知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2023年7月3日~7月8日)
2023年7月3日~2023年7月8日の週のNYダウは、米雇用統計などの経済指標の結果に左右され、不安定な展開になると考えられる。
一方、日経平均株価は方向感の出にくい展開になりそうだ。
先週の振り返り
2023年6月26日~7月1日の週の日経平均株価は堅調に推移した。
26日(月)の日経平均株価は前週末のNYダウとナスダック総合指数の下落を受けてマイナス圏でスタートする下げ幅を拡大。
円安進行を追い風にプラス圏に浮上したものの、一進一退の展開となった。
後場の日経平均株価はこう着状態となり、前週末比82円73銭安の32,698円81銭で取引を終えた。
27日(火)の日経平均株価は前日のNYダウとナスダック総合指数の下落を受けて売り優勢となると、下げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は押し目買いで下げ渋ると前場終値付近でのもみ合いとなり、前日比160円48銭安の32,538円33銭と、今年初の4営業日続落で取引を終えた。
28日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が7日ぶりに反発した流れを受けて、前日比プラス圏でスタートすると上げ幅を拡大し、32,800円前後でのもみ合いが続いた。
後場の日経平均株価は先物の上昇を受けて高値圏でのもみ合いが続くと前日比600円超上昇し、前日比655円66銭高の33,193円99銭で取引を終えた。
29日(木)の日経平均株価は、前日のナスダック総合指数の上昇と円安を受けると前日比300円超上昇する場面もあったが、その後はやや失速した。
後場の日経平均株価は、利益確定売りで上値の重い状態が続き、前日比40円15銭高の33,234円14銭と小幅続伸して取引を終えた。
30日(金)の日経平均株価は、前日のナスダック総合指数の下落を受けると前日比マイナス圏でスタートすると、軟調な展開となった。
後場の日経平均株価は週末のポジション調整の影響で売りに押され、前日比45円10銭安の33,189円04銭と小幅反落して取引を終えた。
NYダウはFRBの姿勢を窺う展開に
2023年7月3日~7月8日の週のNYダウは、引き続き利上げをめぐるFRBの姿勢を窺う展開になり、不安定になりそうだ。
その理由として、パウエルFRB議長のタカ派的な発言が挙げられる。
28日(水)にポルトガルで行われたECB主催の公開討論に出席したパウエルFRB議長は、金融引き締めについて、引き締め域にあるが十分でない可能性があると発言。
今後の会合で議題から排除せず、連続利上げの可能性も除外しないと述べ、一段の引き締めを想定しているとした。
さらに、FOMC参加者の多くが、あと2回もしくはそれ以上の利上げを支持していると述べた。
パウエルFRB議長の発言は、前週に行われた議会証言におけるものよりもタカ派色が強く、7月と9月のFOMCで利上げが再開されるとの見方が広がったことから、この日のNYダウは下落。
ただ、パウエルFRB議長が米経済の柔軟性を強調すると、米国の景気後退懸念が和らぎ、この日のNYダウは下げ止まった。
このように、利上げの可能性に市場の注目が集まっていることから、2023年7月3日~7月8日の週も引き続き米経済指標の動向に左右されやすい状況が続くだろう。
2023年7月3日~7月8日の週は、3日(月)に6月米ISM製造業景況指数、5日(水)にFOMC議事要旨が公表される。
また、6日(木)には6月米ISM非製造業景況指数、7日(金)に6月米雇用統計の発表が予定されている。
特に5日(水)のFOMC議事要旨と7日(金)の6月米雇用統計の結果には注意が必要だ。
公表されるFOMC議事要旨において、FOMC参加者が利上げに対しどのような見解を示しているのかに注目が集まるだろう。
6月のFOMCでは利上げは見送られたが、内容はタカ派的であった。
そのため、公表されるFOMC議事要旨の内容がFOMC参加者のタカ派的な姿勢が確認できるものであれば、NYダウには強い下押し圧力がかかると考えられるため、注意したい。
また、6月米雇用統計の結果が強い内容であった場合にも、利上げが意識されてNYダウの重しになるだろう。
併せて6日(木)に発表される6月米ADP雇用統計は、米雇用統計の前哨戦とされることから、その結果に注意が必要だ。
日経平均株価は方向感の出にくい状態に
2023年7月3日~7月8日の週の日経平均株価は、7日(金)発表の米雇用統計を前に方向感の出にくい状態になりやすいことが予想される。
これまで急速に値を上げてきたことから、調整が入りやすい地合いが続くだろう。
ただ、押し目買いが入ると考えられるため、下落時も底堅く推移すると考えられる。
今週の推奨セクター
2023年7月3日~2023年7月8日の週に推奨したいのは、ビジネス需要の回復やイベント等の開催に期待できるエリアの鉄道である。
コロナ禍によって制限されていた人流が回復し、今年のGWには久しぶりに観光客が戻り、インバウンドも回復傾向にある。
特に、訪日観光客の回復が期待できるエリアや、ビジネス需要の回復に期待できるエリア、今後大型イベントの開催が予定されているエリアの鉄道に関しては、本業の鉄道に加え、不動産関連の業績への貢献にも期待できるだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは化学・繊維の中でもエチレンやプロピレンなどを扱うところである。
石油化学工業協会が2023年6月27日に発表したエチレンプラントの5月の稼働率は、4月の84.5%から低下し、81.6%となった。
前年同月比でも5.8%低下した。
好不況の目安となる90%を下回る状態が2022年8月以降継続している。
国内における需要の低迷が続き、在庫水準も高く在庫調整局面が続いている状態だ。
中国やインドでのエチレンプラントの設備新増設による供給量増加も見込まれ、回復にはまだ至らないとみられることから、避けた方がいいだろう。
今週の経済指標
なお、2023年7月3日~7月8日の週は、3日(月)の6月米ISM製造業景況指数、5日(水)のFOMC議事要旨の公表、6日(木)の6月米ADP雇用統計、6月米ISM非製造業景況指数、7日(金)の6月米雇用統計のほかに、3日(月)に6月米製造業PMI(改定値)、6日(木)に6月米サービス部門PMI(改定値)、6月米総合PMI(改定値)の発表がある。
これらの結果にも注意が必要だ。
なお、4日(火)は、米国市場が独立記念日のため休場となることに留意したい。
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