知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年3月11日~3月16日)
2024年3月11日~3月16日の週は、NYダウ、日経平均ともに神経質な展開になりそうだ。
先週の振り返り
2024年3月4日~3月9日の週の日経平均株価は、週のはじめに上昇して40,000円台に乗せたが、その後は円高が進行したことで軟調に推移した。
4日(月)は、前週末のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことから、日経平均株価は買い優勢となり、史上初の40,000円台に乗せる展開に。
後場の日経平均株価は上げ幅を縮める展開となり、前営業日比198円41銭高の40,109円23銭で取引を終えた。
5日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したことを受けて売り優勢となったが、その後はもみ合いとなった。
後場の日経平均株価は、プラス圏に浮上する場面もあったが、前日比11円60銭安の40,097円63銭で取引を終えた。
6日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の下落を受けて売られる展開となったが、売りが一巡すると下げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価は小幅安となったが、買い戻しが一服すると小幅高となり、前日比6円85銭安の40,090円78銭で取引を終えた。
7日(木)6日の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢となったが、円高進行やSQ算出前の先物市場での売りによりマイナス圏に沈んだ。
後場の日経平均株価は、日銀のマイナス金利解除への思惑から利益確定売りが続き、前日比492円07銭安の39,598円71銭と3日続落して取引を終えた。
8日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことから買い優勢となった。
後場の日経平均株価は4万円まで接近する場面もあったが、伸び悩むと、前日比90円23銭高の39,688円94銭と小反発して取引を終えた。
NYダウは米経済指標の動向に左右されやすく神経質な展開に
2024年3月11日~3月16日の週のNYダウは、引き続き米経済指標の動向に左右されやすく、神経質な展開になるだろう。
その理由として、6日(水)に行われたパウエルFRB議長による米下院での議会証言が挙げられる。
パウエルFRB議長は議会証言で、インフレ率に下押し圧力がかかり、政策金利はピークに達しているとの見方を示し、それを踏まえたうえで、「年内いずれかの時点で利下げを開始することが適切になるだろう」と述べた。
一方で、利下げの時期については「もう少しデータを見極めたい」として、これまでどおり具体的な時期については言及しなかった。
翌7日(木)に行われた上院での議会証言においても、「インフレ率が目標とする2%に向かっていると確信が得られるまで、そう遠くない」と発言。
あらためて従来どおりのスタンスが確認されたといえよう。
パウエルFRB議長の発言は、概ね市場の予想どおりで特段の驚きはなかった。
しかし、利下げの時期が大幅に遅れる可能性が後退したことから、この日のNYダウは上昇し、ドル円については円高ドル安が進行した。
また、パウエルFRB議長の議会証言を受けて、8日(金)発表の2月米雇用統計の結果に市場の注目が集まることとなった。
なぜなら、非農業部門雇用者数や平均時給の伸びが鈍化した場合には、早期利下げの可能性が高まるためである。
なお、2月米雇用統計の結果は、非農業部門雇用者数が前月比+27.5万人(事前予想:同+20万人)、失業率が3.9%(事前予想:3.7%)となった。
非農業部門雇用者数は事前予想を上回ったが、失業率は事前予想や前月よりも悪化。
さらに、平均時給も前月比+0.1%(事前予想:+0.3%)、前年同月比+4.3%(事前予想:4.4%)と、事前予想を下回る結果となっている。
全体的に弱い結果となったことから、市場では6月の利下げの可能性が高まったとの見方が強まり、この日のNYダウは雇用統計の発表後に上昇した。
一方、ドル円は一時146円台まで円高が急伸する場面もあった。
2024年3月11日~3月16日の週は、12日(火)に発表の2月米消費者物価指数が焦点となるだろう。
今回の米雇用統計と同様に弱い結果となった場合には、6月利下げの見通しが強まったとしてNYダウには上昇圧力がかかると考えられるが、反対に、強い結果となった場合にはNYダウは急落する可能性があるため、注意が必要だ。
ほかに、14日(木)の2月米小売売上高にも注意したい。
日経平均株価も神経質な展開に
2024年3月11日~3月16日の週の日経平均株価は、翌週に日銀金融政策決定会合や米FOMCが予定されているため、NYダウと同様に神経質な展開が予想される。
3月中のマイナス金利解除観測が足元で浮上していることから、日銀に関するニュースに日経平均株価が大きく反応する可能性があるため、注意が必要だ。
今週の推奨セクター
2024年3月11日~3月16日の週に推奨したいのは、食品の中でも食肉の加工を行うところである。
中国での需要の弱さや米国での生産量が予想ほど低下していないことから、海外の牛肉相場の上昇が穏やかなものになる可能性がある。
また、豚肉や鶏肉も安価であるため、これら食肉を加工する食品企業にとってはコスト上昇が抑制され、メリットになるだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは金融の中でも地銀である。
3月中のマイナス金利解除観測が浮上する一方、ゼロ金利になった後の政策金利の引き上げは難しいとの見方が根強い。
地銀の業績は概ね堅調であるが、上記理由から材料出尽くしとなり資金が流入しにくいと考えられるため、避けたほうがいいだろう。
今週の経済指標
なお、2024年3月11日~3月16日の週は、12日(火)の2月米消費者物価指数、14日(木)の2月米小売売上高のほかに、14日(木)に2月米卸売物価指数、15日(金)に3月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、2月米鉱工業生産、3月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表が予定されている。
また、11日(月)には日本の10-12月期四半期GDPの発表も予定されている。
これらの結果にも注意したい。