知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2022年6月13日~6月18日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
米FOMCの結果に左右される展開に
2022年6月13日~2022年6月18日の週のNYダウは、14日(火)と15日(水)開催の米FOMCの結果に左右される展開になるだろう。
一方、日経平均株価は、NYダウに影響される場面もあるものの、概ね底堅く推移すると考えられる。
先週の振り返り
2022年6月6日~2022年6月11日の日経平均株価は、9日(木)まで続伸したが、10日(金)に大幅反落した。
6日(月)は、前週末のNYダウが下落したことを受けて、日経平均株価も前週末比マイナス圏でスタートしたが、すぐに切り返すとプラス転換した。
後場も日経平均株価はじり高となり、前営業日比154円32銭高の27,915円89銭で取引を終えた。
7日(火)の日経平均株価は、前日のナスダック総合指数が反発したことや円安を受けて、一時、28,000円を回復した後、同水準を挟んで一進一退の展開が続いた。
後場も日経平均株価はもみ合いが続き、前日比28円06銭高の27,943円95銭で取引を終えた。
8日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウが続伸したことや、円安、香港ハンセン指数の上昇を追い風に背景に、上値を伸ばす展開に。
後場に入ると、NYダウ先物の下落などの影響から、日経平均株価は上げ幅を縮める場面もあったが、投資家心理の改善を受けて堅調に推移し、前日比290円34銭高の28,234円29銭で取引を終えた。
9日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウが反落したことから、前日比マイナス圏でスタートしたものの、円安が支援して上げ幅を拡大。
中国の経済再開期待も追い風となって、後場も高値圏でのもみ合いが続くと、日経平均株価は前日比12円24銭高の28,246円53銭で取引を終えた。
10日(金)は、前日のNYダウが大幅続落したことや、ECBの大幅利上げ示唆による金融引き締め懸念から、日経平均株価も軟調に。
27,000円台に軟化すると、利益確定売りに押されて幅広い銘柄が売られる展開となった。
最終的に日経平均株価は、前日比422円24銭安の27,824円29銭で取引を終えた。
週半ばまでFOMCを控え様子見ムードか
2022年6月13日~2022年6月18日の週のNYダウは、14日(火)と15日(水)開催の米FOMCの結果に左右される展開になりそうだ。
週の前半は、FOMCを前に様子見ムードになりやすいと考えられる。
FOMC後は、その結果によって展開が異なるだろう。
今回のFOMCでは0.5ptの利上げが予想され、市場はすでにこのことを織り込んでいると考えられるが、15日(水)のFOMCの結果公表と、その後のパウエルFRB議長の会見で、5月のFOMC議事録の内容の継続が確認されれば、市場には安心感が広がり、その後のNYダウは堅調に推移すると考えられる。
この場合、NYダウは反発して水準を上げる展開になるだろう。
なお、10日(金)発表の5月米消費者物価指数は、前月比(事前予想:0.7%、結果:1.0%)、前年同月比(事前予想:8.3%、結果:8.6%)ともに事前予想を上回り、40年5か月ぶりの水準になった。
また、4月(前月比:0.3%、前年同月比:8.3%)からも上昇している。
変動の大きいエネルギーと食料品を除くコア指数は、4月の6.2%に対し6.0%と伸びは鈍化したものの、依然として、FRBが目標とする2%を大幅に乖離している。
足元ではガソリン価格が高騰していることもあり、FRBによる利上げが長引く可能性や、米経済のリセッション入りへの懸念から、この日のNYダウは大幅下落した。
物価上昇ペースが今後も予想以上に速いものになれば、利上げ幅の拡大に対する懸念が再燃し、NYダウの押下げ要因になるだろう。
そのため、14日(火)と15日(水)開催の米FOMCの結果と、終了後のパウエルFRB議長の会見での発言内容には注意が必要だ。
もしも、利上げ幅の拡大や利上げの長期化を示唆する発言が出た場合には、NYダウは軟調に推移するだろう。
併せて、14日(火)発表の5月米卸売物価指数にも注目しておきたい。
5月消費者物価指数と同様に事前予想を上回る結果になれば、利上げ幅の拡大やペース加速への懸念が広がり、NYダウは下落するだろう。
一方、2022年6月13日~2022年6月18日の週の日経平均株価は、円安に加えて経済活動正常化への期待感が追い風となり、底堅い展開が続くと考えられる。
NYダウの下落に引きずられる場面があっても、下げ幅は限定的なものにとどまるだろう。
一方、FOMC後にNYダウが上昇した場合は、日経平均株価も上昇トレンドが続くと考えられる。
今週の推奨セクター
2022年6月13日~2022年6月18日の週に推奨したいのは、空運である。
新型コロナウイルスの新規感染者数が減少し、本格的な経済活動再開が進められている。
需給の緩和により、航空貨物は高水準の利益が期待できないことが懸念されるが、国内外の観光客の回復やECの高需要が追い風となり、空運は今後も概ね堅調に推移するだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは鉄鋼である。
中国でのコロナ対策を受けて、部品の調達が難しくなっているため、自動車の減産が続いていることや、鋼材価格の下落が影響するとみられる。
特に高炉メーカーは影響が大きいと考えられるため、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
2022年6月13日~2022年6月18日の週は、14日(火)と15日(水)開催の米FOMCや14日(火)発表の5月米卸売物価指数の他に、15日(水)に5月米小売売上高、6月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、16日(木)に5月米住宅着工件数、6月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、17日(金)に5月米鉱工業生産、5月米景気先行指標総合指数の発表がある。
また、16日(木)と17日(金)には日銀金融政策決定会合が開催され、終了後に、黒田日銀総裁の定例記者会見がある。
これらの結果や内容にも注意が必要だ。
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