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今週の相場見通しについて(2022年8月15日~8月20日)
2022年8月15日~2022年8月20日の週のNYダウは、概ね堅調に推移すると考えられる。
一方、日経平均株価は方向感に欠ける展開になると考えられるが、底堅く推移するだろう。
先週の振り返り
2022年8月8日~2022年8月13日の週の日経平均株価は、週の初めに小幅高になった後は軟調となったが、週の終わりに大幅上昇した。
8日(月)は、前週末のNYダウが反発し、ナスダック総合指数が下落したことから、日経平均株価は前週末比マイナス圏からもみ合いに。
後場は、好業績銘柄を中心に買いが入ったものの、騰落入り混じり、日経平均株価は方向感のない展開となった。
最終的に、日経平均株価は前週末比73円37銭高の28,249円24銭で取引を終えた。
9日(火)は、前日のNYダウが小幅続伸した一方で、ナスダック総合指数小幅続落したことから、日経平均株価は軟調に。
低調な決算を発表した東エレクトロンやソフトバンクグループの下落の影響で、日経平均株価は一時28000円を割り込んだ。
後場もハイテク株を中心に売られ、日経平均株価は前日比249円28銭安の27,999円96銭で取引を終えた。
10日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が軟調だったことから、売り先行となった。
後場は、米消費者物価指数の発表を前に様子見ムードとなったこと加え、休日前のために利益確定売りも入り、日経平均株価は前日比180円63銭安の27,819円33銭で取引を終えた。
11日(木)は、山の日のため、東京株式市場は休場だった。
12日(金)の日経平均株価は、前日と前々日のNYダウが大幅上昇したことから買い優勢となった。
後場も、日経平均株価は一時700円超上昇するなど堅調だったが、利益確定売りが重しとなり、28,000円台半ばで伸び悩む展開に。
最終的に、日経平均株価は前営業日比727円65銭高の28,46円98銭で取引を終えた。
NYダウは概ね堅調に推移か
2022年8月15日~2022年8月20日の週のNYダウは、インフレ懸念の後退から概ね堅調に推移すると考えられる。
ただし、注目度の高い米経済指標の結果には注意が必要だ。
再びインフレ懸念が高まるようであれば、NYダウは下落するだろう。
10日(水)に発表された7月米消費者物価指数は、CPIが前月比0.0%と横ばい(事前予想:同0.2%増)、前年同月比8.5%増(事前予想:同8.7%増)となった。
また、価格変動の大きい食料やエネルギーを除いたCPIコア指数は、前月比0.3%増(事前予想:同0.5%増)、前年同月比5.9%増(事前予想:同6.1%増)となり、いずれも事前予想を下回る結果となった。
CPIの伸び(前年同月比8.5%増)は、6月の同9.1%増よりも鈍化しているが、これは、ガソリン価格が約20%下落したことが理由と考えられている。
また、11日(木)発表の7月米卸売物価指数は、PPIが前月比、前年同月比ともに事前予想を下回り、PPIコア指数は前月比が事前予想を下回り、前年同月比は事前予想どおりとなった。
なお、PPI、PPIコア指数ともに前月からは鈍化している。
今回の米消費者物価指数の結果からは、基礎的なインフレ圧力が高止まりしていることが伺え、卸売物価指数の結果からは、インフレ圧力が弱まっていることが伺える。
すでに書いたように、この結果を受けて市場のインフレ懸念は後退し、2022年8月8日~2022年8月13日の週のNYダウは堅調に推移したが、2022年8月15日~2022年8月20日の週は、17日(水)に7月米小売売上高と米FOMC議事要旨の発表があるため、油断は禁物だ。
米小売売上高は、自動車を除いたものも含めて鈍化予想となっているが、結果どおりになるのかに注目したい。
高インフレ圧力の中、個人消費がどの程度耐えているのかに市場は注目するとみられ、低調な結果となれば、利上げ観測の後退につながると考えられる。
また、米FOMC議事要旨の内容についても注意が必要だ。
日経平均株価は方向感の出にくい展開に
2022年8月15日~2022年8月20日の週の日経平均株価は、基本的にNYダウやナスダック総合指数などに影響されるものの、方向感の出にくい展開になると考えられる。
決算発表が15日(月)で一巡し、お盆休みもあり市場参加者が少なくなるとみられるため、上昇しても積極的に上値を追う展開にはなりにくいだろう。
とはいえ、企業決算は、ここまで概ね底堅い結果になっているため、日経平均株価は下落しても下値は堅いと考えられる。
なお、日本に関しては、15日(月)に4-6月期四半期GDP、19日(金)に7月全国消費者物価指数の発表がある。
これらの結果に日経平均株価が影響される可能性もあるので、結果には注意したい。
今週の推奨セクター
2022年8月15日~2022年8月20日の週に推奨したいのは、半導体製造装置である。
半導体企業の決算内容は好調で、自動車や産業機械の引き合いが強いようである。
メモリ半導体の需給は緩んできているものの、精密度の高いロジック半導体や車載半導体はひっ迫した状態が続くとみられ、設備投資も概ね順調に行われると考えられる。
そのため、半導体製造装置メーカーにとっては良好な事業環境が続くだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは電気・ガスである。
燃料価格の上昇によるコスト負担が、今期の業績に悪影響を及ぼしている。
大手電力9社については、電力小売りとの契約を持たない企業に必ず電気を届ける「最終保障供給」の料金を引き上げると発表し、また、企業向けの通常料金の単価引き上げを検討しているとの報道がされている。
実際に値上げされるまでは、燃料価格の高騰がネガティブ材料になると考えられるため、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
2022年8月15日~2022年8月20日の週は、15日(月)に日本の4-6月期四半期GDP、17日(水)に7月米小売売上高と米FOMC議事要旨の公表、19日(金)に日本の7月全国消費者物価指数の発表がある他、16日(火)に7月米住宅着工件数、7月米鉱工業生産、18日(木)に8月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、7月米中古住宅販売件数の発表がある。
これらの結果にも注意したい。
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