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今週の相場見通しについて(2023年2月20日~2月25日)
2023年2月20日~2023年2月25日の週のNYダウは不安定な展開に、日経平均株価は方向感の出にくい展開になると考えられる。
先週の振り返り
2023年2月13日~2023年2月18日の週の日経平均株価は軟調に推移した。
13日(月)は、前週末のNYダウ市場が上昇した一方、ナスダック総合指数が下落したことを受け、この日の日経平均株価は反落してスタートすると下げ幅を拡大し、マイナス圏で軟調に推移した。
後場の日経平均株価は円安進行を受けて下げ渋ったもののマイナス圏での小動きが続き、前週末日比243円66銭安の27,427円32銭で取引を終えた。
14日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢となったが、この日発表の1月米消費者物価指数の発表を前に様子見ムードとなると、徐々に上げ幅を縮小。
後場も日経平均株価は狭いレンジ内で推移し、前日比175円45銭高の27,602円77銭で取引を終えた。
15日(水)は、前日のNYダウが下落した一方、ナスダック総合指数が上昇したことを受けて日経平均株価は続伸したが、円安進行の一服などから失速すると27,500円を割り込んだ。
後場の日経平均株価は米国の利上げへの警戒感から買いが手控えられ、前日比100円91銭安の27,501円86銭で取引を終えた。
16日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて上昇すると、円安進行やアジア株高等を追い風に上げ幅を拡大。
後場の日経平均株価は材料難で方向感に欠ける展開となり、前日比194円58銭高の27,696円44銭で取引を終えた。
17日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の大幅反落を受けて軟調に推移したが、円安が下支えすると27,500円が意識されて一進一退の展開に。
後場の日経平均株価は材料難から弱含みのもみ合いとなり、前日比183円31銭安の27,513円13銭で取引を終えた。
NYダウは不安定な展開に
2023年2月20日~2023年2月25日の週のNYダウは不安定な展開になるだろう。
米国市場は20日(月)が祝日のため休場となり、4日間しか開かないが、21日(火)から24日(金)にかけて発表される経済指標は、24日(金)の1月米個人消費支出と1月米新築住宅販売件数の注目度が比較的高いくらいで、市場からの注目度が高い重要なインフレ関連指標の発表に乏しい一週間となる。
米企業決算発表も一巡したため、要人発言に影響されやすい展開になるだろう。
14日(火)発表の1月米消費者物価指数は前月比0.5%増と事前予想どおりの結果となったが、前年同月比では6.4%と、事前予想の同6.2%を上回る結果となった。
ガソリンなどのエネルギー価格が3か月ぶりに上昇に転じたことがその理由で、物価上昇率の低下ペースが鈍化したのではないかとの見方もされる中、ニューヨーク連銀のウイリアムズ総裁が14日(火)に行われた講演で、「物価上昇はここ数カ月で多少は緩和したが、インフレ率は依然として高過ぎる。基調的なインフレ率も高過ぎる」と発言し、積極的な利上げにつながる可能性があると指摘したため、利上げ長期化懸念が浮上。
また、16日(木)にはクリーブランド連銀のメスター総裁が、インフレが依然として高すぎるため、FRB当局者は前回のFOMCで想定した以上の金利引き上げに前向きであるとの見方を示し、同日にセントルイス連銀のブラード総裁も、FRBが利上げを継続すれば、経済成長が続いてもインフレ低下を固定できると述べるなど、FRB高官による利上げ容認の発言が相次いだ。
発言を受けて市場では利上げ長期化懸念が再浮上し、2023年2月13日~2023年2月18日の週のNYダウの下押し要因になった。
このことから、2023年2月20日~2023年2月25日の週はFRB高官による利上げに関する発言に引き続き注意が必要だ。
さらなる利上げを支持する発言がされた場合には、2023年2月20日~2023年2月25日の週のNYダウの下落要因になり、利上げ停止を容認する発言がされた場合には、2023年2月20日~2023年2月25日の週のNYダウの上昇要因になると考えられる。
また、22日(水)に公表されるFOMC議事要旨の内容にも注意したい。
利上げに関する要人発言がなく、FOMC議事要旨の内容にも特段のサプライズがない場合は、NYダウは方向感の出にくい展開になるだろう。
日経平均株価は方向感の出にくい展開に
2023年2月20日~2023年2月25日の週の日経平均株価は、方向感の出にくい展開になると考えられる。
日本の場合、23日(木)が祝日で休場であることに加え、20日(月)は米国市場が休場のため、材料に乏しい一週間になる。
基本的にはNYダウやナスダック総合指数の影響を受けやすいとみられるが、米国もインフレ関連指標の発表が乏しいため、日経平均株価は方向感が出にくくなるだろう。
ただ、為替の影響を受けやすいと考えられるため、為替の動向には注意が必要だ。
今週の推奨セクター
2023年2月13日~2023年2月18日の週に推奨したいのは、小売りの中でも百貨店である。
百貨店の1月の月次売上高は国内客を中心に好調に推移していて、新規顧客や若年層顧客も売上増加に貢献している。
免税店の売上に関しては一見するとやや鈍化しているものの、好調トレンドには変わりがなく、印象としてはポジティブと言える。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは食品の中でも国内事業の割合が高いところである。
食品各社は1ドル110~120円台で調達したコスト高を反映して値上げしたが、その後円安が進行し、足元では緩和傾向にあるとはいえ、1ドル110円~120円台にはまだ遠い水準にあるため、来期の上期までは減益要因になると考えられる。
また、さらなる値上げの可能性があることにも注意が必要だ。
今週の経済指標
なお、2023年2月20日~2023年2月25日の週は、22日(水)のFOMC議事要旨の公表、24日(金)の1月米個人消費支出と1月米新築住宅販売件数の他に、21日(火)に2月米製造業PMI、2月米サービス業PMI、2月米総合PMI、1月米中古住宅販売件数、23日(木)に10-12月期米四半期GDP(改定値)、24日(金)に2月米ミシガン大学消費者態度指数(確報値)の発表がある。
これらの結果にも注意したい。
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