知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2021年3月1日~3月5日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
相場見通し(2021年2月22日~2021年2月27日)
今週は上値の重い状態が続く
2021年3月1日~2021年3月6日の週の日経平均株価は、上値の重い状態が続くと考えられる。
先週の振り返り
2020年2月22日~2月27日の週は、22日(月)に、日経平均株価は買い戻しにより上昇した。
しかし一方で、翌23日(火)が祝日のため、ポジションを持ち越さず、利益確定売りをする動きも出たため、この日の上昇は限定的なものとなった。
24日(水)は、前日のナスダック総合指数が下落したことや時間外のNYダウ先物が軟調だったことから、電子部品など過熱感の警戒される銘柄を中心に売られ、日経平均株価は3万円を割り込んで取引を終えた。
しかし、この日、パウエルFRB議長が米下院金融サービス委員会で、インフレ率2%超えの実現には3年以上かかるとの見通しを示したため、NYダウは5営業日ぶりに市場最高値を更新。
これを受けて、25日(木)の日経平均株価は3万円台を回復した。
しかし、26日(金)は、前日のNYダウが長期金利の上昇を嫌気して5営業日ぶりに反落したことが重しとなり、日経平均株価は急落。
日経平均株価は前日比1202円26銭安の28,966円01銭で取引を終えた。
前週末比では、1,051円91銭と大幅下落したことになる。
材料難と長期金利の上昇
2020年2月22日~2月27日の週の下落は、26日(金)以外は、材料不足とNYダウなどの株価指数の下落に連動したところが大きい。
そのため、25日(木)までは、下げてもすぐに戻し、3万円台を回復するスピードは速かった。
一方で、上昇トレンドを形成するだけの材料がなく、米国の長期金利の上昇も警戒され、日経平均株価は積極的に上値を追う展開にならなかったのも事実だ。
その米国の長期金利の上昇は、26日(金)の日経平均株価の大幅下落につながった。
米長期金利の上昇により、企業収益を圧迫するとの懸念があったのだが、過剰流動性相場に加え、イエレン米財務長官が財政刺激策に前向きな発言をしたことや、新型コロナウイルスワクチンの普及などの好材料が懸念を上回ったため、本格的な下降トレンドに転換させる程の下押し圧力にはなっていなかった。
それが今回、なぜ株価の急落につながったのかといえば、一つは機関投資家の株売り・債券買いの月末リバランスである。
このタイミングにヘッジファンドによる仕掛け売りが入った可能性が指摘されている。
また、バイデン米政権がシリアを空爆したとの報道があったことも、投資家のリスク回避姿勢を強め、売りを誘った形だ。
その米長期金利は、26日(金)の東京時間中には下げ止まり、NY時間中も1.4%台~1.5%台で推移している。
日経平均3万円をにらんでもみ合いか
依然として高水準で予断を許さない状態ではあるが、このまま一方的に金利が上昇するとは考えにくい。
日本企業の業績はコロナ禍からの回復が確認でき、押し目買いが入るタイミングがたびたびあるだろう。
また、日本国内の新型コロナウイルスの新規感染者数も減少傾向にあり、首都圏を除く6府県は28日(日)で緊急事態宣言の解除を決定している。
経済活動の正常化への準備が着々と整っているため、相場にとって本来は追い風となるのだが、コロナ禍からの景気回復に伴う財政出動や金融緩和策の終了も同時に意識されるため、業績相場と金融相場との綱引きが続くだろう。
そのため、2021年3月1日~2021年3月6日の日経平均株価は上値の重い展開になり、3万円をにらんでもみ合いになると考えられる。
今週の推奨セクター
なお、2020年3月1日~2021年3月6日の週で推奨したいセクターは、エネルギー資源と銀行である。
コロナ禍収束後のインフレ懸念と、米長期金利の上昇はこれらの銘柄にとってメリットとなる。
インフレ懸念と米長期金利の上昇がくすぶる現状は、これらの銘柄には追い風になりそうだ。
今週の非推奨セクター
反対に避けたいのは、IT関連と医薬品である。
米国では一部のIT関連株に押し目買いが入ったものの、今後も米長期金利の動向を受けて、神経質な展開が続くと考えられる。
そのため、様子見をした方が良いだろう。
医薬品は、新型コロナウイルスワクチンの接種がスタートし、このところの市場の注目がコロナ禍の収束後の動向に向いていることから、株価は小動きとなっている。
個別材料があっても、セクター全体としては買い場の到来とはなっておらず、しばらくは動きの小さい状態が続きそうだ。
今週の経済指標
また、2021年3月1日~2021年3月6日の週は、5日(金)の2月米雇用統計に注目したい。
さらに、1日(月)の2月米ISM1製造業景況指数、3日(水)の2月米ADP雇用統計、2月ISM非製造業景況指数の結果にも注意が必要だ。
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