知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年4月1日~4月6日)
2024年4月1日~4月6日の週のNYダウは神経質な展開になりそうだ。
一方、日経平均株価は上値の重い展開になると考えられる。
先週の振り返り
2024年3月25日~3月30日の週の日経平均株価は軟調だった。
25日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウが下落したことを受けて売り優勢となると、日銀の為替介入への警戒感から円高に振れたことも影響し、軟調に推移した。
後場の日経平均株価は安値圏で小動きとなり、前週末比474円31銭安の40,414円12銭と反落して取引を終えた。
26日(火)は、前週末のNYダウやナスダック総合指数が下落した一方、日経平均株価は円安の影響に加えて商いを手控える向きが広がり、方向感に欠ける限界となった。
後場の日経平均株価は、日銀の介入警戒感から為替相場の動きが鈍く、その影響を株式市場も受けたことから小動きとなり、前日比16円09銭安の40,398円03銭と小幅続落して取引を終えた。
27日(水)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が下落した一方で、日経平均株価は円安を好感し、買い優勢となると上げ幅を拡大。
後場の日経平均株価は、円安に加えて配当の権利確保の買いも入ったことで高値でのもみ合いとなり、前日比364円70銭高の40,762円73銭と反発して取引を終えた。
28日(木)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が上昇したのとは裏腹に、日経平均株価は配当落ちなどの影響から売り優勢となると、下げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価はこう着状態となったものの、その後は一時700円超安下落し、前日比594円66銭安の40,168円07銭で取引を終えた。
29日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウが上昇したことを受けて買い優勢で取引を開始すると上げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は、この日の欧米市場がイースターで休場となることからプラス圏で小動きとなり、前日比201円37銭高の40,369円44銭で取引を終えた。
今週のNYダウは?
2024年4月1日~4月6日の週のNYダウは神経質な展開となりそうだ。
その理由として、利下げ時期の後ずれに対する警戒感や米雇用統計の発表が挙げられる。
先日のFOMCの結果を受けて、市場では利下げに対する期待が高まったが、足元では利下げ時期の後ずれに対する警戒感が再び強まっている。
なぜなら、複数のFRB関係者が利下げに慎重な姿勢を改めて示したからだ。
22日(金)にアトランタ連銀のボスティック総裁が、同日に開催されたフォーラムの後に、今年は2回の利下げではなく、1回にとどまるとの見方を示した。
同総裁はインフレ低下のペースが鈍化している可能性を示唆し、物価上昇圧力への懸念から、今年の利下げ幅は当初の予想よりも縮小し、開始時期が後ずれするとの見解を示した。
また、27日(水)に行われたニューヨーク経済クラブでの講演では、FRBのウォラー理事が「利下げを急がない」「利下げの回数を減らすか、先送りすることが適切」「おそらく従前の想定よりも長期にわたり、現在の景気抑制的スタンスで金利を維持することが賢明」などと発言。
以上のとおり、FRB高官が相次いで利下げ時期の後ずれの可能性を示唆したため、6月利下げ開始に対する市場の期待は後退している。
CMEのFedwatchによれば、6月利下げ開始との市場予測は、22日(金)時点で66.7%であったのに対し、28日(木)には55.2%に低下した。
さらに、29日(金)には、パウエルFRB議長が利下げに対し慎重な姿勢を表明したことが判明。
同日、サンフランシスコ連銀で開催されたイベントにパウエルFRB議長が登壇し、インフレ指標が目標の2%に向けて順調に低下していることが確信できるまで、利下げを行うのは適切ではないとの見方を改めて示したうえで、「利下げを急ぐ必要はない」と発言した。
以上のとおり、ボスティック・アトランタ連銀総裁やウォラーFRB理事と同様に、パウエルFRB議長も利下げに慎重な姿勢を示している。
29日(金)はイースターで米国市場は休場であるため、パウエルFRB議長の発言に市場が反応するのは1日(月)になるだろう。
同日に発表された2月米個人消費支出は、前年同月比+2.5%と事前予想どおりの結果となった一方で、FRBがスーパーコアとして注視する住宅・エネルギーを除くPCEサービス上昇率は、同+0.2%と1月の同+0.7%から鈍化したことが判明している。
この結果は6月利下げを期待する市場にとって追い風になるが、パウエルFRB議長をはじめとするFRB高官が利下げに慎重な発言をしていることから、2024年4月1日~4月6日の週のNYダウの上値を抑える可能性があり、注意が必要だ。
また、2024年4月1日~4月6日の週も注目度の高い米経済指標が発表される。
インフレ低下が窺える結果となった場合にはNYダウの上昇要因になるが、高インフレが認められる結果となった場合には、NYダウには強い下押し圧力がかかると考えられるため、注意が必要だ。
特に5日(金)発表の3月米雇用統計の結果に市場の注目が集まると考えられるため、NYダウは神経質な展開になるだろう。
加えて、3日(水)発表の3月米ADP雇用統計は米雇用統計の前哨戦とされているため、結果を注視したい。
今週の日経平均株価は?
2024年4月1日~4月6日の週の日経平均株価は上値の重い展開になりそうだ。
その理由として、5日(金)発表の3月米雇用統計を筆頭に、1日(月)のISM製造業景況指数など注目度の高い米経済指標が発表されることが挙げられる。
また、日銀の為替介入に対する警戒感から、円安に対する反応が鈍くなりそうなことも、日経平均株価の上値を抑えるだろう。
特に5日(金)は、米雇用統計を前にポジション調整の売りが入ると考えられるため、注意が必要だ。
今週の推奨セクター
2024年4月1日~4月6日の週に推奨したいのは、生命保険である。
国内の生命保険は株式運用等の収益が高水準であることに加え、損保の政策株売却加速の影響を受けて、株式売却を進めるところも出てきていることが好感されやすいだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは鉄鋼の中でも高炉メーカーである。
2024年3月期決算内容が思わしくないものになりそうなところが多く、熱延コイルのスプレッド低迷による輸出の収益性悪化や、来期以降の運送費、人件費などコスト上昇が懸念される。
鋼材の値上げが実施されればある程度懸念は払しょくされるが、現状はその予定が無い模様であるため、避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、2024年4月1日~4月6日の週は、1日(月)の3月米ISM製造業景況指数や、3日(水)発表の3月米ADP雇用統計、5日(金)発表の3月米雇用統計のほかに、2日(火)に2月米JOLTS求人件数、3日(水)に3月米サービス業PMI、3月米総合PMI、3月米ISM非製造業景況指数の発表がある。
これらの結果には注意が必要だ。
また、3日(水)には、パウエルFRB議長の発言が予定されていることにも留意したい。
さらに、1日(月)は、1-3月期の日銀短観が発表されるため、こちらの結果にも注意が必要だ。