ハイイールド債やハイイールドボンドなどの名前の投資信託がよく見受けられますが、カタカタだと「ハイ」という文字がなんか眩しく光り、儲かりそうな感じを醸し出して、人気の高い商品となっています。
そんなハイイールド債を詳しく解説します。
ハイイールド債の英訳は?
英語名はHigh yield bond。直訳すると高利債券です。
ハイイールド債の別名がある
ハイイールド債は、「投資不適格債」「ジャンク債」とも呼ばれています。
え?投資不適格債って驚かれた方は、よもやハイイールド債を購入していないでしょうね。
ハイイールド債が「投資不適格債」「ジャンク債」となぜ呼ばれるのか?
そもそも債券の金利がどうやってきまるのかというと、発行時の金利情勢にも左右されますが、債券の発行母体の格付けによって決まります。
債券の発行母体の格付けというのは、かみ砕いて説明すると、発行母体が債券の償還日までに、お金を返してくれるかどうかという信用力があるかないかという物差しです。
信用力がある会社などが社債を発行した場合は、みんな安心して資金を預けるので人気もあり、金利は下がりますが、信用力が無いな貴社が社債が発行した場合は、疑心暗鬼になることから、それなりの金利を出さないと資金は集まりません。
よって、高利の債券ということは、発行母体の格付けが低いということになります。
発行母体の格付けが低いということは、元本償還や利払い不能のリスクが高いということで、投資家から資金を集めるには否応なく金利を高く設定する必要があるため高利の債券になります。
格付会社などによる格付けが投資不適格以下とされるレベルがあり、そのような債券を「投資不適格債」や「ジャンク債」と呼びます。
ハイイールド債は、一般的に投資不適格の債券ですので、「投資不適格債」であり、「ジャンク債」です。
ハイイールド債に投資してもデフォルト(破たん)しなければ良いじゃないの?
ハイイールド債に投資してもデフォルトしなければ、高い金利を得ることができます。
現時点では景気回復期待もあり、デフォルトリスクは低減していますが、景気悪化となった場合は、格付けが投資不適格とされる商品から一斉に資金が流出されますので、デフォルトする確率は相当高まります。
さらに、金融危機などの経済危機が生じた場合は、実際にデフォルトしていきます。
要するにハイイールド債に投資するということは、ハイリスク・ハイリターンの投資となります。
個人的には、ハイイールド債への投資は、債券投資と考えないほうが良いと思います。
「ジャンク債」や「投資不適格債」などの名前だったら商品は売れない
このようにハイイールド債の特性を十分に理解して購入しているならば、自己責任ですのでなんら問題ありませんが、名前だけや金融機関の窓口ですすめられたからと投資信託を買っている方も少なからず見受けられます。
この「ハイイールド債」が「ジャンク債」や「投資不適格債」などの名前だったら、たぶん購入する方は少ないと想定されますので、セルサイドのネーミングセンスはさすがと言えます。
両親や親せきなど身近な方に、毎月分配型の投資信託としてハイイールド債に投資しているなら、ちゃんと理解しているかどうか確認するのも大切ですが、自分に興味がなければあまり聞いてくれないと思います。
いっそのこと、「ハイイールド債ってジャンク債や投資不適格債って呼ばれてるの知ってる?ハイイールド債を投資対象にしている毎月分配型の投資信託ってよくあるんだよね。」などと話せば、投資していれば顔色が変わって、「それよく教えてくれよ。」というかもしれませんし、その方が効果が高そうです。
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