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今週の相場見通しについて(2023年3月6日~3月11日)
2023年3月6日~2023年3月11日の週は、NYダウ、日経平均株価ともに方向感の出にくい展開になると考えられる。
先週の振り返り
2023年2月27日~2023年3月4日の週の日経平均株価は、2日(木)までは方向感が出にくく小動きとなったが、3日(金)に大幅上昇した。
27日(月)の日経平気株価は、前週末のNYダウやナスダック総合指数が下落したことを受け、売り優勢に。
売りが一巡した後は下げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価は、材料難から同意に欠けた展開となり、前営業日比29円52銭安の2万7423円96銭で取引を終えた。
28日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が反発したことから、買い優勢となったが、戻り待ちの売りに押されてもみ合いとなった。
後場の日経平均株価は戻り売り優勢となり伸び悩むと前日比21円60銭高の27,445円56銭で取引を終えた。
1日(水)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したため、日経平均株価も売られる展開となると、一時140円超安まで下落したが、買い戻しと香港株の大幅高が後押しし、プラス圏に浮上した。
後場の日経平均株価は様子見ムードが続き、前日比70円97銭高の27,516円53銭で取引を終えた。
2日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウが小反発したことと円安が後押しし、101円超まで上昇したが、ナスダック100先物が下落すると軟調な展開に。
その後、押し目買いが入ると下げ渋った。
後場の日経平均株価はもみ合いが続き、前日比17円66銭安の27,498円87銭で取引を終えた。
3日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことに加え、円安も追い風になり、幅広い銘柄が買われると、前引け直前には411円超高まで上昇した。
後場の日経平均株価は、高値でのもみ合いが続き、前日比428円60銭高の27,927円47銭で取引を終えた。
NYダウは方向感が出にくい展開に
2023年3月6日~2023年3月11日の週のNYダウは方向感が出にくい展開になるだろう。
パウエルFRB議長の議会証言と2月米雇用統計がその理由だ。
7日(火)にパウエルFRB議長が上院銀行委員会公聴会で半期に一度の金融政策報告書の証言を行うが、今後の利上げについて、どのような証言をするかに注目が集まると考えられる。
もしも0.5ptの利上げを示唆する発言があった場合には、NYダウには強い下押し圧力がかかるだろう。
加えて、2023年3月6日~2023年3月11日の週は、FRB高官による利上げ幅に関する発言と、インフレに関係する経済指標の結果に要注意だ。
1日(水)には、アトランタ連銀のボスティック総裁が、FF金利を5.00~5.25%に引き上げ、2024年もしばらくはその水準に維持すべきとの見方を示したことが明らかになった。
また、同日に、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が、「利上げがサービス部門の減速につながっている兆候が、まだあまり見られていないことが気がかり」と指摘し、賃金の伸びがFRB当局の2%インフレ目標と整合するには高すぎるとの見解を示した。
これを受けてこの日のNYダウは下落している。
また、経済指標に目を向けると、24日(金)に発表された2月ミシガン大消費者信頼感指数確報値や1月新築住宅販売件数、1月米個人支出はいずれも強めの結果となったため、この日のNYダウの下落要因となり、28日(火)に発表された2月米消費者信頼感指数は弱い結果となったことから、この日のNYダウは下落している。
以上のように、インフレに関係する指標が弱めの結果となった出た時には、必ずしも利上げペースの減速や利下げへの期待感が強まるわけではなく、景気後退を懸念してNYダウの重しとなるケースがみられている。
経済指標の結果を市場がどう受け止めるか測る意味でも、最新のFRB関係者の発言には注意を払った方がいいだろう。
さらに、2023年3月6日~2023年3月11日の週は、10日(金)に2月米雇用統計の発表がある。
事前予想を上回る結果となれば、利上げ幅の拡大や利上げ長期化が懸念され、NYダウの重しになるだろう。
経平均株価もNYダウの動向を受けて方向感が出にくい
2023年3月6日~2023年3月11日の週は、日経平均株価もNYダウの動向を受けて方向感が出にくいと考えられる。
パウエルFRB議長の上院での議会証言と米雇用統計が理由だ。
NYダウの動向に連動した動きになると考えられるが、現在の円安基調を鑑みると、下落時も下値は堅いと考えられる。
なお、注意したいのは9日(木)と10日(金)の日銀金融政策決定会合である。
黒田総裁にとって最後となる今回の会合では大きな金融政策の変更はないと考えられ、現状のまま植田次期総裁に引き継がれるとみられている。
ただし、12月のようなサプライズがある可能性がまったくないとはいえないので、その点は念頭に置いた方がいいだろう。
今週の推奨セクター
2023年3月6日~2023年3月11日の週に推奨したいのは輸出関連銘柄である。
日銀新総裁の植田氏は、黒田日銀総裁の緩和的な金融環境を基本的に維持していく方針であるとの見方が大勢であるため、急激な円高にはなりにくい。
現状、欧米での利上げにも関わらず、景気は堅調に推移していることから、輸出関連銘柄にとっては好材料と言えるだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは鉄鋼である。
トルコは中東への積極的な鋼材輸出や鉄くず輸入シェアが高い。
2月6日に発生したトルコ・シリア大地震はインフラへの被害の度合いも大きいとみられている。
トルコの鋼材出荷が遅れ、製鉄所の操業にも影響が出る可能性があるため、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
なお、2023年3月6日~2023年3月11日の週は、7日(火)のパウエルFRB議長の上院議会証言、9日(木)と10日(金)の日銀金融政策決定会合、10日(金)の2月米雇用統計のほかに、8日(水)には2月米ADP雇用統計の発表がある。
ADP雇用統計は雇用統計の前哨戦とみなされているため、結果には注意が必要だ。
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