知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2022年2月7日~2月12日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
堅調に推移も利上げ懸念が上値抑制要因に
2022年2月7日~2022年2月12日の週の日経平均株価とNYダウは、米企業の好決算への期待感が下支えして底堅く推移すると考えられるが、米国の利上げに対する懸念が上値抑制要因になるだろう。
先週の振り返り
2022年1月31日~2022年2月5日の週の日経平均株価は、もみ合いながらも上昇し、27,000円台を回復した。
31日(月)は、前週末のNYダウやナスダック総合指数が大幅上昇した一方、日経平均株価は前週末比マイナスでスタートしたが、早々に切り返すと上げ幅を拡大した。
日経平均株価は一時400円超上昇すると27000円台を回復し、前週末日比284円64銭高の27,001円98銭で取引を終えた。
1日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数が続伸したことに加え、良好な企業決算を受けて前日比400円超上昇する場面もあった。
しかし、利益確定売りにより伸び悩むと上げ幅を縮小し、日経平均株価は前日比76円50銭高の27,078円48銭で取引を終えた。
2日(水)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が上昇した流れを受けて買い戻しが優勢となり、日経平均株価も上昇した。
後場ももみ合いが続き、日経平均株価は前日比455円12銭高の27,533円60銭で取引を終えた。
3日(木)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が続伸したものの、取引終了後に発表されたメタ・プラットフォームズ(FB)の決算が失望されてナスダック100先物が下落したため、日経平均株価は前日比マイナスでスタートすると下げ幅を拡大した。
後場に入ると投資家のリスク回避姿勢が和らいで下げ止まり、日経平均株価は前日比292円29銭安の2万7241円31銭で取引を終えた。
4日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数が大幅下落したことから前日比マイナスでスタートした。
切り返して上昇する場面もあったが、再び下落するなど方向感に欠ける展開が続いた。
後場に入ると外国人の入国規制が緩和されるとの期待感が広がり、空運株や陸運株を中心に上昇したが、欧米の金融引き締めや原油高が重しとなり、日経平均株価は前日比198円68銭高の27,439円99銭で取引を終えた。
雇用改善により利上げペースの加速が意識される
2022年2月7日~2022年2月12日の週のNYダウと日経平均株価は、概ね底堅く推移すると考えられるが、利上げペース加速への懸念が重しとなるだろう。
英国の利上げや、ラガルドECB総裁が年内利上げの可能性は低いとするこれまでの発言を繰り返さなかったことに加え、メタ・プラットフォームズ(FB)の大幅下落といった悪材料あったものの、2022年1月31日~2022年2月5日のNYダウは概ね底堅く推移した。
そのため、復調傾向にあると考えられるが、懸念材料となるのが4日(金)に発表された米雇用統計だ。
1月非農業部門雇用者数変化が事前予想の前月比+15.0万人を大幅に上回る同46.7万人となり、1月平均時給も事前予想の前月比0.5%を上回る同0.7%となった。
特に、1月非農業部門雇用者数変化は予想外に強い結果となったため、ドル円や米長期金利が上昇する一方、NYダウは下落した。
前哨戦となる2日(水)の1月ADP雇用統計は、事前予想を下回る弱い結果となり、利上げペース鈍化への期待感からNYダウやナスダック総合指数の上昇を後押ししたが、今回の米雇用統計は事前予想を大幅に上回ったため、再び利上げペースの加速が意識され、NYダウや日経平均株価の重しとなるだろう。
中でも米長期金利の動向には注意したい。
それに加え、10日(木)に発表される1月米消費者物価指数の結果にも注意が必要だ。
事前予想を大幅に上回るようであれば、NYダウやナスダック総合指数の下押し材料となり、日経平均株価にも影響が出るだろう。
一方で、アルファベット(GOOGL)やアマゾン・ドット・コム(AMZN)などの米企業の決算が好調であったため、これから決算が発表される米企業の業績への期待感が、NYダウやナスダック総合指数の下支え材料になると考えられる。
また、2022年2月7日~2022年2月12日の週も引き続き、ロシアによるウクライナ侵攻については警戒した方が良いだろう。
米国防総省は2日(水)に、バイデン米大統領がロシアの脅威を抑止するため、東欧に米軍を3,000人規模で一時増強するよう指示したと発表した。
緊迫した状態は続くとみられ、本件の動向次第では日米の株価に強い下押し圧力がかかると考えられるため、注意が必要だ。
なお、日経平均株価は2022年2月7日~2022年2月12日の週もNYダウやナスダック総合指数の動向に左右される展開が続くと考えられるが、日本での新型コロナウイルスの感染者数の動向には引き続き注意したい。
一方で、10日(木)に米ファイザーの経口コロナ薬が商品可否審議に入る。
ここで了承され厚労省が特例承認すれば、日経平均株価の下支え材料になるだろう。
今週の推奨セクター
2022年2月7日~2022年2月12日の週に推奨したいのは、食品の中でも特に飲料メーカーである。
2021年10-12月期決算は緊急事態宣言明けということもあり、飲料メーカーは需要回復の恩恵を受けたと考えられる。
オミクロン株の感染拡大とまん延防止等重点措置による営業時間短縮の影響が懸念材料となるものの、例年1-3月は需要が少なくなる時期のため、それほど大きな影響はないと考えられる。
中でも海外での売上の大きい企業に注目したい。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのはIT関連などハイテク株である。
ウクライナ情勢などの地政学的リスクを背景とした原油高がインフレ圧力を強めると考えられるため、米国の利上げペース増加への懸念や米長期金利の上昇が重しとなるだろう。
今週の経済指標
2022年2月7日~2022年2月12日の週は、10日(木)の1月米消費者物価指数の他に、11日(金)に2月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表がある。
その結果や内容にも注意が必要だ。
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