知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年3月24日~3月30日)
2024年3月25日~3月30日の週のNYダウおよび日経平均株価は概ね堅調に推移すると考えられる。
先週の振り返り
2024年3月18日~3月23日の週の日経平均株価は堅調に推移し、4万円台を回復するなど大幅続伸した。
18日(月)は、前週末のNYダウやナスダック総合指数が下落した一方、日経平均株価は、日銀金融政策決定会合でマイナス金利の解除が発表されるとの観測から買い優勢となり、上げ幅を拡大。
後場の日経平均株価は39,600円を挟んでもみ合いとなり、前週末比1,032円80銭高の39,740円44銭と大幅反発して取引を終えた。
19日(火)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が上昇したのとは裏腹に、日経平均株価は売り優勢で取引を開始するともみ合いに。
後場の日経平均株価は狭いレンジでのもみ合いが続いたが、前日比263円16銭高の40,003円60銭と4万円台を回復して取引を終えた。
20日(水)の東京株式市場は春分の日のため休場だった。
21日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇した流れを引き継ぎ、買い優勢となった。
後場の日経平均株価はじり高となり、前営業日比812円06銭高の40,815円66銭と大幅に3営業日続伸して取引を終えた。
22日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢となると、41,000円台に乗せる場面もあったが、その後は上げ幅を縮小。
後場の日経平均株価は一時値を消したが、押し目買いが入りプラス圏に浮上すると、前日比72円77銭高の40,888円43銭と小幅続伸して取引を終えた。
今週のNYダウは?
2024年3月25日~3月30日の週のNYダウは、概ね堅調に推移しそうだ。
その理由として、19日(火)と20日(水)に開催された米FOMCが挙げられる。
今回の米FOMCは金利据え置きになるとの見通しが大勢を占めていたが、12日(火)に発表された2月米消費者物価指数や、14日(木)に発表された2月卸売物価指数が強い結果となったことが懸念され、市場参加者の一部は利下げ開始時期の後ずれや利下げ回数の減少を予想していた。
そのため、6月利下げ開始、年3回利下げとの市場観測に沿った結果になるかどうかに注目が集まった。
今回のFOMCは、事前予想どおり5回連続の金利据え置きを決定した。
FOMC後に行われた記者会見でパウエルFRB議長は、5月または6月に利下げを開始するのかとの質問に対し、パウエルFRB議長は2024年内になる可能性が高いと回答。
具体的な時期についての言及は避け、インフレに関してもこれまでどおり慎重な姿勢を示した一方、足元のインフレ指標の上振れを重視しないとの見解を示したことがポジティブサプライズとなった。
また、FOMC参加者による経済・政策金利予測(中央値)は、当初の市場観測と変わらず、年内は1回あたり0.25ptで年3回の利下げを維持。
ただし、年内3回との予想をした参加者10人に対し、年内は2回以下と予想する参加者は9人と見方が割れていることが分かる。
それでも、参加者19人のうち政策金利の年内据え置きを予想したのは2名だけと、大多数の参加者が年内の利下げを予想していることが判明した。
他方で、2025年と2026年はそれぞれ0.25pt上方修正され、長期見通しも0.1pt上方修正された。
市場が警戒していた利下げ回数の引き下げや開始時期の後ずれの可能性が後退したことにより、2024年3月18日~3月23日の週のNYダウは概ね堅調に推移した。
2024年3月25日~3月30日の週のNYダウも引き続き堅調な地合いが続くと考えられるが、発表される米経済指標の結果には注意が必要だ。
強い結果が出た時には、市場には警戒感が広がりやすくなるだろう。
特に、29日(金)の2月米個人消費支出に市場の注目が集まると考えられるため、注意が必要だ。
ほかに、26日(火)に発表される3月米消費者信頼感指数の結果にも注目したい。
今週の日経平均株価は?
2024年3月25日~3月30日の週の日経平均株価は堅調に推移すると考えられる。
18日(月)、19日(火)開催の日銀金融政策決定会合において、事前の観測記事どおりマイナス金利の解除が決定。
長短金利操作の撤廃とETFやREITの買い入れ終了も同時に決定したことから、2024年3月18日~3月23日の週の日経平均株価は銀行株を中心に買われやすい地合いとなった。
2024年3月25日~3月30日の週は、マイナス金利解除に加えて、配当や優待狙いの買いが29日(金)までに入ると考えられるため、下落時も下値は堅いだろう。
今週の推奨セクター
2024年3月25日~3月30日の週に推奨したいのは、広告である。
広告各社の10-12月期決算では、会社計画を上回ったり業績回復がみられたりすることから、国内広告市況が底打ちしてきたことが窺える。
1-3月期もこの傾向が続く可能性があると考えられ、ポジティブである。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは紙・パルプである。
洋紙の内需縮小や段ボール・板紙の需要回復も遅い。
値上げなどの価格改定への取り組みや、エネルギーコストの低下がみられた場合には株価の上昇に期待できるが、現段階ではそのような動きがないため、避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、2024年3月25日~3月30日の週は、26日(火)発表の3月米消費者信頼感指数や、29日(金)発表の2月米個人消費支出のほかに、25日(月)の2月米新築住宅販売件数、26日(火)の2月米耐久財受注、3月米リッチモンド連銀製造業指数、28日(木)の10-12月期米四半期GDP(確定値)、3月米ミシガン大学消費者態度指数(確報値)の発表がある。
これらの結果には注意が必要だ。
また、29日(金)は米国をはじめ欧州や豪州等多くの国でイースターのため、休場になる点に注意したい。