知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2023年12月18日~12月23日)
2023年12月18日~12月23日の週のNYダウは堅調に推移するものの、利益確定売りに押される場面もあると考えられる。
日経平均株価も概ね堅調に推移すると考えられるが、マイナス金利の解除を日銀が決定した場合は注意が必要だ。
先週の振り返り
2023年12月11日~12月16日の日経平均株価は概ね堅調だった。
11日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウやナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢となったが、翌日からスタートする米FOMCを前に様子見ムードとなった。
後場の日経平均株価は狭いレンジでもみ合いが続き、前営業日比483円94銭高の32,791円80銭で取引を終えた。
12日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の上昇と円安を受けて続伸したが、その後、為替が円高ドル安に振れたために上げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価は、円高と米消費者物価指数の発表を前に伸び悩み、前日比51円90銭高の32,843円70銭と小幅続伸して取引を終えた。
13日(水)は、前日のNYダウとナスダック総合指数の続伸を受けて日経平均株価は上昇してスタートすると、堅調に推移した。
後場の日経平均株価は、米FOMCの結果発表を前に様子見ムードが広がったことから、前日比82円65銭高の32,926円35銭と小幅続伸して取引を終えた。
14日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が続伸したものの、為替市場で円高が進行したことから売り優勢となった。
後場の日経平均株価は、円高進行により下げ幅を拡大すると400円超下落する場面もあったが、前営業日比240円10銭安の32,686円25銭で取引を終えた。
15日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の上昇を受けて反発してスタートすると上げ幅を拡大。
後場の日経平均株価は3万3,000円付近で小動きとなり、前日比284円30銭高の32,970円55銭で取引を終えた。
今週のNYダウは概ね堅調に推移か
2023年12月18日~12月23日の週のNYダウは概ね堅調に推移すると考えられるが、上昇が続いている点や、クリスマス休暇が近いということでポジション調整の売りが入りやすいとみられ、注意が必要だ。
堅調に推移すると考えられる理由として、FRBのスタンス変更が挙げられる。
12日(火)と13日(水)に開催された米FOMCでは、事前予想どおり政策金利の据え置きが決定した。
13日(水)に行われた記者会見で、パウエルFRB議長は政策金利が引き締めサイクルのピークに達したか近辺にあるとの見方を示すと同時に、さらなる利上げが適切である可能性は低いものの、その可能性を排除したくないと述べた。
一方で、利下げの時期が次の問題であり、そのことを検討・議論しているとして、今後の会合で利下げの議論が行われる可能性を示唆したのである。
これまでは利上げの可能性を残していたが、今回は利下げの可能性に触れただけでなく、FOMC参加者の予測中央値においても今後の追加利上げはないとの見通しが示された。
また、FOMC参加者が2024年について0.25ptの利下げを3回行うと予測していることも判明した。
9月の予測では2024年に2回の利下げとしていたため、今回、FRBが利下げに積極的になったとの見方が広がったのである。
これまでタカ派的なスタンスを示していたFRBがハト派的なスタンスに転換したことは、市場にとってポジティブサプライズとなり、13日(水)のNYダウは37,090ドル24セントと1年11カ月ぶりに史上最高値を更新。
これにより米10年債利回りは低下し、ドル安が進行した。
市場が期待する利下げの確度が高まったことが安心材料となり、2023年12月18日~12月23日の週のNYダウは概ね堅調に推移すると考えられる。
ただし、すでに書いたように、NYダウの上昇が続いていることから調整が入りやすく、クリスマス休暇に入る市場参加者も増えてくるだろう。
そのため、通常よりも市場が閑散としやすく、NYダウのボラティリティが高くなる恐れもあることに注意が必要だ。
なお、21日(木)には7-9月期米四半期GDP(確定値)、22日(金)には11月米個人消費支出、11月米新築住宅販売件数の発表があり、市場の注目を集めると考えられるため、注意したい。
米国の景気のハードランディングに対する市場の懸念は後退しているが、それを裏付ける結果であれば、NYダウの上昇要因になるだろう。
日経平均株価は堅調に推移も円高には注意
2023年12月18日~12月23日の週の日経平均株価は、米株高を受けて堅調に推移すると考えられるものの、円高には注意したい。
特に18日(月)と19日(火)に開催される日銀金融政策決定会合と、19日(火)に行われる植田日銀総裁の記者会見の内容に注目が集まると考えられる。
先日の植田日銀総裁の発言を受け、早期に政策修正が行われてマイナス金利が解除されるとの見方が強まったが、今回の金融政策決定会合では現状を維持するとの見方が優勢だ。
もしも今回の会合で早期のマイナス金利解除が決定した場合には、円高が急激に進行し、日経平均株価の押下げ要因になると考えられるため、注意したい。
今週の推奨セクター
2023年12月11日~12月16日の週に推奨したいのは小売りの中でもアパレルである。
アパレル各社は11月の中旬以降、気温の急低下で売上が好調であるため、業績への貢献に期待できそうだ。
今週の非推奨セクター
避けたいのは、地銀である。
日銀の金融政策変更が地銀各社に与える好影響を市場が期待していることから、地銀の株価上昇が続いてきた側面がある。
ゼロ金利から脱却しなければ、地銀各社の決算が堅調であっても市場からの評価がされにくいとみられるため、今は避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、2023年12月18日~12月23日の週は、21日(木)の7-9月期米四半期GDP(確定値)、22日(金)の11月米個人消費支出、11月米新築住宅販売件数のほかに、20日(水)に11月米中古住宅販売件数、12月米消費者信頼感指数、21日(木)に12月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、22日(金)に12月米ミシガン大学消費者態度指数(確報値)の発表がある。
これらの結果に注意が必要だ。
また、既述したとおり、18日(月)および19日(火)の日銀金融政策決定会合と、19日(火)の植田日銀総裁記者会見に注意したい。