知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2021年8月23日~8月28日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
方向感の出にくい状態が続くか
2021年8月23日~2021年8月28日の週の日経平均株価は、6日(木)~28日(土)のジャクソンホール会合を前に様子見ムードになりやすく、方向感の出にくい状態になると考えられる。
先週の日経平均株価は軟調に推移
2021年8月16日~2021年8月21日の週の日経平均株価は軟調に推移し、20日(金)には年初来安値を下回る場面もあった。
16日(月)は、前週末のNYダウなど主要株価指数が小幅上昇したものの、日経平均株価は下落して27,500円を挟んでもみ合いとなり、前日比453円96銭安で取引を終えた。
17日(火)は、前日のNYダウが5日続伸したことを好感して日経平均株価は前日比プラスでスタートし、一時同200円超高を付けたが、失速すると後場にはマイナス圏に沈み、前日比98円72銭安で取引を終えた。
18日(水)は、前日の米国市場でNYダウが反落したことを受け、日経平均株価も取引開始直後に下げ幅を拡大したが、27,500円を割り込むと押し目買いが入り、プラス圏に浮上。
NYダウ先物の持ち直しや堅調なアジア株が後押しし、日経平均株価は前日比161円44銭高と5営業日ぶりに反発して取引を終えた。
19日(木)は、前日公開された7月のFOMC議事要旨で年内のテーパリングの開始の可能性が示唆されたことから、前日のNYダウやナスダック総合指数が下落したため、日経平均株価は前日比マイナス圏でスタートした。
27,500円を下回ると買い戻しや押し目買いが入ったものの、中国株や原油価格も軟調に推移したため、日経平均株価は前日比304円74銭安で取引を終えた。
20日(金)は、前日のNYダウが下落したことから、日経平均株価は前日比マイナス圏でスタートし、企業への規制強化などが嫌気されて中国株が下落すると、日経平均株価は下げ幅を拡大し年初来安を下回った。
その後は同値近辺でもみ合いとなったが、8か月ぶりに27,000円台を割り込むなど軟調に推移し、日経平均株価は前日比267円92銭安の27,013円25銭で取引を終えた。
国内の新型コロナウイルスの感染者数拡大などが原因
このように、2021年8月16日~2021年8月21日の週の日経平均株価は軟調に推移した。
18日(水)にいったん反発したものの、上値は重かったと言えよう。
原因として、日本国内での新型コロナウイルスの感染者数拡大や、緊急事態宣言の対象地域拡大が挙げられる。
そのため、前日の米主要株価指数が上昇しても、日経平均株価は上昇しきれず失速したり、上場幅が小幅なものにとどまったりしたと考えられる。
ジャクソンホール会合の様子見ムードに
流れが変わったのは19日(木)で、前日の7月FOMC議事要旨で年内のテーパリング開始の可能性が示唆されたことが懸念材料となり、大幅な下落を誘った。
2021年8月23日~2021年8月28日の週もこのことが意識され、日経平均株価は上値が重く、下押し圧力がかかりやすいと考えられる。
ただし、方向感は出にくいだろう。
なぜなら、26日(木)~28日(土)のジャクソンホール会合に市場の注目が集まり、様子見のため積極的な売買を手控える向きが強まると考えられるからだ。
今回のジャクソンホール会合では、パウエルFRB議長がテーパリングの年内開始に言及するかどうかに注目が集まっている。
ただ、パウエルFRB議長が同会合では明確なメッセージを送らず、9月のFOMCで言及するのではとの見方も強く、ジャクソンホール会合がマーケットに実際に及ぼす影響はそれほど大きなものにならないかもしれない。
それでも、同会合でのパウエルFRB議長の発言に市場は注目するため、注意が必要だ。
今週の推奨セクター
なお、2021年8月23日~2021年8月28日の週で推奨したいのは、電気・ガスなどのディフェンシブ株である。
18日(水)に公開された7月FOMC議事録で、年内のテーパリング開始の可能性が示唆されたため、景気敏感株は軒並み下落している。
そのため、ディフェンシブ株は概ね底堅く推移すると考えられる。
ただし、鉄道などコロナ禍の影響を受けているディフェンシブ株については、デルタ株の感染拡大が重しになると考えられるため、避けた方が良いだろう。
今週の非推奨セクター
反対に避けたいのは、これまで好調だった景気敏感株である。
海運など好調に推移してきた景気敏感株は、今回公開された7月FOMC議事要旨の内容を受けて軟調だ。
年内のテーパリング開始の可能性を市場が織り込むまでは、不安定に推移すると考えられる。
また、国内のみならず、世界的にもデルタ株の感染が拡大していることから、世界経済の回復見通しが不透明になりつつあることも、景気敏感株にとっては重しになるだろう。
なお、年内のテーパリング開始の可能性が高まったにも関わらず、米長期金利が上昇していないことから、銀行も避けた方が良いかもしれない。
今週の経済指標
なお、2021年8月23日~2021年8月28日の週は、26日(木)~28日(土)のジャクソンホール会合以外に、24日(火)の7月米新築住宅販売件数、26日(木)の米4-6月期四半期GDP(改定値)、27日(金)の米7月個人消費支出の結果にも注目したい。
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