があっても、上昇トレンドを形成するには至らない。
ハイテク株のけん引と感染者数の増加の綱引き
そのため2020年7月13日~2020年7月18日の週の株式相場は、もみ合いが続くと考えられる。
コロナショックにより今年の3月から低下を続けている米10年債利回りが、底打ちし上昇トレンドに変わるといったことがないと、NYダウも、日経平均株価も上昇トレンドを形成しにくく、これまでのように、一進一退の攻防が続くだろう。
そのため、米国市場ではNYダウではなく、「ウィズ・コロナ」の中で注目され、好調が続くハイテク株を中心としたナスダックが、引き続き株式相場をけん引するだろう。
ナスダックの上昇を受けて、日経平均株価もハイテク株を中心に買われる展開になると考えられる。
そのため、日経平均株価が上昇する場合は、市況が良いのではなく、個別株に好材料が出て買われ、その影響が日経平均株価に波及するケースが多くなるだろう。
また、緊急事態宣言解除後に首都圏と地方との移動が再開されたことにより、首都圏から地方に新型肺炎が持ち込まれるケースに注意したい。
東京の感染者数の急増はすでに書いたとおりだが、埼玉県や神奈川県、千葉県などでは、東京と同じように2つ目のピークが顕著になってきている。
移動が解除されたことで、首都圏から地方へウイルスが持ち込まれ、その結果、地方での感染者数の再拡大が顕著になった場合には、日経平均株価はもみ合いから下降トレンドに転じる可能性も考えられるので気を付けたい。
日銀金融政策決定会合よりECB理事会
なお、7月14日(火)と15日(水)には日銀金融政策決定会合が開催される。
今のところ金融政策の現状維持を決める見通しなので、株式相場に大きな影響を与える可能性は少ないだろう。
また、16日(木)にはECB理事会が開催されるが、こちらの内容にも留意したい。
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