知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
皆さん投資検討する時の参考にしてください。
延長を希望される方がいたので当面の間延長します。感想などコメントや感想・問い合わせから教えてもらえると嬉しいです。
なお、当ブログに寄稿を希望されるブロガーさんがいらっしゃいましたら、こちらからご連絡くださいませ。
感想・問い合わせ - 1億円を貯めてみよう!chapter2
今週の相場見通しについて(2022年2月21日~2月26日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
不安定な展開が続く
2022年2月21日~2022年2月26日の週の日経平均株価とNYダウは、日米の祝日に伴う休場とウクライナ情勢への懸念から、不安定な展開が続くと考えられる。
先週の振り返り
2022年2月14日~2022年2月19日の週の日経平均株価は軟調だった。
14日(月)の日経平均株価は、前週末のNYドルがセントルイス連銀総裁のタカ派発言や米政府によるロシアのウクライナ侵攻の可能性の警告を受けて大幅下落したことから、売り優勢となり、27,000円を割り込む場面もあった。
後場に入ると日銀によるETF買いの思惑から日経平均株価は下げ渋ったが、上値は重く、前週末比616円49銭安の27,079円59銭で取引を終えた。
15日(火)は、前日のNYダウが続落したものの、日経平均株価は良好な企業決算などを受けて買い優勢となったが続かず、早々にマイナス圏に下落する展開となり、後場にはリスク回避の流れから下げ幅を拡大し、一時300円超下落した。
最終的に日経平均株価は、前日比214円40銭安の26,865円19銭で取引を終えた。
16日(水)は、ロシアが軍の一部撤収を発表したためウクライナ侵攻懸念が後退し、前日のNYダウが4日ぶりに反発した流れから、日経平均株価は大幅上昇し、後場には一時600円超上昇した。
その後は高値もちあいになり、日経平均株価は前日比595円21銭高の27,460円40銭で取引を終えた。
17日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウがウクライナ情勢への不安から下落した流れを受け、軟調に。
後場に入るとウクライナ政府軍が同国東部で砲撃を行ったとの報道からリスク回避姿勢が強まり、日経平均株価は一時300円超安まで下落した。
最終的に日経平均株価は、前日比227円53銭安の27,232円87銭で取引を終えた。
18日(金)の日経平均株価は、米政府がウクライナ国境のロシア軍が増強されていると発表したことなどから、前日のNYダウが大幅下落した流れを受け、一時26,790円近辺まで下落。
しかし、来週末にブリンケン米国務長官がロシアのラブロフ外相と会談することが報じられると急速に下げ幅を縮め、前日比110円80銭安の27,122円07銭で取引を終えた。
不安定な地合いが続く
2022年2月21日~2022年2月26日の週はNYダウ、日経平均株価ともに不安定な地合いが続くと考えられる。
21日(月)は米国市場が祝日のために休場となり、23日(水)は日本が祝日のために休場となる。
そのため、21日(月)~23日(水)まで材料難となりやすく、NYダウ、日経平均株価とも方向感の出にくい状態が考えられる。
22日(火)については、日経平均株価はリスク回避のための利益確定売りが出やすくなるだろう。
それに加え、2022年2月21日~2022年2月26日の週は、引き続きウクライナ情勢が日米の相場を不安定にさせると考えられる。
ウクライナを巡る情勢は、ロシアがウクライナ国境付近から軍の一部撤収を行ったとする報道が出た後、各国が「軍の増強を継続している」と指摘するなど、日々状況が変化している。
報道にマーケットが振り回される展開が続いているが、ロシアがウクライナに侵攻するのではとの見方は依然として根強い。
18日(金)も、ロシアが間もなくウクライナを侵攻する可能性や、プーチン露大統領が閣僚に避難所を用意するよう命じたなどの報道があり、予断を許さない状態だ。
NYダウも日経平均株価も、ウクライナ問題に関する報道に敏感に反応し、不安定になるだろう。
また、19日(土)以降、G7緊急外相会合など各国の政府高官による緊急会議が行われるが、その動向には注意したい。
引き続き本問題には注意が必要である。
なお、仮にロシア軍が撤退したなど、ウクライナ問題に明るい兆しが見えた場合、相場は急騰すると考えられるが、一時的なものにとどまるだろう。
理由は、米国の金融引き締めの加速である。
2022年2月14日~2022年2月19日の週は、ウクライナ問題で本件がやや霞んでしまった印象があるが、14日(月)に米セントルイス連銀のブラード総裁が米CNBCのインタビューに対し、インフレの高まりが想定を超えているとし、金融引き締めを前倒しで実施する必要があると発言した。
一方で、カンザスシティ連銀のジョージ総裁は、FRBが緊急のFOMCを開催し、利上げを行うとの市場の見方を否定している。
そのため、いったん前倒しの金融引き締め観測は後退しているが、16日(水)に公表されたFOMC議事要旨には、インフレが予想通りに鈍化しない場合、FOMCが現在の想定より速いペースで政策緩和を解除することが適切になると記載されているため、今後も金融引き締めの加速は市場で意識され、NYダウや日経平均株価の上値抑制要因となるだろう。
そのため、2022年2月21日~2022年2月26日の週も、米国の金融引き締めに関する要人発言には注意したい。
今週の推奨セクター
2022年2月21日~2022年2月26日の週に推奨したいのは、食品である。
原材料高騰に対し、価格転嫁が遅れた食品銘柄は、今後再評価されやすいと考えられる。
また、価格を据え置いていても、高付加価値品などでコスト高を吸収している場合にも再評価されるだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、サービス業である。
日本経済新聞社とマークイット・ エコノミクスが2月3日(木)に発表した日本のサービス業PMIは、節目となる50を割り込む47.6となった。
昨年10月から50を超え改善傾向にあったのが、今回再び50を下回ったことが不安視されている。
新型コロナウイルスのパンデミックが発生した後、度重なる緊急事態宣言による景気への不安感から、サービス業は嗜好的なサービスを中心に苦戦が続いた。
今回のまん延防止等重点措置の延長は、この時と同様にサービス業には逆風となるだろう。
しばらく不安定な地合いが続くとみられるため、避けた方が良いと考えられる。
今週の経済指標
2022年2月21日~2022年2月26日の週は、22日(火)に2月米製造業PMI、2月米サービス業PMI、2月米総合PMI、2月米消費者信頼感指数、24日(木)に10-12月期米四半期GDP、1月米新築住宅販売件数、25日(金)に、1月米個人消費支出、1月米耐久財受注などの発表がある。
これらの結果にも注意が必要だ。
Copyright secured by Digiprove © 2022