知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2025年6月2日~6月7日)
6月2日~6月7日の週のNYダウは、概ね堅調にするとみられるが、週の後半は米雇用統計の発表を控えて方向感の出にくい展開になりそうだ。
日経平均株価も概ね堅調に推移すると考えられるが、週の後半は米雇用統計の発表前ということもあり、様子見ムードから小動きの展開になると考えられる。
先週の振り返り
5月26日~5月31日の週の日経平均株価は、週の終わりに下落したが、週間では上昇したため堅調だった。
26日(月)は、前週末のNYダウとナスダック総合指数が下落したものの、日経平均株価はトランプ米政権が対EU完全の発動を延長するとの報道を好感し、買い優勢に。
後場の日経平均株価は、この日の米国市場が休場となることから、上値の重い展開が続き、前週末比371円06銭高の37,531円53銭で取引を終えた。
27日(火)の日経平均株価は、為替の円高推移を受けてやや下に振れてスタートすると、軟調な展開に。
後場の日経平均株価は材料難から小動きとなったが、円安を支えに上昇すると、前日比192円58銭高の37,724円11銭で取引を終えた。
28日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて、買い優勢になるともみ合いになった。
後場の日経平均株価は、この日発表の米エヌビディアの決算を控えて様子見ムードとなり、前日比1円71銭安の37,722円40銭で取引を終えた。
29日(木)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したが、日経平均株価は、米エヌビディアの好決算を受けて買い優勢となった。
後場の日経平均株価は高値もみ合いとなり、前日比710円58銭高の38,432円98銭と大幅上昇して取引を終えた。
30日(金)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したが、日経平均株価は、米国の関税をめぐる状況が不透明であることが嫌気され、売り優勢となった。
後場の日経平均株価は、手がかり難からもみ合いとなり、前日比467円88銭安の37,965円10銭で取引を終えた。
今週のNYダウは?
2025年6月2日~2025年6月7日の週のNYダウは、概ね堅調に推移するとみられる。
なぜなら、市場の注目を集めたエヌビディアの決算が、好調なものになったからである。
28日(水)に発表されたエヌビディアの決算は、売上高441億ドルと、会社予想の430億ドルや市場コンセンサスの433億ドルを上回る結果だった。
粗利益は市場コンセンサスや会社予想を下回ったものの、中国への輸出規制による影響や在庫評価、サプライヤーからの購入義務対応などの費用を追加計上したことを考慮すると、好調な結果といえそうだ。
この結果を受けて市場には安心感が広がったことに加え、トランプ大統領が、EUに対する50%の関税導入を6月1日から7月9日まで延期すると発表したことも、市場の不安を緩和した。
一方で、懸念材料もある。
トランプ米政権による相互関税をめぐる訴訟で、28日(水)に米国際貿易裁判所がトランプ関税を「違法で無効」として、差し止めを命じる決定を下した。
しかしその後、米連邦巡回区控訴裁判所がその執行を一時停止する判断を下している。
このように、関税を巡る動きは流動的で、先行き不透明な状況が今後も続くとみられている。
また、30日(金)にトランプ米大統領が、中国が相互に関税率を引き下げる米国との合意に加えて、重要鉱物の取引に関する合意にも違反したとして、中国に対し厳しい措置を取る可能性を自身のSNSに投稿。
5月上旬にスイスのジュネーブで行った米中閣僚級協議で、相互に発動した関税を115ポイント引き下げることに合意しているが、今回のトランプ米大統領の投稿は、具体的な違反内容や措置の内容には触れていないため、今後、どうなるか不透明な状況である。
2025年6月2日~2025年6月7日の週に本件の進展があった場合には、NYダウにも大きな影響を与える可能性があるため、注意が必要だ。
なお、2025年6月2日~2025年6月7日の週のNYダウは、6日(金)に5月米雇用統計の発表があることから、週の後半は方向感が出にくくなりそうだ。
4日(水)には、米雇用統計の前哨戦とされる5月米ADP雇用統計の発表もあるため、こちらの結果にも注意したい。
今週の日経平均株価は?
2025年6月2日~2025年6月7日の週の日経平均株価は、概ね堅調な展開になると考えられるが、週の後半は、米雇用統計の発表を前に様子見ムードとなるだろう。
今週の推奨セクター
2025年6月2日~2025年6月7日の週に推奨したいのは、商社である。
2025年3月期は資源価格の下落が影響したが、非資源分野が底堅く推移したことで、 大手5社の純利益は前年比+3%で、投資額は過去最高を更新。
2026年3月期については、純利益は1割近い減益を予想しているものの、実態では1%程度の減益であり、資源分野の減益を非資源が吸収するとみられている。
また、関税の影響も限定的なものにとどまるとの見通しである。
関税関連の報道が下押しする場面もありそうだが、配当利回りから下値で拾う動きも出そうだ。
以上のことから、概ね堅調に推移するとみられるため、ポジティブである。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのはメガバンクである。
トランプ米政権による関税の影響から、海外を中心とする与信費用や為替の影響、政策保有株の売却益が影響し、業績が下向きになる恐れがあるため、避けた方がよさそうだ。
今週の経済指標
2025年6月2日~2025年6月7日の週は、4日(水)のADP米雇用統計、6日(金)の米雇用統計のほかに、2日(月)に5月米ISM製造業景況指数、3日(火)に4月米JOLTS求人件数、4日(水)に5月米ISM非製造業景況指数、ベージュブック、5月米サービス業PMI(改定値)、5月米総合PMI(改定値)の発表がある。
これらの結果や内容に注意が必要だ。