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今週の相場見通しについて(2023年6月26日~7月1日)
2023年6月19日~2023年6月24日の週のNYダウは、不安定な展開になると考えられる。
一方、日経平均株価は軟調に推移しそうだ。
先週の振り返り
2023年6月19日~2023年6月24日の週の日経平均株価は、週間を通すと軟調だった。
19日(月)は、前週末のNYダウとナスダック総合指数の下落したものの、日経平均株価は前週末比プラス圏でスタート。
その後マイナス圏に沈むと軟調もみ合い展開となった。
後場の日経平均株価は軟調に推移し、前週末日比335円66銭安の33,370円42銭で取引を終えた。
20日(火)の日経平均株価は、前日の米国市場が休場だったことから一進一退の展開となったが、円安が一服すると下落。
後場の日経平均株価はアジア株安の影響で上値の重い展開が続き、前日比18円49銭高の33,388円91銭で取引を終えた。
21日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の下落を受けて前日比マイナス圏でスタートしたが、すぐに切り返すとプラス圏に浮上し、もみ合いを経て上昇した。
後場の日経平均株価は、半導体関連の値嵩株中心に買われ、前日比186円23銭高の33,575円14銭で取引を終えた。
22日(木)の日経平均株価は前日のNYダウやナスダック総合指数が下落した流れを引き継ぎ、前日比マイナス圏でスタート。
いったんプラス圏に浮上したものの軟化すると下げ幅を拡大したが、再びプラス転換した。
後場の日経平均株価は利益確定売りなどの影響で下げ幅を拡大し、前日比310円26銭安の33,264円88銭で取引を終えた。
23日(金)の日経平均株価は、前日のナスダック総合指数が4日ぶりに反発したことを受けて前日比プラス圏でスタートすると、一時33,500円を回復。
しかし、再び売り優勢となると33,000円を割り込んでもみ合いとなった。
後場の日経平均株価は高値警戒感から売り優勢となり、前日比483円34銭安の32,781円54銭で取引を終えた。
NYダウは、不安定な展開に
2023年6月26日~7月1日の週のNYダウは不安定な展開になりそうだ。
なぜなら、パウエルFRB議長が利上げに対し、タカ派的な姿勢が示したからだ。
パウエルFRB議長は、21日(水)に行われた下院議会証言において、FOMC参加者のほぼ全員が、金利は年末までに幾分高くなると見込んでいるとした。
また、インフレを2%に戻すにはまだ道のりは遠いとの認識を示したため、利上げに対し懐疑的な市場に冷や水を浴びせることとなった。
6月のFOMCでは利上げは行われず、据え置かれることとなったが、FOMC後の会見においてパウエルFRB議長は、ほぼ全てのFOMC参加者が、2023年中に幾分かの追加利上げが適切との見方を示したことを明らかにしている。
今回の下院議会証言でパウエルFRB議長は、FOMC参加者が年内にあと2回の追加利上げを行うとの見通しを立てていることに対し、「非常に良い推測」と発言し、「経済が予想どおりに推移すれば、その予想は妥当である」との認識を示した。
このことが、市場の失望を買ったのである。
なぜなら、金利先物市場は2023年にあと1回の利上げ、場合によっては年内の利下げを織り込むなど、年内に2回の利上げは行われないだろうとの見通しを立てていたからだ。
その背景には、急速な利上げによる景気後退や銀行不安リスクがある。
また、米アトランタ連銀のボスティック総裁が、21日(水)にインターネット上に掲載した文書で、年内の政策金利据え置きを支持する考えを示し、今までの利上げによるインフレ鈍化を見極めることが賢明との見方を示したことも、市場のこうした見通しを後押しする材料になっただろう。
しかし、パウエルFRB議長の下院議会証言での発言は、市場の見方をけん制するものであったことから、足元では利上げに対する警戒感が急速に広がっている。
加えて、英国のBOE(イングランド銀行)が市場予想を上回る利上げを決めたことも、市場の警戒感を強める一因となった。
以上のことから、2023年6月26日~7月1日の週のNYダウは、再び米国の経済指標に一喜一憂する展開になるだろう。
2023年6月26日~7月1日の週は、27日(火)に5月米新築住宅販売件数、29日(木)に1-3月期米四半期GDP(確定値)、30日(金)に5月米個人消費支出の発表がある。
これらの結果には注意が必要だ。
また、28日(水)には、パウエルFRB議長がECB主催の公開討論に出席するため、発言に注意したい。
日経平均株価は軟調に推移か
2023年6月26日~7月1日の週の日経平均株価は、軟調に推移しそうだ。
利上げへの警戒感から、NYダウやナスダック総合指数が不安定な動向を示しているため、日経平均株価もその影響を受けるだろう。
特に、日経平均株価はこのところ急速に上昇してきたため、米株価指標の下落に対し敏感に反応する可能性が考えられる。
上昇時も利益確定売りに押されると考えられ、上値は重いだろう。
なお、28日(水)のECB主催の公開討論には植田日銀総裁も出席するため、発言には注意が必要だ。
今週の推奨セクター
2023年6月26日~2023年7月1日の週に推奨したいのは、スーパーなどの小売りである。
食品は相次いで値上げしているが、過度な買い控えが起きていないことから、今後も概ね堅調に推移すると考えられる。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのはIT関連である。
米国では利上げに対する警戒感が広がり、ハイテク株を中心に軟調に推移している。
今後、市場は年2回の利上げを徐々に織り込んでいくと考えられるが、足元ではまだ利上げに対する警戒感が強いことから、先日のパウエルFRB議長のタカ派姿勢の影響が残ると考えられ、調整地合いが続くだろう。
特に経済指標が強い内容となった場合には、米ハイテク株には強い下押し圧力がかかると考えられ、日本のIT関連銘柄もその影響を受けると考えられるため、避けたほうが良さそうだ。
今週の経済指標
なお、2023年6月26日~7月1日の週は、27日(火)の5月米新築住宅販売件数、28日(水)のECB主催の公開討論、29日(木)の1-3月期米四半期GDP(確定値)、30日(金)の5月米個人消費支出のほかに、27日(火)に5月米耐久財受注、6月米リッチモンド連銀製造業指数、30日(金)に6月米ミシガン大学消費者態度指数(確報値)の発表がある。
これらの結果にも注意したい。
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