知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
皆さん投資検討する時の参考にしてください。
延長を希望される方がいたので当面の間延長します。感想などコメントや感想・問い合わせから教えてもらえると嬉しいです。
なお、当ブログに寄稿を希望されるブロガーさんがいらっしゃいましたら、こちらからご連絡くださいませ。
感想・問い合わせ - 1億円を貯めてみよう!chapter2
今週の相場見通しについて(2022年9月5日~9月10日)
2022年9月5日~2022年9月10日の週のNYダウは米経済指標の結果に左右されやすい展開になると考えられる。
また、日経平均株価は底堅いものの、上値の重い展開になると考えられる。
先週の振り返り
2022年8月29日~2022年9月3日の週の日経平均株価は、持ち直す場面もあったが、全体としては軟調だった。
29日(月)の日経平均株価は、パウエルFRB議長のタカ派発言を受けて前週末のNYダウやナスダック総合指数が大幅下落した流れを引き継いで軟調となり、一時800円超下落。
後場も日経平均株価は軟調で、前週末比762円42銭安の27,878円96銭で取引を終えた。
30日(火)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が続落したものの、日経平均株価は自律反発狙いの買いが入る展開に。
後場も、NYダウ先物がプラス圏で推移したことを好感して買いが入り、日経平均株価は前日比316円62銭高の28,195円58銭で取引を終えた。
31日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が3日続落した流れから、下落。
途中で下げ幅を縮小したものの、後場に入ると、この日発表のADP雇用統計を前に様子見になりやすい状態が続き、日経平均株価は前日比104円05銭安の28,091円53銭で取引を終えた。
1日(木)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が4日続落したことから、日経平均株価も下落。
後場も、米中対立への懸念からハイテク株を中心に売り優勢となり、日経平均株価は前日比430円06銭安の27,661円47銭で取引を終えた。
2日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウが反発したことを好感し、買い優勢に。
しかし、失速してマイナス圏に沈むと、安値圏でのもみ合いが続いた。
後場の日経平均株価は底堅く推移し、前日比10円63銭安の27,650円84銭で取引を終えた。
NYダウは米経済指標の結果に左右されやすい展開に
2022年9月5日~2022年9月10日の週のNYダウは、FRBの金融引き締めへの警戒感が続き、基本的に上値の重い状態が続くと考えられる。
2022年8月29日~2022年9月3日の週は、前週のジャクソンホール会議におけるパウエルFRB議長の発言の影響から、NYダウは軟調に推移した。
市場が想定した以上のタカ派発言により、金利高が警戒されて投資家心理が悪化したのだ。
それに加え、連銀総裁の発言もNYダウの下押し要因となった。
米クリーブランド連銀のメスター総裁は、31日(水)にオハイオ州の商業会議所主催のイベントで、来年の早い時期までに、4%をいくらか上回る水準に政策金利を引き上げるべきだとの認識を示している。
同日発表のADP雇用統計が弱い結果(事前予想:前月比30万人、結果:13.2万人)となり、大幅利上げ観測が後退して上昇したNYダウは、メスター総裁の発言を受けて長期金利が上昇したため、下落に転じた。
このように、市場はFRBのタカ派姿勢に対し警戒が続いており、NYダウは軟調となっている。
なお、2日(金)発表の8月米雇用統計は、 8月非農業部門雇用者数変化が、事前予想の30万人を上回る31.5万人となったものの、失業率は事前予想の3.5%を上回る3.7%に悪化した。
これを受けて米長期金利は低下。
パウエルFRB議長の強いタカ派姿勢を受け、9月のFOMCでの0.75ptの利上げ確率について、CMEの FedWatchは7割を超える状態になっていたが、米雇用統計の発表後は後退している。
そのため、この日のNYダウは上昇したが、その後、ロシアのノルドストリームの稼働停止が継続するとの報道を受けて、一転してマイナス圏に沈んだ。
FRBのタカ派姿勢は現状変わらないとみられる。
また、29日(月)に米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が、ジャクソンホールでのパウエルFRB議長の発言後に株価が急落したことについて、「嬉しく思う」「インフレ率を2%まで押し下げるという決意が理解された」と述べていることから、FRBにとっては大幅な株価下落も許容範囲なのだろう。
そのため、2022年9月5日~2022年9月10日の週も、経済指標の結果が強いものとなった場合には、NYダウは下落しやすい地合いになりやすいことに注意が必要だ。
特に、2022年9月5日~2022年9月10日の週は、6日(火)に8月ISM非製造業景況指数、7日(水)にベージュブックの公表、8日(木)に金融政策を巡る討論会に参加するパウエルFRB議長の発言が予定されている。
その結果や内容によって、NYダウが急騰・急落する可能性があるため、注意が必要だ。
日経平均株価は底堅いが上値の重い展開に
2022年9月5日~2022年9月10日の週の日経平均株価は、NYダウに左右される展開が続くが、FRBの金融引き締めに対する懸念から上値は重いと考えられる。
また、8日(木)にはECB理事会も開催され、利上げされる可能性が高いことから、EU圏の金融引き締めが意識されることも、日経平均株価の上値抑制要因になると考えられる。
ただ、円安が下支えすると考えられるため、下落時も底堅いだろう。
なお、5日(月)は米国市場が休場で、6日(火)の日経平均株価は材料不足になりやすいと考えられるため、注意が必要だ。
今週の推奨セクター
2022年9月5日~2022年9月10日の週に推奨したいのは、繊維やアパレルである。
景況感の悪化などから、ポリエステル繊維原料のPTAをはじめとする合成繊維原料の価格が下落している。
そのため、繊維やアパレル企業にとっては追い風になると考えられる。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのはパルプ・紙である。
燃料価格の上昇が営業利益の下押し要因となっている。
米国ではガソリン価格が下落傾向にあるが、燃料価格全体の下落につながる見通しはまだ立っていない。
そのため、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
2022年9月5日~2022年9月10日の週は、6日(火)の8月ISM非製造業景況指数、7日(水)のベージュブックの公表、8日(木)のパウエルFRB議長の発言の他に、6日(火)に8月米サービス業PMI、8月米総合PMIの発表がある。
これらの結果にも注意したい。
また、5日(月)はレイバー・デーのため、米国市場は休場なので、その点には注意が必要だ。
Copyright secured by Digiprove © 2022