知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2021年5月10日~5月14日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
今週は個別企業の決算発表の動向に左右される
2021年5月10日~2021年5月15日の日経平均株価は、決算発表を受けた個別銘柄の動向に左右されやすくなるだろう。
先週は軟調に推移
5月3日~2021年5月8日の日経平均株価は、3日(月)~5日(水)までゴールデンウィークのため、東京株式市場は休場だった。
6日(木)は、前日のNYダウがエネルギーや金融などの景気敏感株を中心に上昇し、終値の史上最高値を更新したことが好感され、日経平均株価は600円超上昇する場面もあった。
世界で新型コロナウイルスワクチンが普及していることを背景に、景気回復への期待が高まり、東京株式市場でも景気敏感株を中心に買いが入った。
また、円安が進行したことも買いを後押しし、日経平均株価は前営業日比518円74銭高の29,331円37銭で取引を終えた。
7日(金)は、前日のNYダウが再び終値の史上最高値を更新したことが好感されたものの、この日発表の米雇用統計を前に様子見ムードが広がった。
週末ということもあり利益確定売りが優勢となったため、日経平均株価は上げ幅を縮小し、前日比26円45銭高の29,357円82銭と小幅上昇して取引を終えた。
米雇用統計の結果は予想を大幅に下回るも米国株価は好調
このように、5月3日~2021年5月8日は2日しか取引が行われなかった。
6日(木)と7日(金)の日経平均株価をけん引・下支えしたのは、主にNYダウなどの米株価指数である。
7日(金)は米雇用統計を前に動きが鈍くなったが、前週金曜日と比較すると大幅高となり、2日連続で29,000円台に乗せた形だ。
なお、7日(金)に発表された米雇用統計は、4月非農業部門雇用者数変化が事前予想の前月比+97.8万人に対し、同+26.6万人と市場予想を大幅に下回るものとなり、4月失業率も、事前予想の5.8%に対し6.1%と上振れ、さらには3月の6.0%からも悪化した。
この結果を受け、金融緩和策や財政出動の早期打ち切り、縮小観測が後退したため、NYダウは終値の最高値を更新して取引を終えている。
一進一退の展開が続く
2021年5月10日~2021年5月15日の日経平均株価は、一進一退の展開が続くと考えられる。
米国の企業決算は7日(金)までに一巡するため、本決算発表を受けた個別株の動向が日経平均株価に影響するだろう。
特に、12日(水)のトヨタ自動車(7203)やソフトバンクグループ(9984)の決算発表には注意が必要だ。
3月期決算企業の本決算発表は来週も続くが、ここまで発表された本決算に関しては、会社計画を上回る着地になったものも多いが、第3四半期決算発表時とは違い、日経平均株価の上昇をけん引するほどのものにはなっていない。
市場予想を大幅に上回るような着地と来期会社計画が連発しない限り、この流れは変わらないだろう。
また、連休前から相場の下押し材料となっていた新型コロナウイルスの感染状況に関しては、連休中も感染拡大は収束を見せず、緊急事態宣言が延長された。
新型コロナウイルスワクチンの国内での接種も、欧米と比較するとだいぶ遅れている。
欧米ではワクチン接種が進展することで、経済活動の正常化を織り込み、株高が進行しているが、日本で同様の流れが見られないのは、ワクチン接種率が低いことにあると考えられる。
韓国のKBS Worldの報道によれば、3日(月)までのワクチン接種率は、1回目までで英国が50.6%、米国が43.7%、2回目までが英国が22%、米国が30.9%となっている。
一方、日本は1回目までが2%、2回目までが0.5%と大幅に低い。
このことが、日経平均株価の重しになっていると考えられるが、河野太郎行政改革大臣は、ゴールデンウィーク明けの2週間で1,800万回分のワクチンを地方自治体に配るとしているため、今後ワクチン接種が進めば、欧米同様に経済活動の正常化を織り込んで、日経平均株価の上値の重い状態は改善されていくだろう。
2021年5月10日~2021年5月15日の日経平均株価にも、このことが徐々に織り込まれるとみられるが、基本的には個別株の動向の影響を受けやすいと考えられる。
今週の推奨セクター
なお、2021年5月10日~2021年5月15日の週で推奨したいセクターは、海運である。
コンテナ不足の継続に伴うコンテナ運賃の高騰が続いているからである。
スエズ運河の座礁から1か月以上たっているものの、いまだに海上輸送の混乱が収束しておらず、しばらくはコンテナ運賃の高騰が続くと考えられ、海運各社にとっては追い風になるだろう。
今週の非推奨セクター
反対に避けたいのは、緊急事態宣言が延長した関係で引き続き旅行関連である。
また、半導体に関しても、中長期的な保有には気を付けた方が良いかもしれない。
スマホ向けチップセットの需要は、上期は強いが、下期は鈍化が懸念されるため、今後株価が伸び悩む可能性がある。
なお、5月10日~2021年5月15日の週は、12日(水)に4月米消費者物価指数、14日(金)に4月米小売売上高が発表されるため、これらの結果にも注意したい。
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