知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年9月16日~9月21日)
9月2日~9月7日の週のNYダウと日経平均株価は、週の前半は概ね堅調に推移すると考えられるが、後半は米雇用統計を前に方向感の出にくい展開になりやすいと考えられる。
先週の振り返り
8月26日~8月31日の週の日経平均株価は方向感の出にくい状態が続いたが、週の終わりに上昇した。
26日(月)は、前週末のNYダウやナスダック総合指数が上昇したのとは裏腹に、日経平均株価は、パウエルFRB議長の講演での発言を受けた円高進行から売り優勢となった。
後場の日経平均株価は下げ幅を縮小し、前週末比254円05銭安の38,110円22銭で取引を終えた。
27日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウが上昇した一方でナスダック総合指数が下落したため、方向感に乏しい展開となった。
後場の日経平均株価はプラス圏を維持したものの、材料難でもみ合いとなり、前営業日比178円40銭高の38,288円62銭で取引を終えた。
28日(水)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が小幅上昇したものの、日経平均株価は円高が進んだことでやや売り優勢となった。
後場の日経平均株価は弱含みとなったが、引けにかけて大型株や一部の半導体関連株に買いが入ったことで続伸し、前日比83円14銭高の38,371円76銭で取引を終えた。
29日(木)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したことを受けて、日経平均株価は売られる展開となった。
後場の日経平均株価は、徐々に下げ幅を縮小すると一時プラス圏に転換したが、前日比9円23銭安の38,362円53銭で取引を終えた。
30日(金)は、前日のNYダウが上昇した一方、ナスダック総合指数が下落したことから日経平均株価は方向感の乏しい展開になったが、ドル円が円安に振れたため、上昇する展開となった。
後場の日経平均株価は、利益確定売りから上げ幅を縮小し、前日比285円22銭高の38,647円75銭と反発して取引を終えた。
今週のNYダウは?
9月2日~9月7日の週のNYダウは底堅いものの、週の後半になるにつれて様子見ムードになり、方向感に欠ける展開になると考えられる。
市場の注目を集めていた米エヌビディア(NVDA)の2024年5-7月期決算発表が28日(水)に行われ、好調な結果ではあったものの事前予想の最高値を上回らなかったり、各四半期の売上高成長率の鈍化などが悲観視されたりしたため、NYダウにもその影響が及んだものの、一巡したようだ。
したがって、9月2日~9月7日の週については、市場の注目は6日(金)発表の8月米雇用統計に移ると考えられる。
23日(金)に、パウエルFRB議長がジャクソンホール会議で利下げ軌道を明らかにしたことから、9月開催のFOMCで利下げが行われるとの見通しが強まっている。
そのため、6日(金)発表の8月米雇用統計の結果が、米国経済の底堅さを確認できるものか否か、という点が注目されそうだ。
足下の米経済指標の結果が概ね堅調であるため、現状、米国の景気後退に対する市場の警戒感は後退している。
もしも、今回発表の8月米雇用統計の結果が底堅いものであれば、NYダウは上値を追う展開になりそうだ。
反対に、8月米雇用統計が悪化した場合には、市場では米国の景気後退に対する警戒感が強まるだろう。
なお、9月2日~9月7日の週は、米雇用統計のほかに、4日(水)に7月米JOLTS求人件数、5日(木)に8月米ADP雇用統計の発表がある。
8月米雇用統計の結果を推し量るうえで、これらの結果にも注目が集まると考えられるため、注意が必要だ。
これらの結果が良好なものであれば、NYダウは堅調に推移すると考えられるが、冴えないものとなれば下落すると考えられる。
なお、2日(月)は、米国がレイバー・デーで祝日となるため、米国市場が休場になることに留意したい。
今週の日経平均株価は?
9月2日~9月7日の週の日経平均株価は、週の前半は概ね堅調に推移すると考えられる。
前述したとおり、28日(水)に発表された米エヌビディアの2024年5-7月期決算は、好調だったものの、一部で翳りがみえる内容であったことから大幅下落した。
日本の半導体銘柄もその影響で下落し、日経平均株価の下押し要因となったが、30日(金)の日経平均株価が堅調に推移したことから、すでに本件による市場の混乱は収束したものと考えられる。
したがって9月2日~9月7日の週は、週の前半は概ね堅調に推移すると考えられるが、週後半になるに従い、8月米雇用統計の結果を前に様子見ムードになりやすく、方向感が出にくい状態になりそうだ。
なお、円高が進行した場合には、日経平均株価は軟調になると考えられるため、為替動向には注意したい。
今週の推奨セクター
9月2日~9月7日の週に推奨したいのは、半導体や半導体製造装置関連である。
TSMCの最先端の稼働率は高水準が維持されていることから、半導体業界の設備投資も堅調であると考えられる。
AI各社が今後毎年新製品をリリースすることが予想されることから、最先端の生産能力が拡大されるとみられ、半導体や半導体関連装置にとってはポジティブといえるだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは食品の中でもビールの販売割合が高いところである。
猛暑にもかかわらず、7月のビール類の販売量は軟調である。
また、これらのメーカーの中には清涼飲料水を手掛けているところもあるが、猛暑でも前年並みになっているため、印象としては弱い。
そのため、避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、9月2日~9月7日の週は、4日(水)の7月米JOLTS求人件数、5日(木)の8月米ADP雇用統計、6日(金)の8月米雇用統計のほかに、3日(火)に8月米製造業PMI、8月米ISM製造業景況指数、4日(水)に米地区連銀経済報告(ベージュブック)、5日(木)に8月米サービス業PMI、8月米総合PMI、8月米ISM非製造業景況指数の発表がある。
これらの結果や内容に注意が必要だ。