知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
皆さん投資検討する時の参考にしてください。
延長を希望される方がいたので当面の間延長します。感想などコメントや感想・問い合わせから教えてもらえると嬉しいです。
なお、当ブログに寄稿を希望されるブロガーさんがいらっしゃいましたら、こちらからご連絡くださいませ。
感想・問い合わせ - 1億円を貯めてみよう!chapter2
今週の相場見通しについて(2021年5月31日~6月4日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
米国の雇用改善への期待感が高まる
2021年5月31日~2021年6月5日の日経平均株価は、5月米雇用統計の発表を前に様子見ムードになりやすいと考えられるが、米国の雇用改善への期待感が高まっているため、底堅く推移するものと考えられる。
先週の終値は29,159円06銭
今週、5月24日~5月29日の日経平均株価は29,000円台を回復した。
24日(月)は、前週末の米国株高を受けて序盤は買い優勢となったものの、材料難に加え、28,500円近辺に浮上すると売りが出て上げ幅を縮めたため、日経平均株価は前日比46円78銭高で取引を終えた。
25日(火)は、前日の米国市場でハイテク株が買われたことを受け、ITや半導体関連株が上昇したが、値がさ株の伸び悩みが重しとなり、日経平均株価は前日比189円37銭高となった。
26日(水)は、NYダウ先物が上昇したことが好感された一方で、材料難から日経平均株価は伸び悩み、前日比88円21銭高となった。
27日(木)は、利益確定売り優勢となったことに加え、大引け後にMSCI指数の銘柄入れ替えが行われることから積極的な商いを手控える向きが広がり、日経平均株価は前日比174円79銭安と下落した。
28日(金)の日経平均株価は円安も追い風となり、日経平均株価は前日比610円05銭高の29,159円06銭で取引を終えた。
米長期金利上昇によりNYダウは底堅く推移
このように、5月24日~2021年5月29日の日経平均株価は、週前半は材料難から小幅上昇と伸び悩んだ。
緊急事態宣言を6月20日まで延長するとの報道も、上値抑制要因となった模様だ。
27日(木)は下落したが、終値は28,549円01銭と28,500円台を維持し、底堅かった。
国内でのワクチン接種の拡大が市場の安心材料になったものと考えられる。
なお、28日(金)の日経平均株価の大幅上昇は、前日に発表された、5月米雇用統計の調査対象週の新規失業保険申請件数が減少したことが理由である。
事前予想の42.5万件を下回る40.6万件となり、雇用統計の改善期待が高まったのだ。
この結果を受けて米長期金利は上昇したが、NYダウは底堅く推移した。
前日に28,500円台を維持したことも日経平均株価の追い風となり、大幅上昇につながった。
今週は底堅く推移か
2021年5月31日~2021年6月5日の日経平均株価は底堅く推移するだろう。
米国市場が31日(月)に祝日のため休場となることから、1日(火)は材料難で小動きになりやすいと考えられる。
また、4日(金)には5月の米雇用統計の発表があるため、様子見ムードになりやすいだろう。
対象週の新規失業保険申請件数が改善し、今回の米雇用統計の結果に対する市場の期待値は高い。
今回発表される雇用統計の結果が事前予想(非農業部門雇用者数変化:前月比+67.5万人、失業率5.9%)を上回る強い内容だった場合、米長期金利の急上昇には注意したい。
27日(水)発表の新規失業保険申請件数の改善を受け、米長期金利は上昇したが、それをこなしてNYダウは上昇している。
一方で、ハイテク株中心のナスダック総合指数は若干下落して取引を終えているため、IT関連銘柄は、米雇用統計の結果に特に注意が必要だ。
また、今回の米雇用統計の結果が強ければ、6月15日(火)と16日(水)開催のFOMCで、テーパリングに関し何らかの言及があるのではないかとの観測も浮上するだろう。
19日(水)に発表された4月27日(火)、28日(水)のFOMC議事要旨では、一部の当局者がテーパリングについて、いずれかの時点で協議することを否定しない姿勢を示している。
そのため、5月の米雇用統計の結果には一層の注目が集まると考えられる。
あわせて、5月の米雇用統計の前日(3日)に発表される、ADP雇用統計の結果にも注目したい。
今週の推奨セクター
なお、2021年5月31日~2021年6月5日の週で推奨したいのは、先週に引き続き、鉄鋼、機械、金融などの景気敏感株である。
米国の雇用回復観測が高まっているため、これら景気敏感株には追い風となる。
金融株にとっては、米長期金利の上昇もポジティブ材料となるだろう。
今週の非推奨セクター
反対に避けたいのは、パルプ・紙である。
パルプ市況は昨年末頃から上昇しているものの、今後の大幅上昇が見込みにくい。
パルプ市況の上昇を受けて株価が上昇してきた関連企業の株に関しては、今後伸び悩むと考えられる。
今週の経済指標
なお、2021年5月31日~2021年6月5日の週は、4日(金)の5月米雇用統計、前日3日(木)の5月米ADP雇用統計の他に、1日(火)に米製造業PMI、米ISM製造業景況指数、2日(水)に米地区連銀経済報告(ベージュブック)、3日(木)に5月米ISM非製造業景況指数、5月米サービス部門PMI、5月米総合PMI、前週分米失業保険申請件数、前週分米失業保険継続受給者数が発表される。
これらの結果にも注目したい。
Copyright secured by Digiprove © 2021