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今週の相場見通しについて(2022年12月19日~12月24日)
2022年12月19日~2022年12月24日のNYダウは上値が重く、日経平均株価は神経質な展開になると考えられる。
先週の振り返り
2022年12月12日~2022年12月17日の週の日経平均株価は、週の半ばに上昇したが、全体としては軟調だった。
12日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウやナスダック総合指数が下落した流れを受けてマイナス圏でスタートすると、軟調もみ合いが続いた。
後場に入ると下げ渋り、日経平均株価は前営業日比58円68銭安の27,842円33銭で取引を終えた。
13日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が大幅反発した流れを受けて前日比プラス圏でスタートしたが、この日発表の米11月消費者物価指数などを前に買いが続かず失速すると、安値圏で推移した。
後場の日経平均株価は上値の重い展開が続き、前日比112円52銭高の27,954円85銭で取引を終えた。
14日(水)は、前日のNYダウとナスダック総合指数の続伸を受けて日経平均株価は買い優勢に。
後場も日経平均株価は堅調に推移し、前日比201円36銭高の28,156円21銭で取引を終えた。
15日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の反落を受けて前日比マイナス圏でスタート。
その後、下げ渋るとプラス圏に浮上する場面もあったが、再び下落に転じた。
後場も日経平均株価は軟調に推移し、前日比104円51銭安の28,051円70銭で取引を終えた。
16日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が大幅続落したことから軟調に推移した。
後場に入ると日経平均株価は500円超安とさらに値を下げ、前日比524円58銭安の27,527円12銭で取引を終えた。
NYダウは上値の重い展開に
2022年12月19日~2022年12月24日の週のNYダウは、米経済指標の結果に左右されながらも上値の重い展開になりそうだ。
その理由として、FRBのタカ派的なスタンスが継続していることが挙げられる。
13日(火)と14日(水)に開催された米FOMCでは、事前予想どおり、利上げ幅の0.5ptへの縮小が決定された。
しかし、14日(水)に行われた会見で、パウエルFRB議長は「FOMC参加者は、なおインフレリスクが上振れ方向に傾いているとみている」「まだ十分に景気抑制的な政策スタンスではない」と発言。
市場では、来年の利上げ停止や利下げへの期待感が高まっていたが、パウエルFRB議長の会見での発言を受けて、その期待は後退することとなった。
また、この日発表されたドットチャートでは、2023年のFF金利予想中央値が、市場予想を上回る5.125%に引き上げられたことが判明。
現行の4.25-4.5%よりもかなり高いうえ、9月時点の4.625%からも大幅に引き上げられた。
来年末の政策金利が5%を下回るとの見通しを示した参加者は2人だけで、17人が5%を超えるとの見通しを示している。
パウエルFRB議長は、来年の利下げについて記者会見で「今回の経済展望も来年中の利下げの可能性は反映していない」と発言し、市場の期待を退けた。
このことから、来年中に利下げが行われることはなく、利上げが長期化するとの見方が強まり、FOMC終了後のNYダウやナスダック総合指数の下落につながった形だ。
さらに、FOMC参加者による2023年の実質経済成長率見通しの中央値は、9月時点の1.2%から0.5%に下がった。
このことについてパウエルFRB議長は、「プラス成長なので景気後退とは言えない」との考えを示し、「景気後退が起こるかどうかは誰にも分からない」「仮にそうなっても、深刻なものになるか分からないし、知りようがない」と発言している。
このように、今回のFOMCではFRBのタカ派姿勢が改めて浮き彫りになり、市場では米国の景気後退への懸念が強まっている。
そのため、2022年12月19日~2022年12月24日の週は、このことが重しとなり、NYダウには下押し圧力がかかりやすいだろう。
それに加え、景気後退への懸念が広がっていることから、NYダウは米国の経済指標の結果に左右されやすい展開になると考えられる。
特に、22日(木)の7-9月期米四半期GDP(確定値)と23日(金)の11月米個人消費支出の結果には注意したい。
また、クリスマス休暇を前に市場参加者が減少すると考えられ、上昇局面でのNYダウの勢いを弱める可能性に注意が必要だ。
上昇する場面があっても長続きせず、NYダウは上値の重い展開になるだろう。
日経平均株価は神経質な展開に
2022年12月19日~2022年12月24日の週の日経平均株価は、NYダウなど米国の株式指数の動向をにらんで神経質な展開になると考えられるが、景気後退への懸念から、上昇する場面でも上値が重くなるだろう。
今週の推奨セクター
2022年12月19日~2022年12月24日の週に推奨したいのは、大手銀行である。
円安が一服したことで海外勢が買い戻しを強めていることと、業績が好調であることに加え、日銀の緩和修正への期待感から買われやすい地合いになっている。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは半導体関連である。
米国の来年の利下げ観測が後退したことで、米SOX指数は下落基調が続いている。
景気後退への懸念も強まっていることから、景気敏感株である半導体関連については売られやすい状態がまだ続きそうだ。
今週の経済指標
なお、2022年12月19日~2022年12月24日の週は、22日(木)の7-9月期米四半期GDP(確定値)と23日(金)の11月米個人消費支出の他に、20日(火)に11月米住宅着工件数、21日(水)に11月米中古住宅販売件数、12月米コンファレンス・ボード、23日(金)に12月米ミシガン大学消費者態度指数(確報値)、11月米新築住宅販売件数の発表がある。
また、19日(月)と20日(火)に日銀金融政策決定会合、20日(火)に黒田日銀総裁定例記者会見、23日(金)に11月全国消費者物価指数というように、日本の経済指標の発表や要人発言の予定もある。
これらの結果や内容には注意が必要だ。
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