知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年1月8日~1月13日)
2024年1月8日~1月13日の週のNYダウは上値の重い展開になりそうだ。
一方、2024年1月8日~1月13日の週の日経平均株価は、基本的にNYダウなど米株価指数の動向に左右されるものの、下値は堅いだろう。
先週の振り返り
2024年1月1日~1月6日の週の日経平均株価は、新年最初の取引日に大幅下落し、その後持ち直したものの、週間では下落した。
1日(月)は元旦のため世界的に祝日で市場は休場のところが多く、東京株式市場は休場となった。
2日(火)および3日(水)も東京株式市場は三が日のために休場だった。
一方、2日(火)は米国株式市場がスタートし、この日のNYダウは最高値を更新したが、ナスダック総合指数は下落。
3日(水)はNYダウとナスダック総合指数はどちらも下落した。
4日(木)の日経平均株価は、NYダウおよびナスダック総合指数の下落に加え、元旦に発生した能登半島地震の影響などが嫌気されて、売り優勢となると、前営業日比770円安まで下げ幅を拡大する場面もあったが、売りが一巡すると建設株を中心に買いが入り下げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価は買い戻しや押し目買いが入ったことに加え、為替が円安に振れたことも後押しして下げ幅を縮小し、前週末比175円88銭安の33,288円29銭で取引を終えた。
5日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウが上昇したことに加え円安進行により反発。
後場の日経平均株価は日経225先物が上昇したことから銀行株や自動車株を中心に買われたものの、この日発表の米雇用統計を前に様子見ムードとなると伸び悩み、前日比89円13銭高の33,377円42銭と小反発して取引を終えた。
NYダウは上値の重い展開に
2024年1月8日~1月13日の週のNYダウは、上値の重い展開になりそうだ。
その理由として、FRBによる早期利下げ期待が後退したことが挙げられる。
先日のFOMC後に行われたパウエルFRB議長の会見から、市場では2024年の早い段階での利下げが予想されていたが、3日(水)に公表されたFOMC議事要旨では、参加者が早期利下げに慎重な姿勢を示していたことが判明。
「我々の見通しには異常に高い不確実性がある」とし、経済状況次第では追加利上げを行う可能性を示唆した。
また、政策金利を据え置く期間についても、数人の参加者が「現在の想定より長くなることが正当化されるかもしれない」との見方を示したことも明らかになった。
FOMC議事録の内容は、2024年3月にも利下げが行われるとの見方が大勢を占めていた市場に対し、冷や水を浴びせるものとなったといえよう。
それに加え、3日(水)にはリッチモンド連銀のバーキン総裁が、ノースカロライナ州の商工会議所で行った講演の中で、利上げの効果が予想以上に高かったり、想定以上にインフレが収束しなかったり等、ソフトランディング実現を妨げるリスクがあり、追加利上げの選択肢は依然としてあると発言したことも、早期利下げに対する期待感を後退させた。
以上のことから、市場では早期利下げに対する期待感が急速にしぼみ、2024年1月4日時点におけるCMEのFedwatchは、3月のFOMCで0.25ppt利下げするとの見方が62%程度まで低下している(2023年12月29日時点では、73%程度だった)。
ただ、5日(金)に発表された米雇用統計の結果が事前予想を上回った(12月非農業部門雇用者数変化…事前予想:前月比+17.0万人、結果:同+21.6万人/失業率…事前予想:3.8%、結果:3.7%)一方で、過去2か月で合計7.1万人下方修正され、労働参加率も0.3%減少したことが材料視され、見た目よりも弱いとの見方が広がったことから、この日のNYダウは途中まで強含みで推移した。
また、同日に発表された米12月ISM非製造業景況指数が、事前予想の52.6を下回る50.6と5月以来最低となったことに加え、雇用の指数は2020年7月以来となる43.3と低水準になり、景気拡大・後退の分岐点である50を割り込んだことも、早期利上げに対する市場の期待感を高めることとなった。
ただ、その後のNYダウは上げ幅を縮小してマイナス圏に沈むなど不安定に推移したことから、経済指標の結果が弱いものになった場合でも、NYダウは上昇の勢いが弱いことが窺える。
2024年1月8日~1月13日の週にポイントとなるのは、11日(月)発表の12月米消費者物価指数であろう。
この結果が弱いものとなった場合には、早期利上げの可能性が高まったとして、NYダウの上昇要因になると考えられるため、注意したい。
日経平均株価は底堅く推移か
2024年1月8日~1月13日の週の日経平均株価は、底堅く推移しそうだ。
既述したとおり、NYダウなど米株価指数は米経済指標の結果を受けて一喜一憂する展開に再びなっている。
特に11日(月)発表の12月米消費者物価指数には注目が集まると予想されるが、仮に早期利上げ観測が後退する強い結果となった場合でも、円安が下支えすると考えられるため、日経平均株価にとっては好材料になるだろう。
下落した場合も円安が下支えし、下値の堅い展開になると考えられる。
今週の推奨セクター
2024年1月8日~1月13日の週に推奨したいのは、オンライン証券である。
2024年1月からスタートした新NISAは、制度の恒久化や非課税投資期間の無期限化が実施されることになる。
年間投資上限が旧制度の一般NISAの120万円から240万円に引き上げられ、一般NISAとつみたてNISAの併用が可能になり、つみたてNISAの年間上限も120万円に引き上げられる。
以前の一般NISAで設定されていた5年間の非課税保有期間も撤廃され、生涯にわたり非課税限度額1,800万円が設定されるなど、格段に魅力が増したことから残高の増加が見込まれる。
現状NISA口座数の半数以上をオンライン証券が占めることから、NISAがオンライン証券へ与えるポジティブな影響に期待でき、NISA口座を新規開設したい層の取込みや既存顧客の残高の積み増しに期待できるため、追い風になるだろう。
今週の非推奨セクター
避けたいのはゲームである。
11月の日米の家庭用ゲーム市場が2桁減となったことに加え、世界最大規模のゲームアワード「The Game Awards2023」が米国で開催され、新作タイトルの発表等が行われた。
複数の日本のゲーム会社が新作タイトルを発表したことからいったん材料出尽くしとなるため、避けたほうが良さそうだ。
今週の経済指標
なお、2024年1月8日~1月13日の週は、11日(月)発表の12月米消費者物価指数のほかに、12日(火)に12月米卸売物価指数の発表がある。
弱い結果であれば、早期利下げの可能性が高まったとしてNYダウの上昇要因になり、反対に強い結果の場合には、早期利上げ観測の後退によってNYダウの下落要因になると考えられるため、結果に注意が必要だ。
また、日本は8日(月)が成人の日のため、休場であることにも留意したい。