知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2020年7月20日~7月24日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
日経平均株価は、連休を前に、引き続き方向感の出にくい状態か
2020年7月20日~2020年7月25日の週の日経平均株価は、連休を前に、引き続き方向感の出にくい状態が続くと考えられる。
相場の上昇をけん引する材料に乏しく、新規感染者数が増加あるいは高止まりすると相場の重しになるため、上昇トレンドを形成しにくい状態が続くだろう。
一方で、日銀のETF購入などから底堅さもみられるため、ボックス相場になりやすい。
先週も引き続きもみ合い相場
2020年7月13日~2020年7月18日の週の日経平均株価は、またももみ合い相場となった。
週初めの月曜日(13日)は、前週末のNY市場で新型肺炎の治療薬やワクチン開発への期待感が高まり、22,784円まで上昇する場面もあったが、翌日は失速。
水曜日(15日)は、その前日のNY市場で米主要企業の4月~6月期決算を前にポジション調整の動きが強まったことや、米バイオ医薬品のモデルナが、現在開発中の新型肺炎のワクチン候補について、後期治験を今月27日頃より開始するとを発表したことが好感され、NYダウが一時600ドル超上昇するなど大幅高で取引を終えたことから、日経平均株価は寄り付きから大幅上昇して始まり、この日は買い優勢で取引を終えた。
ただ、同時に上値の重さも感じられ、23,000円台に乗せることはなく、22965円を高値に、全体としては小動きとなった。
これが契機となってか、翌日以降は売り優勢となり失速し、金曜日(17日)の日経平均株価は終盤に若干の買い戻しが入ったものの前日比マイナスで取引を終えている。
前週に引き続き、上値を追う材料に乏しい状況が続いた形だ。
ただ、前週末比でみると405円程度上昇して取引を終えているため、底堅さを感じる一週間でもあったと言える。
市場にとってのめぼしい材料といえば米企業の決算内容で、15日の米国市場では、米ゴールドマン・サックスの好決算がNYダウの上昇をけん引した。
しかし、それ以外は、米バイオ企業の新型肺炎ワクチンの治験が市場にとって好材料となった形である。
感染者数の拡大が今週も懸念材料に
このように好材料が乏しい中で懸念されるのが、感染者数の拡大だ。
このことが2020年7月20日~2020年7月25日の週も意識されるだろう。
米国では、南部や西部を中心に新型肺炎の感染者数が急増している。
米国の経済指標は概ね好調に推移しているが、一方で、第二波とみられる感染者数の拡大が、米国の経済活動に悪影響をもたらすのではないかとの懸念があった。
実際、2020年7月13日~2020年7月18日の週に発表された米経済指標の結果は、その懸念を裏付ける内容のものがみられ、16日に発表された米新規失業保険申請件数は、事前予想の125万件を上回る130万件となった。
また、17日に発表された米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)は、事前予想の79.0に対し73.2と下回り、新型肺炎の影響で大幅に落ち込んだ4月の71.8の水準に近付いた。
その原因は、前述のとおり、米国における感染者数の拡大が止まらないことにあると考えられる。
再ロックダウンの可能性が意識され、景気回復が遅れるのではないかとの懸念が浮上しているのだ。
日本においても同様で、東京の新規感染者数は急増している。
7月12日と13日の東京における新規感染者数が200人を超え大騒ぎとなったのは記憶に新しいところだが、今週に関しては、木曜日(16日)が286人、金曜日(17日)が293人と、300人近い新規感染者が確認されている。
怖いのは、この数字が氷山の一角であるということだ。
検査数の増加に伴い新規感染者数も増加している、とのことだが、実際の感染者数がどれくらいなのか、全容が明らかになった時にどの程度のインパクトを市場に与えるのか、ということが想定できない。
そんな中、前倒しで行うと発表したGo Toキャンペーンをどうするかで政局は右往左往しているが、市場の反応は冷ややかだ。
東京市場の取引時間中に発表される新型肺炎の新規感染者数が市場心理に冷や水を浴びせる状態は、新規感染者数が増加あるいは高止まりする限りは続くとみられ、7月20日~2020年7月25日の週についても、このことが市場の関心材料になると考えられる。
とはいえ、政府は感染者数の拡大を積極的に止めることはせず、経済活動を優先する姿勢を変えていないため、市場が懸念する緊急事態宣言の再発令の可能性は今のところ低いだろう。
ただ、景気回復の遅れ等の懸念から、米国の新規感染者数の推移とともに市場の下押し材料として意識されると考えられる。
中央銀行の金融緩和策とセットでボックス相場を形成か
そんな中、ポジティブ材料といえば、各国の中央銀行が景気刺激策として金融緩和を積極的に行っていることだ。
また、日本については日銀がETFの購入をしている。
このことが相場の下支え材料になると考えられるが、上昇をけん引するだけの力はなく、感染の終息が確認できない限りは、トレンドが明確にならないボックス相場になるだろう。
また、7月20日~2020年7月25日の週は、日本市場は週の前半しか動かない。
そのような理由からも、方向感の出にくい一週間になると考えられる。
なお、7月20日~2020年7月25日の週で気を付けたいのは、20日に発表される日銀金融政策決定会合の議事要旨の発表や、21日の6月工作機械受注の確報値、そして、22日に発表される米国の6月中古住宅販売件数だ。
特に、日本市場が休場中の米国の経済指標の内容には注意したい。
それに加え、米中対立の動向にも引き続き注意が必要だ。
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