知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年2月5日~2月10日)
2024年2月5日~2月10日の週のNYダウは神経質な展開となりそうだ。
一方、日経平均株価は企業決算の結果に左右されやすい展開になると考えられる。
先週の振り返り
2024年1月29日~2月3日の日経平均株価は1日(木)のみ下落したが、ほかは全て上昇したため、堅調だった。
29日(月)は、前週末のNYダウが上昇した一方でナスダック総合指数が下落したことから、日経平均株価は前週末の終値水準でスタートした後、円安を追い風に36,000円台を回復した。
後場の日経平均株価は幅広い銘柄が上昇して36,000円台でもみ合い、前日比275円87銭高の36,026円94銭で取引を終えた。
30日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことから買い優勢でスタートしたが、円高や香港株の下落を受けて上値の重い展開に。
後場の日経平均株価は米FOMCを前に小動きとなり、前日比38円92銭高の36,065円86銭と小幅続伸して取引を終えた。
31日(水)は、前日のNYダウが上昇した一方でナスダック総合指数が下落したことから、日経平均株価はハイテク関連株の下落を受けて軟調に推移したが、銀行株の上昇が下支えして底堅い展開となった。
後場の日経平均株価は円安を追い風に下げ幅を縮小すると、押し目買いが入ったことからプラス圏に転じ、前日比220円85銭高の36,286円71銭と続伸して取引を終えた。
1日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の下落を受けて売り優勢となるともみ合いに。
後場の日経平均株価はファーストリテイリングの下落が重しとなり、前日比275円25銭安の36,011円46銭で取引を終えた。
2日(金)の日経平均株価は、NYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢となると、上げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は、この日発表の米雇用統計を前に様子見ムードが広がったことに加え、利益確定売りにより上値が抑えられ、前日比146円56銭高の36,158円02銭で取引を終えた。
NYダウは神経質な展開が続くか
2024年2月5日~2月10日の週のNYダウは神経質な展開が続きそうだ。
その理由として、1月30日(火)と31日(水)に開催された米FOMCと2日(金)発表の米雇用統計が挙げられる。
30日(火)と31日(水)に開催された米FOMCでは、事前予想どおり金利の据え置きが発表され、声明には「インフレ率が持続的に目標の2%に向かっていると確信が深まるまで利下げは適切ではない」との文言が盛り込まれた。
また、31日(水)に行われた記者会見において、パウエルFRB議長は3月のFOMCで利下げを行う可能性は高くないと発言し、市場が期待する早期利下げをけん制した。
FRBの声明やパウエルFRB議長の発言を受け、市場ではFRBの年内利下げ幅について、2024年末までに6回という従来の見通しを5回に引き下げた。
3月利下げに対する市場の期待は後退し、CMEのFedWatchによれば、1月26日(金)時点で3月に0.25ptの利下げを行うとの予想が46%ほどとなっていたが、1日(木)には38%まで低下している。
さらに、2日(金)に発表された1月米雇用統計が事前予想を上回る強い結果となったことも、早期利下げ観測を後退させる要因になった。
1月の非農業部門雇用者数変化は、事前予想が前月比18.0万人と12月の21.6万人から減少する見通しだったが、結果は同35.3万人と大幅に上振れたうえ、12月も前月比21.6万人から33.3万人に上方修正された。
また、失業率も前月と同様に3.7%と低水準となり、賃金の伸びも加速している。
高金利のもとで労働市場のひっ迫が緩和されるとの当初の見通しとは裏腹に、賃労働市場の勢いが増していることが窺える結果といえよう。
米雇用統計の内容を受けて、市場では早期利下げが遠のいたとの見方が強まったことからNYダウは軟調に推移したが、その後は持ち直した。
2024年2月5日~2月10日の週は5日(月)に1月米ISM非製造業景況指数の発表があるが、結果が強いものとなった時にはNYダウなど米株価指数を押し下げる要因になると考えられるため、注意が必要だ。
さらに、FRB関係者の利下げに関する発言にも引き続き注意したい。
タカ派的発言があった場合には米株価指数の押下げ要因になり、ハト派的発言があった場合には押し上げ要因になるだろう。
加えて、2024年2月5日~2月10日の週も多くの米企業の決算発表があり、注目度の高い企業の決算が米株価指数の動向に影響を与えると考えられるため、注意が必要だ。
日経平均株価は企業決算の影響を受けやすい
2024年2月5日~2月10日の週の日経平均株価は、米FOMCや米雇用統計を通過したことから材料難となり、企業決算の影響を受けると考えられる。
2024年2月5日~2月10日の週は、5日(月)に三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)や伊藤忠(8001)、住友商事(8053)、日本郵船(9101)、6日(火)にトヨタ自動車(7203)、三菱商事(8058)、任天堂(7974)、7日(水)にソフトバンク(9434)、8日(木)にソフトバンクグループ(9984)、9日(金)に東京エレクトロン(8035)というように、注目度の高い企業の決算が目白押しだ。
これらの結果に日経平均株価の動向が左右されやすいと考えられるため、各社の決算内容には注意したい。
今週の推奨セクター
2024年2月5日~2月10日の週に推奨したいのは、小売りの中でもスポーツ関連である。
健康が意識されていることに加え、新興国の所得水準の向上や中国の国策としてのスポーツ支援により、市場の拡大が続いてきた。
レジャー関連の消費も復調傾向にあり、スポーツにもその影響が波及すると考えられるため、スポーツ関連の小売りの中でも特に海外売上比率の高いところは恩恵を受けやすいだろう
今週の非推奨セクター
避けたいのは、非鉄の中でも光ファイバー関連を手掛けているところである。
米国の光インフラ整備の調整や中国市場の不調に加え、中国やインドメーカーの安値攻勢により市場が冷え込む可能性が考えられるため、避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、2024年2月5日~2月10日の週は、5日(月)の1月米ISM非製造業景況指数のほかに、5日(月)に1月米サービス業PMI(改定値)、1月米総合PMI、7日(水)に12月米貿易収支の発表がある。
これらの結果に注意が必要だ。