知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
皆さん投資検討する時の参考にしてください。
延長を希望される方がいたので当面の間延長します。感想などコメントや感想・問い合わせから教えてもらえると嬉しいです。
なお、当ブログに寄稿を希望されるブロガーさんがいらっしゃいましたら、こちらからご連絡くださいませ。
感想・問い合わせ - 1億円を貯めてみよう!chapter2
今週の相場見通しについて(2023年6月5日~6月10日)
2023年6月5日~2023年6月10日の週のNYダウは、米債務上限問題に関し解決の道筋が見えてきたことから、概ね堅調に推移するだろう。
日経平均株価は下落時も下値は堅く、概ね堅調に推移すると考えられる。
先週の振り返り
2023年5月29日~2023年6月3日の週の日経平均株価は週半ばに調整が入ったものの、堅調に推移した。
29日(月)の日経平均株価は前週末のNYダウの反発とナスダック総合指数の上昇を受けて続伸すると、高値圏でもみ合う展開に。
後場の日経平均株価は、上昇による過熱感から上げ幅を縮小し、前週末比317円23銭高の31,233円54銭で取引を終えた。
30日(火)の日経平均株価は、前日の米国市場が休場で手掛かり材料難となり、前日比マイナス圏でスタートすると、切り返してプラス圏に浮上する場面もあったが、円高進行を受けると失速し、マイナス圏に沈んだ。
後場の日経平均株価は、値嵩株が買われてプラス圏に浮上した後、米国の債務上限を巡る下院採決を前に様子見ムードとなったが、前日比94円62銭高の31,328円16銭と4営業日続伸し、年初来高値をこの日も更新して取引を終えた。
31日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウが下落したことに加え、円高進行によって軟調に。
後場の日経平均株価は、一時500円超安となるなど大型株を中心に売り優勢となり、前日比440円28銭安の30,887円88銭と大幅反落して取引を終えた。
1日(木)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が下落したものの、日経平均株価はマイナス圏でスタートした後プラス圏に浮上すると、買い戻し優勢となった。
後場の日経平均株価は高値圏でのこう着状態が続き、前日比260円13銭高の31,148円01銭で取引を終えた。
2日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢となった。
後場の日経平均株価は、400円超高となる場面もあるなどほぼ全面高となって前日比376円21銭高の31,524円22銭と続伸し、バブル崩壊後の高値を更新して取引を終えた。
NYダウは材料難も堅調な地合いに
2023年6月5日~6月10日の週のNYダウは、材料難ではあるが、堅調な地合いになると考えられる。
理由は、米国の債務上限問題について、解決の目途が立ったからである。
27日(土)に行われたバイデン米大統領とマッカーシー下院議長との協議で、基本合意に至ったことを発表。
両氏ともに議会通過を予想し、31日(水)に開催された議会下院では、債務上限の適用を一時的に停止し、引き上げる法案が賛成多数で可決された。
これにより、デフォルトが回避される公算が高まり、今後、5日(月)までに上院で可決されるかどうかに焦点が集まっている。
2日(金)までに法案の通過を目指しているが、共和党の一部議員が、法案審議を迅速に通過させるにあたり条件を付けているとの報道もされているため、交渉次第では、上院での可決が週明けにずれ込む可能性もあるようだ。
今後の動向に注意が必要だが、今のところはデフォルト回避に関し、市場は楽観的な見通しを示している。
以上のとおり、このところの懸念材料だった米国の債務上限問題については解決の目途がたったため、市場では再び利上げに関心が戻りつつある。
ただ、31日(水)に行われた金融安定性と経済に関するスピーチにおいて、FRBのジェファーソン理事は、6月開催のFOMCで利上げを見送ることを示唆したほか、同日のイベントで、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁が、6月のFOMCでは利上げを見送るのが適切だろうとの見方を示したことから、足元での利上げは行われないとの見方が強い。
FRB高官のハト派発言が相次いであったことを受けて、2日(金)時点におけるCMEのFedWatchは据え置きとの見方が約72%となっている。
また、インフレへの警戒感も足元では後退しているようだ。
2日(金)に発表された米雇用統計の結果は、事前予想を大幅に上回る(5月非農業部門雇用者数変化:前月比33.9万人増/事前予想:同19.0万人増)ものとなった一方で、平均時給の上昇率が前年同月比4.3%と市場予想の4.4%を下回ったことから、市場では安心感が広がり、この日のNYダウは700ドル超高となるなど堅調に推移した。
今回発表された米雇用統計の結果は、過度なインフレへの警戒を和らげる内容となったものの、今後発表される米経済指標の結果とFRB高官など要人発言には引き続き注意した方がいいだろう。
ただし、2023年6月5日~6月10日の週に関しては、5日(月)の5月米ISM非製造業景況指数が最も注目度が高いと考えられ、他の指標の注目度はさほど高くないとみられていることから、基本的には材料難になりそうだ。
それでも、デフォルト回避の公算が高いことと、6月のFOMCでの利上げ見送りの可能性が高いことが安心材料となり、NYダウは概ね堅調に推移すると考えられる。
日経平均株価は概ね堅調な地合いが続く
2023年6月5日~6月10日の週の日経平均株価は、このところ急上昇が続いていたため、節目となる31,500円近辺ではもみ合いになりそうだ。
調整などから下落した場合も、本格的な下降トレンドには転換しにくいと考えられ、概ね堅調な地合いが続くと考えられる。
今週の推奨セクター
2023年6月5日~2023年6月10日の週に推奨したいのは、小売りの中でも衣料品である。
2023年5月17日に国土交通省が発表した旅行・観光消費動向調査によれば、2023年1-3月期の日本人の国内旅行消費額は、コロナ禍前の2019年の同じ時期を上回る4兆2,331億円となった。
旅行需要の伸びによる恩恵を衣料品も受けるとみられることから、衣料関係の小売業にとっては追い風になるだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは製紙関連である。
円安が続いているうえ、パルプ価格は一時期より高騰がやや落ち着いたとはいえ、いまだに高水準である。
重油価格も一時期より下がったとはいえ高水準にあることから、収益を圧迫するとみられるため、避けた方がいいだろう。
今週の経済指標
なお、2023年6月5日~6月10日の週は、5日(月)の5月米ISM非製造業景況指数の他に、5日(月)に5月米サービス業PMI(改定値)、5月米総合PMIの発表が予定されている。
また、8日(木)には、日本の1-3月期四半期GDPの発表がある。
これらの結果にも注意したい。
Copyright secured by Digiprove © 2023