知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
皆さん投資検討する時の参考にしてください。
延長を希望される方がいたので当面の間延長します。感想などコメントや感想・問い合わせから教えてもらえると嬉しいです。
なお、当ブログに寄稿を希望されるブロガーさんがいらっしゃいましたら、こちらからご連絡くださいませ。
感想・問い合わせ - 1億円を貯めてみよう!chapter2
今週の相場見通しについて(2023年5月22日~5月27日)
2023年5月22日~2023年5月27日の週のNYダウは、米債務上限問題の動向に影響され、不安定な展開が続くだろう。
日経平均株価は過熱感から調整が入るとみられるが、下値は堅いだろう。
先週の振り返り
2023年5月15日~2023年5月20日の週の日経平均株価は上昇が続いた。
15日(月)は、前週末のNYダウとナスダック総合指数が下落したものの、日経平均株価は買い優勢となると、堅調もみ合い展開となった。
後場も買い優勢となり、日経平均株価は上げ幅を拡大すると、前週末比比238円04銭高の29,626円34銭と1年半ぶりに高値を更新して取引を終えた。
16日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の反発を受けて買い優勢となると、年初来高値を更新し、その後は一進一退が続いた。
後場の日経平均株価は29,000円台を回復する場面もあったが、売りに上値を抑えられると足踏み状態に。
最終的に日経平均株価は前日比216円65銭高の29,842円99銭で取引を終えた。
17日(水)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が反落したが、日経平均株価は円安進行を受けて買い優勢に。
2021年9月以来の大台を回復すると、3万円を下値に底堅く推移した。
後場の日経平均株価はこう着状態となったが、前日比250円60銭高の30,093円59銭と5営業日続伸し、3万円台を回復して取引を終えた。
18日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の反発と円安を追い風に買い優勢となると、一時30,600円台まで上昇したが、その後は30,500円を意識した一進一退の展開が続いた。
後場の日経平均株価はプラス圏で小動きが続き、前日比480円34銭高の30,573円93銭で取引を終えた。
19日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の続伸に加え、円安進行を追い風に、買い優勢に。
後場の日経平均株価も週末のポジション調整による売りに押されて上げ幅を縮小したが、前日比234円42銭高の30,808円35銭と7営業日続伸し、1990年8月以来33年ぶりとなる高値を付けて取引を終えた。
NYダウは米国の債務上限問題により不安定な展開に
2023年5月22日~2023年5月27日の週のNYダウは、米国の債務上限問題によって不安定な展開が続きそうだ。
6月1日(木)にもデフォルトの可能性が懸念されている米国の債務上限問題は、2023年5月15日~2023年5月20日の週に一定の進展がみられ、16日(火)に共和党のマッカーシー米下院議長らとバイデン米大統領との交渉が行われた。
無条件での上限引き上げを求めるバイデン米大統領に対し、マッカーシー米下院議長らは歳出削減を条件にしている。
16日(火)に行われた会談では合意に至らず、市場の失望を誘ったが、翌17日(水)にバイデン米大統領が合意の成立を確信しているとし、米国はデフォルトに陥ることはないと発言。
同日にマッカーシー下院議長も、債務上限引き上げに関する合意は21日(日)までに可能であると発言するなど、最終的には合意に達する可能性を示唆した。
両氏の発言を受けて市場では安心感が広がり、17日(水)のNYダウやナスダック総合指数の上昇の一因となった。
ただ、財政支出の抑制を求める共和党と社会保障など財政支出が必要な政策を目指す民主党との隔たりは大きく、期限とされる6月1日(木)までに合意に至るかどうか不透明だ。
19日(金)には、米ホワイトハウスと共和党の債務上限引き上げを巡る協議が一時中断したことが伝えられている。
よって、2023年5月22日~2023年5月27日のNYダウの動向を不安定にさせる要因になると考えられるため、引き続き本件に関する報道には注意したい。
また、FRB高官によるタカ派発言にも注意が必要だ。
前回のFOMCでは事前予想どおり0.25ptの引き上げが決定し、市場も今後の利上げ停止を見込んでいるが、足元では見通しを不透明にさせるFRB関係者の発言が飛び出している。
例えば、18日(木)に開催された会議において、ローガン米ダラス連銀総裁は、利上げ停止の論拠はまだ明確になっていないと述べた。
同日に行われた英・フィナンシャルタイムズ紙のインタビューにおいて、ブラード米セントルイス連銀総裁は、インフレに対する保険として一段の利上げを支持する考えを明らかにしている。
以上のように、FRB高官によるタカ派発言が相次いでいるが、19日(金)に開催された連邦準備制度の会合で、パウエルFRB議長は6月の利上げ停止を改めて示唆した。
パウエルFRB議長の発言を受けて、いったん利上げ観測は後退しているが、引き続きFRB関係者の発言には気を付けたほうがいいだろう。
タカ派発言により、注目度の高い米経済指標の結果を受けて市場が波乱含みの展開になる可能性がある。
特に、23日(火)の4月米新築住宅販売件数、24日(水)の米FOMC議事要旨の公表、25日(木)の1-3月期米四半期GDP、26日(金)の4月米個人消費支出には注意が必要だ。
日経平均株価は、過熱感から上値が抑えられやすいか
2023年5月22日~2023年5月27日の週の日経平均株価は、過熱感から上値が抑えられやすい展開になると考えられる。
19日(金)までに7日続伸していることから、いったん調整に入るだろう。
ただ、下落しても押し目買いが入りやすく、下値は堅いと考えられる。
今週の推奨セクター
2023年5月15日~2023年5月20日の週に推奨したいのは、自動車関連の中でもタイヤを扱うところである。
欧米等のディーラーの在庫調整の影響が2023年12月期1Qまであると考えられるが、米国におけるタイヤ販売は想定以上に堅調に進捗している。
そのため、2023年12月期2Q以降は業績回復に期待できるだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、光ケーブルなどネットワーク機器を扱っているところである。
バイデン政権がインフラ投資・雇用法案によって光ケーブルを半製品から最終製品に至るまで、全製造工程が米国内で行われる必要があると提案したことや、データセンター市場における在庫調整の影響を受けると考えられる。
今週の経済指標
なお、2023年5月22日~2023年5月27日の週は、23日(火)の4月米新築住宅販売件数、24日(水)の米FOMC議事要旨の公表、25日(木)の1-3月期米四半期GDP、26日の4月米個人消費支出のほかに、23日(火)に5月米製造業PMI、5月米サービス業PMI、5月米総合PMI、5月米リッチモンド連銀製造業指数、26日(金)に4月米耐久財受注、5月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表がある。
これらの結果にも注意が必要だ。
Copyright secured by Digiprove © 2023