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今週の相場見通しについて(2023年5月29日~6月3日)
2023年5月29日~2023年6月3日の週のNYダウは、米債務上限問題の動向と米雇用統計の結果が意識され、方向感の出にくい展開になりそうだ。
日経平均株価も米国株の不安定な動向に影響されると考えられるが、下値は堅いだろう。
先週の振り返り
2023年5月22日~2023年5月27日の週の日経平均株価は堅調に推移した。
22日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウとナスダック総合指数の反落を受けてマイナス圏でスタートしたものの、その後プラス圏に浮上するともみ合いに。
後場の日経平均株価は一段高となって31,000円台を回復し、前週末日比278円47銭高の31,086円82銭で取引を終えた。
23日(火)の日経平均株価は、前日のナスダック総合指数の反発を受けて買い優勢にとなると上げ幅を拡大する展開となったが、その後はもみ合いが続いた。
後場の日経平均株価は過熱感から利益確定売りが広がり、前日比129円05銭安の30,957円77銭と9営業日ぶりに反落して取引を終えた。
24日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の下落を受けて売り優勢となると、下げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は下値で押し目買いが入る場面があったものの軟調に推移し、前日比275円09銭安の30,682円68銭で取引を終えた。
25日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の続落を受けてマイナス圏でスタートしたものの、半導体株を中心に買いが入ったことや、円安進行を追い風にプラス圏に浮上し、一進一退の展開となった。
後場の日経平均株価は大型株に調整が入ったことで上値を切り下げ、前日比118円45銭高の30,801円13銭で取引を終えた。
26日(金)の日経平均株価は、前日のナスダック総合指数の上昇を受けてハイテク株を中心に買われる展開に。
円安進行も支援材料となると、31,000円を挟んだ一進一退の展開が続いた。
後場の日経平均株価は、週末のポジション調整の影響でもみ合いが続き、前日比115円18銭高の30,916円31銭で取引を終えた。
NYダウは方向感の出にくい展開に
2023年5月29日~2023年6月3日の週のNYダウは、方向感の出にくい展開になりそうだ。
理由は、米国の債務上限問題と米雇用統計である。
米国の債務上限問題については21日(日)と22日(月)にバイデン米大統領とマッカーシー下院議長が再び会談を行ったものの、合意に至らなかった。
両氏とも生産的な話し合いであったとして協議を継続する意向を示し、24日(水)には、民主党および共和党の双方の実務担当者がオンライン協議を行っている。
債務上限の引き上げに伴い実施する歳出削減の規模や内容が協議の焦点となった模様で、マッカーシー下院議長は協議が幾分良い方向に進んでいるとの見解を示した。
また、バイデン米大統領も「共和党との交渉が進展している」とホワイトハウスでの演説で発言するなど、双方ともに楽観的な見通しを示していた。
加えて25日(木)には、双方の交渉担当者が合意に近づいていることを明らかにしたとの報道もされている。
以上のように、関係者は合意に関して楽観的な見解をアピールするものの、両党のどちらにも譲歩に対する反発があるうえ、期限の6月1日(木)までの日数はだいぶ少ない。
なかなか合意に至らないことから、NYダウは25日(木)までに5日連続で下落し、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の保証料率も一時14年ぶりの水準まで上昇するなど、市場の警戒感は高まっている。
未だに与野党合意の明確な道筋が立っていないため、本件の動向は2023年5月29日~2023年6月3日の週の波乱要因になるだろう。
このまま進展がないようであれば、30日(火)と31日(水)(29日の米国市場は休場)のNYダウは波乱含みの展開なる可能性も考えられるため、注意が必要だ。
期限の6月1日(木)を迎える前に本件が解決を迎えた場合には、市場はリスクオンとなり、NYダウは強含みの展開になるだろう。
また、2日(金)には5月米雇用統計の発表がある。
足元では米国のインフレが長期化するとみられていることに加え、26日(金)には、IMFがFRBの追加利上げを予想したことが報じられた。
したがって、強い結果が出た場合にはNYダウに下押し圧力がかかる可能性も考えられるため、注意が必要だ。
なお、1日(木)には米雇用統計の前哨戦である5月ADP雇用統計の発表があるため、その結果についても併せて注意したい。
日経平均は下値は堅い
2023年5月29日~2023年6月3日の日経平均株価は、米国の債務上限問題の影響に加え、月末要因による利益確定売りに押されることが想定されるが、円安などが下支えし、底堅いだろう。
債務上限問題が期限の6月1日(木)までに合意に至れば、日本株は強含むと考えられる。
今週の推奨セクター
2023年5月29日~2023年6月3日の週に推奨したいのは、化学の中でも農薬を扱うところである。
欧州の化学品メーカーにおいて農薬の売上が好調に推移し、天然ガス価格の下落も業績を後押ししていることから、日本の農薬メーカーにとって追い風の事業環境が続くだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは銀行である。
米国における地銀を中心とした混乱や、植田新総裁のハト派発言を受けた日銀の金融政策変更期待の後退から、銀行株は一時期ほど選好されなくなっている。
大手都市銀行および地銀の2024年会社計画は微増益計画となっているところが多いようだが、市場の銀行株への関心度が低いため、大幅な値上がりには期待できなさそうだ。
今週の経済指標
なお、2023年5月29日~2023年6月3日の週は、1日(木)の5月米ADP雇用統計や2日(金)の5月米雇用統計のほかに、30日(火)に5月米消費者信頼感指数、31日(水)に4月米JOLTS求人件数、ベージュブックの公表、1日(木)に5月米ISM製造業景況指数、5月米製造業PMI(改定値)の発表がある。
これらの結果にも注意が必要だ。
また、既述したとおり、29日(月)は米国市場が休場となることにも留意したい。
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