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今週の相場見通しについて(2023年1月23日~1月28日)
2023年1月23日~2023年1月28日のNYダウは不安定な展開になると考えられる。
日経平均株価はもみ合いになると考えられるが、下落時も底堅い展開になるだろう。
先週の振り返り
2023年1月16日~2023年1月21日の週の日経平均株価は概ね堅調だった。
16日(月)は、前週末のNYダウが堅調に推移した一方で、日経平均株価は前週末比マイナスでスタートし、その後もマイナス圏での軟調もみ合い展開が続いた。
後場の日経平均株価は、翌日からスタートする日銀金融政策決定会合を前に警戒感から安値もみ合いが続き、前営業日比297円20銭安の25,822円32銭で取引を終えた。
17日(火)の日経平均株価は、前日の米国市場が祝日で休場だったことから、欧州市場の動向を受けて堅調に推移した。
後場の日経平均株価は、日銀の金融政策決定会合の結果発表を翌日に控えて様子見ムードとなり、前日比316円36銭高の26,138円68銭で取引を終えた。
18日(水)は、前日のNYダウが反落した一方、ナスダック総合指数が続伸したことから、日経平均株価は買い戻し優勢となった。
後場の日経平均株価は、日銀金融政策決定会合の結果が現状維持となったことから安心感が広がり、前日比652円44銭高の26,791円12銭で取引を終えた。
19日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したことに加え、円高進行が懸念されて軟調になり、26,500円を挟んで一進一退が続いた。
後場の日経平均株価は、円高進行を嫌気して下げ幅を拡大し、前日比385円89銭安の26,405円23銭で取引を終えた。
20日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したことから、前日比マイナス圏でスタート。
しかし、円高進行が一服するとプラス圏に浮上し、その後は、26,500円をにらんで膠着状態となった。
後場に入ると、堅調なNYダウ先物の動向を受けて日経平均株価は上げ幅を拡大し、前日比148円30銭高の26,553円53銭で取引を終えた。
NYダウは不安定な展開に
2023年1月23日~2023年1月28日の週のNYダウは、注目度の高い米企業の決算と景気後退への懸念から不安定な展開が続くと考えられる。
18日(水)に公表されたベージュブックは、物価の伸びが今後1年で一段と鈍化するとの見通しだった。
しかし同日に、米クリーブランド連銀のメスター総裁が「利上げはFRBが意図したとおりにインフレを緩和しているが、数十年ぶりの強い物価上昇を抑制するためには一段の利上げが必要である」との見解を示したと、AP通信が報道。
また、同日の米・ウォールストリート・ジャーナルのオンラインインタビューの中で、米セントルイス連銀のブラード総裁は、インフレに関するリスクが予想より依然として高水準であることや、経済状況が予想よりも好調であることから、政策金利を可能な限り迅速に適切な水準に引き上げるべきとの見解を示した。
米連銀総裁が相次いでタカ派的な姿勢を示したことから、この日のNYダウは大幅下落。
前日に発表された1月ニューヨーク連銀製造業景気指数が、事前予想の-8.7を大幅に下回る-32.9であったことも影響し、金融引き締めによる米国の景気後退懸念が強く意識された格好だ。
2023年1月23日~2023年1月28日の週も引き続き、利上げへの警戒感が米株式市場の下押し要因になるだろう。
特に注意したいのが26日(木)発表の10-12月期米四半期GDPである。
事前予想では前期比年率2.6%で、前回(7-9月期)の3.2%から低下する見通しとなっている。
米国経済は、インフレと金融引き締めによって2023年に景気後退するとの見方がされているため、今回発表の10-12月期米四半期GDPが事前予想を下回るようであれば、米国の景気後退の可能性が高まったとして、市場には懸念が広がるだろう。
FRBのタカ派姿勢も意識され、NYダウには強い下押し圧力がかかると考えられるため、注意が必要だ。
また、2023年1月23日~2023年1月28日の週も引き続き米企業決算の発表があるため、そちらの結果にも注意したい。
24日(火)にマイクロソフト(MSFT)、3M(MMM)、25日(水)にIBM(IBM)、ボーイング(BA)、テスラ(TSLA)、26日(木)にインテル(INTC)、ビザ(V)、27日(金)にアメリカン・エキスプレス(AXP)の決算発表が予定されている。
これらの結果が良好ならNYダウは堅調に推移するとみられるが、予想外に弱い結果となった場合には、NYダウの下押し材料になるため注意が必要だ。
日経平均株価はもみ合い 下落時も底堅い展開に
2023年1月23日~2023年1月28日の週の日経平均株価はもみ合いになると考えられる。
17日(火)、18日(水)に開催された日銀金融政策決定会合の結果が現状維持となったことから、市場では安心感が広がっている。
懸念材料が後退したことから、2023年1月23日~2023年1月28日の週に本格化する国内企業の決算内容に市場の関心が移りそうだ。
24日(火)の日本電産、26日(木)の信越化学工業、27日(金)のファナックなど、注目度の高い企業の決算内容には注意したい。
仮に予想外に弱い結果になったとしても、大規模金融緩和政策の転換への懸念が後退したことから、下落時も底堅い展開になるだろう。
今週の推奨セクター
2023年1月9日~2023年1月14日の週に推奨したいのは、精密機器の中でもデジタルカメラを手掛けているところである。
CIPAが1月に公表した2022年11月のデジタルスチルカメラ生産出荷実績表によれば、11月のデジタルカメラ総出荷数は前月比9.8%増の80.4万台となり、6か月連続で前月比プラスとなっている。
出荷金額も前月比3.9%増、前年同月比48.2%増の788億円と堅調な結果となった。
中国における新型コロナ感染拡大の懸念はあるが、ゼロコロナ政策の解除により供給制約が緩和し、年末商戦での供給懸念も後退したため、今後も好調の継続に期待できるだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは保険の中でも損害保険である。
国内や台湾のコロナ損失や国内での災害などから、通期計画の下方修正を行ったところが多い。
それに加え、米国での記録的な寒波による影響を受けた損失が発生すると考えられる。
このことから、株価は短期的に下落傾向になると考えられるため、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
なお、2023年1月23日~2023年1月28日の週は、26日(木)発表の10-12月期米四半期GDPの他に、23日(月)に12月米景気先行指標総合指数、24日(火)に1月米製造業PMI、1月米サービス業PMI、1月米総合PMI、1月米リッチモンド連銀製造業指数、26日(木)に12月米耐久財受注、12月米新築住宅販売件数、27日(金)に12月米個人消費支出の発表がある。
これらの結果や内容には注意が必要だ。
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