知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2025年6月23日~6月28日)
相場見通し(2025年6月23日~6月28)
6月23日~6月28日の週のNYダウは不安定な展開になりそうだ。
日経平均株価は、方向感のない展開になると考えられる。
先週の振り返り
6月16日~2025年6月21日の週の日経平均株価は堅調に推移した。
16日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウやナスダック総合指数の下落とは裏腹に、円安やG7サミット開催中の貿易合意への期待感の高まりから買い優勢となったが、一巡後は上値の重い展開となった。
後場の日経平均株価は、中東情勢に対する楽観的な見方から、500円超上昇する場面もあるなど上げ幅を拡大したが、前週末比477円08銭高の38,311円33銭と反発して取引を終えた。
17日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことを受けて、買いが先行すると堅調に推移した。
後場の日経平均株価は、円安が後押しして高値でのもみ合いが続き、前日比225円41銭高の38,536円74銭と続伸して取引を終えた。
18日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したことから反落してスタートすると、プラス圏に浮上し、買い優勢となった。
後場の日経平均株価は300円超高となるなどもみ合いが続き、前日比348円41銭高の38,885円15銭で取引を終えた。
19日(木)は、前日のNYダウが下落し、ナスダック総合指数が上昇したが、日経平均株価は売り優勢でスタートすると軟調に推移した。
後場の日経平均株価は材料難から小動きとなり、前日比396円81銭安の38,488円34銭で取引を終えた。
20日(金)の日経平均株価は、前日の米国市場が休場だったことから手掛かり材料難となり、小幅続落して取引を開始すると軟調に推移した。
後場の日経平均株価は様子見ムードからこう着状態となり、前日比85円11銭安の38,403円23銭と小幅続落して取引を終えた。
今週のNYダウは?
6月23日~2025年6月28日の週のNYダウは、不安定な展開が続きそうだ。
1つに、今回開催された米FOMCが挙げられる。
17日(火)と18日(水)に開催された米FOMCでは、FRBが年内利下げ2回との見通しを維持し、年内の利下げ予想の中央値は3月と同様に2回となったが、年内の利下げが2回との見方を示すメンバーは8人で、3月から1人減った。
年内の利下げは不要との見方を示したのは7人と、前回3月の4人から増加して参加者の3分の1を超え、2人は今回年内1回の利下げを予想した。
また、FOMCメンバーの経済見通しは、2025年10-12月期米実質GDP(国内総生産)が前年同期比+1.4%と、3月時点の見通し(同+1.7%)から下方修正。
一方、2025年10-12月期の米個人消費支出(PCE)指数のコア指数(変動の大きいエネルギーと食品を除く物価指数)は3.0%と、3月時点の見通し(2.7%)から上方修正されて、FRBのインフレ目標である2%を大幅に上回るとの予想をしている。
このことから、FRBは景気減速と物価高の同時進行リスクの再燃を警戒していることがうかがえ、表向き年内2回の見方を保っているが、実際のところは年内2回の利下げはもとより、利下げ自体が困難と考えているのではないか、との見方が広がっている。
このことが、6月23日~2025年6月28日の週のNYダウの重しになると考えられる。
加えて、中東情勢の動向がNYダウやナスダック総合指数を不安定化させそうだ。
19日(木)にトランプ米大統領が、今後2週間以内に米国がイランとイスラエルの紛争に介入するかどうかを決めると発表。
イランへの軍事介入の準備をしつつ、核開発の放棄に向けた交渉を進めるとみられているが、米ホワイトハウスの報道官によれば、イランの対応次第では攻撃も辞さないとしている。
米国による介入の程度や内容などの詳細は不明であるため、今後の報道を待つ必要があるが、とりわけ、ホルムズ海峡をイランが封鎖するかどうかには注意したい。
世界の原油貿易の4分の1ほどが通過する要衝であり、世界経済に大きな影響を与えることは避けられない。
原油価格はもちろんのこと、NYダウやナスダック総合指数にも大きな影響を与えると考えられるため、動向に注意が必要だ。
なお、6月23日~2025年6月28日の週は、24日(火)にパウエルFRB議長が米下院金融サービス委員会で半期に1度の議会証言を行うため、その内容に市場の注目が集まるだろう。
また、26日(木)には米国の1-3月期四半期GDP(確定値)、27日(金)には米国の5月個人消費支出の発表が予定されているため、結果に注意を払う必要がある。
今週の日経平均株価は?
6月23日~2025年6月28日の週の日経平均株価は、中東リスクが高まる中での有事のドル買いに伴う円安が後押しする一方で、中東リスクが懸念されるため、方向感のない展開になりそうだ。
ただし、中東情勢次第では、日経平均株価に強い下押し圧力がかかる可能性を考慮する必要がある。
先述したホルムズ海峡の封鎖に関する報道にはとりわけ注意が必要で、日本へ向かう原油を載せたタンカーの8割が通過するため、日経平均株価が急落する可能性があることに注意したい。
今週の推奨セクター
2025年6月23日~2025年6月28日の週に推奨したいのは、医薬品の中でも米国の薬価引き下げやトランプ米政権による関税の影響が比較的軽微なものである。
トランプ米政権が医薬品に対する関税について就任後に何度も言及しているため、米国の売上比率が比較的低いところが選好されると考えられる。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、紙・パルプである
5月前半には、4月以降の米国関税政策で様子見姿勢が強かった中国の需要家が交渉を再開するとの期待が広がり、パルプ市況は底打ちするとの見方がされていた。
しかし、パルプ市況の主要指標である中国のパルプ輸入価格は、5月末の時点で針葉樹が720ドル/t、広葉樹が505ドル/tと値下がりした。
経済の先行きが不透明であるため、パルプ市況の底打ちがいつになるか現状では見通しが立たず、また、例年は夏季が不需要期に入ることを踏まえると、パルプ市況は厳しい状況が継続するとみられるため、避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
6月23日~2025年6月28日の週は、24日(火)のパウエルFRB議長の議会証言、26日(木)の1-3月期米四半期GDP(確定値)、27日(金)には5月米個人消費支出のほかに、23日(月)に5月米製造業PMI、5月米サービス業PMI、5月米総合PMI、24日に(火)6月米リッチモンド連銀製造業指数、6月米消費者信頼感指数、26日に(木)5月米耐久財受注、27日(金)に6月米ミシガン大学消費者態度指数の発表があるため、これらの結果に注意が必要だ。