知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2020年11月9日~11月13日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
今週は不安定要素あるも堅調に推移か
2020年11月9日~2020年11月14日の週の日経平均株価は、米大統領選の動向が相場の不安定要素になるものの、概ね堅調に推移するだろう。
先週はNYダウも日経平均株価も大幅上昇
2020年11月2日~2020年11月7日の週は、半ば以降、米大統領選の動向をにらんだ思惑買いが優勢となり、NYダウも日経平均株価も大幅上昇した。
週のはじめの2日(月)は、日経平均株価は買い優勢となった。
というのも、前週末まで5日連続で下落したことから、買い戻しや思惑買いが入ったためだ。
また、その前の週から本格化した決算発表の結果を受け、コロナ禍による業績悪化から回復の兆候がみられる企業への買いも入り、日本企業の業績は回復基調が続くとの楽観的な見方が広がったことも、日経平均株価の上昇の要因となった。
3日(火)は日本が祝日であったため休場で、米大統領選の開票が行われた翌4日(水)は、日経平均株価もNYダウも大幅上昇することとなった。
日経平均株価は4営業日続伸し、6日(金)の日経平均株価は24,325円23銭と、1991年11月以来29年ぶりの水準まで上昇した。
また、NYダウは5日(木)の終値が前日比542.52ドル高の28,390.18ドルとなった。
6日(金)に関しては利益確定売りが優勢となったものの、前日比66.78ドル安と小幅な下落にとどまっている。
米大統領選は混迷を極める
米大統領選については、トランプ、バイデン両氏が圧勝しない限り、訴訟などの不安要素があるため、市場の混乱は長期化するとみられていた。
実際、今回の米大統領選は混迷を極めており、日本時間の4日(水)の夜にはトランプ米大統領が優勢とみられていたのが、夜中になると突如バイデン氏の票が伸び、今ではバイデン氏が当選する可能性が高いとみられている。
そして、トランプ米大統領は今回の大統領選に関し、不正があったとして訴訟を拡大することを明らかにしている。
大統領選は混迷を極め、市場が最も懸念していたシナリオへ進もうとしている。
しかし、既述のとおり、日米の株式市場は株高となったのだ。
また、米大統領選と同時に行われた連邦議会選では、共和党候補が各地で勝利し、民主党の過半数奪還の可能性は後退している。
一方、下院は民主党が過半数の議席を維持する見込みであるため、米議会ではねじれが起こることになる。
そのため、米債券市場では、米大統領選後の早期財政出動が難しくなるとの見方が広がり、4日(水)には米10年債利回りが大幅に低下した。
債券市場の動きは、事前に予想されていたとおりの動きであったと言えよう。
株価は大規模な金融緩和期待にり上昇
一方で、株価は反対の動きを見せた。
3日(火)に米大統領選が始まると、バイデン氏優勢との世論調査の結果を受け、同氏が当選した場合に大型経済対策を打ち出すとの見方から、幅広い業種で買いが先行し、翌4日(水)、5日(木)も続伸している。
既述のとおり思惑買いが入ったことが原因だが、そもそも、株式市場は10月下旬から、欧州における新型コロナウイルスの感染再拡大と、それに伴う再ロックダウンの動きが懸念され、リスクオフムードが広がっていた。
その中で行われた米大統領選では、その反動のように思惑買いが入り、さらには、5日(木)のFOMC後の記者会見で、パウエルFRB議長が「景気支援へ、資産購入策を再検証する」と述べ、量的緩和の拡充を検討することを明らかにした。
パウルFRB議長の発言を受け、大規模な金融緩和が行われるのではないかとの期待が先行したことも、株価の大幅上昇の要因になったと考えられる。
米大統領選に関する報道に引き続き注意
米大統領選に関しては、しばらく混とんとする可能性が高い。
トランプ米大統領が訴訟を明らかにするなど、市場にとっての不安定要素があるため、最終的な当選者が決まる来年1月20日までは、このような混乱はつきものだと考えた方が良い。
そのため、2020年11月9日~2020年11月14日の週も、米大統領選に関する報道に引き続き注意が必要だ。
また、先ほど書いたように、米国では上院が共和党、下院が民主党のねじれ状態が継続する見通しだ。
その結果、早期財政出動や経済対策が困難になるため、NYダウは調整する可能性があることにも注意したい。
日経平均株価もNYダウの動きに連動も企業業績回復の兆候が下支え
日経平均株価もNYダウの動きに引きずられるだろう。
ただ、日本株に関して言えば、コロナ禍の影響から底抜けし、回復の兆候が出ている会社の業績が、株価を下支えしている。
先週書いたように、10月最終週に本格化した2020年7-9月期決算の内容が良好な企業に押し目買いが入り、日経平均株価が下落した場合も、NYダウ程の強烈な下落にはならずに済んでいる。
また、抵抗線として意識されていた24,000円を日経平均株価が突破したことも、投資家のリスクオン姿勢を後押しするだろう。
そのため、2020年11月9日~2020年11月14日の週の日経平均株価は、概ね堅調に推移すると考えられる。
ただし、13日(金)にはオプションSQが控えているため、日経平均株価の上昇がここで一服する可能性があることに注意したい。
なお、このほかに、13日(金)発表の米10月生産者物価指数や11月のミシガン大学消費者信頼感指数の結果にも注目したい。
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