マネックス証券が2014年10月14日からスパークス・日本株式スチュワードシップ・ファンドの当初募集を開始しました。
このファンドは、日本株ファンドとは一線を画す革新的ファンドであると派手な宣伝文句をかかげております。
日本初の「対話型投資」ファンド ~ノーロードで募集スタート!(2014年10月14日)/マネックス証券
とりあえず、スパークス・日本株式スチュワードシップ・ファンドの詳細を確認してみましょう。
スパークス・日本株式スチュワードシップ・ファンドの詳細
- 運用会社:スパークス・アセット・マネジメント株式会社
- 受託会社:三菱UFJ信託銀行株式会社
- 設定日:2014年12月2日
- 償還日:2024年10月15日
- 決算日:毎年10月15日
- 換金制限:2016年11月30にまでは、換金申し込み不可
- 申込手数料率(税込):0%(マネックス証券の場合)
- 解約手数料率(税込):0%
- 信託財産留保額:約定日の基準価額に0.3%を乗じた額
- 信託報酬率(税込):純資産総額に対して 1.836%+実質報酬
- 実質報酬:基準価額がハイ・ウォーター・マークを上回った場合、当該基準価額と当該ハイ・ウォーター・マークの差額の21.6%(税ぬき20%)を費用計上する
何が革新的かというと対話を通じた企業価値の向上だそうです
ファンドが市場価格が割安と判断した企業で、対話と通じて企業価値を向上できるかどうか判断して、その企業に投資したうえで、投資先企業に対して、企業価値向上に資する施策を提言していき、企業価値の向上に努めるということが革新的だそうです。
いわゆる村上ファンドとどう違うのか?
購入する前に経営者と面談はするようですが、購入したあとに、実は、にっちもさっちもいかないボロボロ状態の場合はどうするんでしょうかね。
そのあたりは、優秀なスパーク・アセット・マネジメント社のことですので、ヘッジはかけてらっしゃることでしょう。
スキームだけ見ると、買ったあとに、いろいろ物言いって株価を上げるハゲタカファンドや村上ファンドなどと同類かなと思いましたが、そもそも1ファンドでどれだけ株式を買い集められるかは疑問もあります。
つまり、発行株式数に対して数%程度の保有ならば、提言しても無視されるのがオチという悲しき日本風土というものがございますので、そのあたりをどうやって打破するのかが腕の見せどころといったところでしょう。
最悪、ある程度のファンドの規模が無い状態において、有効な提言しても採用されないというジレンマに陥る可能性があるということですね。
また、村上ファンドは売り抜けが上手(無論、失敗も何度もしていますが)でしたが、このファンドは売り抜けは大丈夫でしょうか?
スパークス・日本株式スチュワードシップ・ファンド 販売用資料(PDF)
成功報酬も高いが、クローズド期間の設定があるのが難点
このファンドはアクティブファンドといわれる類で、信託報酬が高いうえに、成功報酬も設定されております。
妥当な線と見るかどうかは、購入される方々がお考えになれば良いでしょう。
アクティブファンドにおいて評判の高いひふみ投信の信託報酬は1.0584%(税込)ですので、比べてみると高い設定となっております。
さらに、難点は、クローズド期間と呼ばれる換金制限があることです。
クローズド期間に経済情勢の悪化が目に見えたりしたときや、どうしても私的に資金が必要となった場合でも換金できないのは、投資信託のメリット
ある換金のし易さを放棄しております。
スパーク・アセット・マネジメント社に夢を託すことができる方は買えばよいでしょうし、そうで無い方は買うべきではないでしょう。