知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
皆さん投資検討する時の参考にしてください。
延長を希望される方がいたので当面の間延長します。感想などコメントや感想・問い合わせから教えてもらえると嬉しいです。
なお、当ブログに寄稿を希望されるブロガーさんがいらっしゃいましたら、こちらからご連絡くださいませ。
感想・問い合わせ - 1億円を貯めてみよう!chapter2
今週の相場見通しについて(2023年9月25日~9月30日)
2023年9月25日~2023年9月30日の週のNYダウは、米長期金利の動向をにらんで神経質な展開になりそうだ。
日経平均株価はNYダウなど米経済指標の動向に連動しながらも、中間配当や配当再投資に伴う買いや日経平均株価の銘柄入れ替えに絡む売買に影響され、不安定な展開になると考えられる。
先週の振り返り
2023年9月18日~9月23日の週の日経平均株価は大幅下落した。
18日(月)は祝日のため、東京株式市場は休場だった。
19日(火)の日経平均株価は、前週末および前日のNYダウやナスダック総合指数の軟調を受けて前週末比マイナスでスタートすると、中国・香港株の下落も重しとなり、下げ幅を拡大。
後場の日経平均株価はマイナス圏で小動きとなり、前営業日比290円50銭安の33,242円59銭と反落して取引を終えた。
20日(水)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したものの、日経平均株価は円安を受けて前日比プラス圏でスタートすると、一進一退の展開となった。
後場の日経平均株価は、ポジション調整の売りにより軟調に推移し、前日比218円81銭安の33,023円78銭と続落して取引を終えた。
21日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の下落を受けて前日比マイナス圏でスタートすると、下げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は、安値でもみ合いが続き、前日比452円75銭安の32,571円03銭と3日続落して取引を終えた。
22日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の続落を受けて売り優勢となったが、中国・香港株が上昇するともみ合いとなった。
後場の日経平均株価は上昇する場面もあったが、じり安になるともみ合いが続き、前日比168円62銭安の32,402円41銭と4日続落して取引を終えた。
NYダウは神経質な展開に
2023年9月25日~9月30日の週のNYダウは神経質な展開になりそうだ。
その理由として、米長期金利の高止まりに対する市場の懸念が挙げられる。
19日(火)と20日(水)に開催された9月の米FOMCでは、事前予想どおり、金利の据え置きが決定。
一方、今回公表されたFOMC参加メンバーの政策金利見通し(中央値)は、2023年は前回同様5.6%となったが、2024年末で5.1%、2025年末で3.9%となった。
2023年については、年内にあと1回の利上げ(0.25pt)が行われる可能性が示された。
2024年と2025年に関しては、利下げされるとの予測は変わらないものの、6月発表の見通しからそれぞれ0.5%ポイント引き上げられた格好だ。
加えて、中立金利について、3%以上を予想するFOMCメンバーが、前回から2名増加の5名となった。
以上のとおり、2023年についてはあと1回の利上げが予想され、2024年以降の利下げ幅が縮小されたことから、高金利の長期化を市場は嫌気し、20日(水)のNYダウやナスダックは下落。
また、FOMC終了後の会見で、パウエルFRB議長は「適切であればさらに金利を引き上げる用意がある」と述べ、FRBが追加利上げを実施する可能性を示唆した。
FRBのタカ派的なスタンスが確認されたことから、2023年9月18日~9月23日の週のNYダウは、FOMC終了後も軟調に推移している。
さらに、22日(金)にはボウマンFRB理事が、「FRBは適時にインフレ抑制のため、政策金利をさらに引き上げる必要がある」と述べたことが報道され、FRBのタカ派姿勢が再び鮮明になっている。
このことが、2023年9月25日~9月30日の週のNYダウの重しになると考えられ、引き続き米国の経済指標の結果に市場の注目が集まるだろう。
2023年9月25日~9月30日の週は、26日(火)に8月米新築住宅販売件数、9月米消費者信頼感指数、28日(木)に4-6月期米四半期GDP(確定値)、29日(金)に8月米個人消費支出の発表が予定されている。
これらの結果が強いものになれば、高金利の高止まりや利上げが懸念され、NYダウの押下げ要因になると考えられるため、注意が必要だ。
日経平均株価は米国の長期金利の高止まり懸念の影響が残る
2023年9月25日~9月30日の週の日経平均株価は米国の長期金利の高止まり懸念の影響が残ると考えられる。
一方で、中間配当や優待目的の買いが入る可能性や、大口投資家による配当再投資に伴う買いが入る可能性が考えられるほか、日経平均株価の銘柄入れ替えに絡む売買などが考えられるため、不安定な展開になりそうだ。
今週の推奨セクター
2023年9月25日~9月30日の週に推奨したいのは、金融の中でもクレジットなどキャッシュレス関連である。
訪日外国人がコロナ禍前の水準に迫りつつある中、インバウンド消費も回復しつつある。
それに伴い、キャッシュレス決済も増加しているとみられることから、クレジットカードをはじめとするキャッシュレス決済を手掛ける企業にとっては追い風になるだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、半導体関連である。
9月の米FOMCの結果を受けて、市場では米長期金利は高止まりが長期化するのではないかとの見方が広がっている。
また、米国の経済状況が予想以上に堅調に推移していることに加え、米国のインフラ支出が経済成長と債券の供給を下支えしていることから、当初予想された景気後退の時期が2024年以降にずれ込むのではないかとの見方も浮上し、米長期金利は上昇が続く可能性が出てきている。
さらに、19日(月)にTSMC(台湾積体電路製造)がオランダのASMLに納入延期要請をしたとの報道が、半導体関連銘柄に短期的にネガティブな影響を与えると考えられるため、避けたほうがいいだろう。
今週の経済指標
なお、2023年9月25日~9月30日の週は、26日(火)の8月米新築住宅販売件数、9月米消費者信頼感指数、28日(木)の4-6月期米四半期GDP(確定値)、29日(金)の8月米個人消費支出の発表のほかに、26日(火)に9月米リッチモンド連銀製造業指数、27日(水)に8月米耐久財受注、29日(金)に9月米ミシガン大学消費者態度指数(確報値)の発表がある。
これらの結果にも注意が必要だ。
また、28日(木)にはパウエルFRB議長の発言が予定されているため、その内容にも注意したい。
Copyright secured by Digiprove © 2023