知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2022年7月18日~7月23日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
米企業の四半期決算と米経済指標の結果に左右される展開に
2022年7月18日~2022年7月23日の週のNYダウは米企業の四半期決算と米経済指標の結果に左右される展開になるだろう。
また、日経平均株価は底堅いものの、週の後半からは方向感の出にくい展開になると考えられる。
先週の振り返り
2022年7月11日~2022年7月16日の週の日経平均株価は、12日(火)に大幅下落したが、13日(水)以降は概ね堅調に推移した。
11日(月)の日経平均株価は、米雇用統計の結果を受けて前週末のNYダウが下落したものの、買い優勢に。
買い一巡後は上げ幅を縮小する展開となったが、前日の与党の大勝が市場の安心感を誘い堅調に推移し、日経平均株価は前週末比295円11銭高の26,812円30銭で取引を終えた。
12日(火)は、前週のNYダウが中国一部地域のロックダウンを受けた世界経済後退懸念から下落した流れを受け、日経平均株価は売りが先行する展開に。
500円超下落するなど、アジア株やNYダウ先物の下落を受けて安値圏での底這いが続き、日経平均株価は、前日比475円64銭安の26,336円66銭で取引を終えた。
13日(水)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が下落したものの、ナスダック100先物の堅調を材料に日経平均株価は買い戻しが先行すると、26,500円を回復する場面もあったが、この日発表の米消費者物価指数を前に様子見ムードが続き、小動きとなった。
最終的に日経平均株価は、前日比142円11銭高の26,478円77銭で取引を終えた。
14日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数が続落したものの、下げ幅を縮小したことから日経平均株価はプラス圏に浮上する展開となった。
後場は円安が下支えしたものの、材料難からこう着状態となり、日経平均株価は前日比164円62銭高の26,643円39銭で取引を終えた。
15日(金)は、前日のNYダウが5日続落したものの、日経平均株価は円安やNYダウ先物の好調が支援材料となり堅調に。
後場は高値でのもみ合いが続き、日経平均株価は前営業日比145円08銭高の26,788円47銭で取引を終えた。
NYダウは四半期決算と米経済指標の結果に左右されやすい展開
2022年7月18日~2022年7月23日の週のNYダウは、米企業の四半期決算が本格化するため、その結果に左右される展開になるだろう。
18日(月)にゴールドマン・サックスグループ、バンク・オブ・アメリカ、IBM、19日(火)にネットフリックス、20日(水)にテスラ、21日(木)にAT&T、22日(金)にアメリカン・エキスプレスといったように、注目度の高い米企業の決算が発表されるため、注意が必要だ。
それと併せて2022年7月18日~2022年7月23日の週は、引き続き米経済指標発表にも注意したい。
13日(水)に発表された6月米消費者物価指数は、事前予想の前月比1.1%増、前年同月比8.8%増に対し、結果は前月比1.3%増、前年同月比9.1%増と上回った。
9%台の上昇率は1981年11月以来となる。
ガソリン高や堅調な雇用環境を背景に、米国の高インフレが一服する気配がないことから、7月26日(火)、27日(水)開催の7月米FOMCで大幅な利上げが行われるのではないか、との見方が広がった。
市場では従来、7月米FOMCでは0.75ptの利上げが行われるとの見方がされていたが、6月米消費者物価指数の結果を受けて、1.0ptの利上げが行われるのとの見方も浮上している。
ただ、1.0ptの利上げに関しては、14日(木)に行われた講演で、FRBのウォラー理事が0.75ptの利上げを支持することを表明し、また、米セントルイス連銀のブラード総裁も、13日(水)の日経新聞のインタビューに対し、0.75ptの利上げを支持するとの考えを示している。
さらに、15日(金)発表の7月米ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は、事前予想の49.9を上回る51.1となり、前月の50.0からも上昇したが、FRBがインフレ期待指標として重視する同指数の1年期待インフレ率(速報値)は、6月の5.3%から今回5.2%に低下した。
そのため、現在、短期金融市場における7月FOMCでの1.0ptの利上げ確率は低下している。
とはいえ、2022年7月18日~2022年7月23日の週も、20日(水)発表の6月米中古住宅販売件数や21日(木)発表の7月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、6月景気先行指標総合指数、22日(金)発表の7月米製造業PMI、7月米サービス業PMI、7月米総合PMIなど、市場が注目する米経済指標の発表が予定されている。
これらの結果が強いものになれば、再び7月FOMCでの1.0ptの利上げが警戒される可能性があるため、引き続き注意が必要だ。
日経平均株価は週の後半は方向感の出にくい状態に
また、2022年7月18日~2022年7月23日の週は、日本は18日(月)が祝日で休場となる。
19日(火)以降、日経平均株価はNYダウなど米株価指数の動きに基本的に連動すると考えられるが、下落局面では円安が下支えするだろう。
ただ、20日(木)と21日(金)の日銀金融政策決定会合や翌週の米7月FOMCを前に、週の後半は方向感の出にくい状態になると考えられる。
今週の推奨セクター
また、2022年7月18日~2022年7月23日の週に推奨したいのは、IT関連である。
7月1日(金)発表の日銀短観によれば、2022年度のソフトウェア投資計画額は前年度比17.4%増と上方修正された。
DX関連投資を行う企業が多いことから、企業のソフトウェアに対する需要は旺盛と考えられ、クラウドサービスなどへの投資も今後増加傾向が続くと考えられる。
中にはスムーズに投資が進まないものも出てくるとみられるが、全体的には堅調に推移するだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、金融の中でもオンライン証券である。
特にFXの売上の高い会社については、円安トレンドにより、収益性の低いドル円の取引増加や円売りへの偏りによるカバーコストの増加により、収益力が低下する可能性がある。
そのため、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
2022年7月18日~2022年7月23日の週は、20日(水)発表の6月米中古住宅販売件数や21日(木)発表の7月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、6月景気先行指標総合指数、22日(金)発表の7月米製造業PMI、7月米サービス業PMI、7月米総合PMIの他に、19日(火)に6月米住宅着工件数の発表がある。
また、すでに書いたように20日(水)と21日(木)に日銀金融政策決定会合が行われ、終了後には黒田日銀総裁の定例記者会見が行われる。
このほかに、21日(木)にはECB理事会が開催されるため、これらの結果や内容にも注意が必要だ。
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