知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
皆さん投資検討する時の参考にしてください。
とりあえず試しに今月末まで配信してもらうことを考えていますが、反響次第でさらに延長も検討します。感想などをお教えいただければ、ありがたいです。
なお、当ブログに寄稿を希望されるブロガーさんがいらっしゃいましたら、こちらからご連絡くださいませ。
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今週の相場見通し(2020年1月27日~2020年1月31日)について
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
株式相場について
2020年1月27日~2020年1月31日の週の株式相場は、中国で発生した新型肺炎の感染拡大が、引き続き注視されると考えられる。
中国では30日まで春節の休みが続くが、今後の感染拡大が懸念されている。
また、新型肺炎に感染した患者が日本に入国する恐れもあり、来週も本材料が市場では材料視されるだろう。
1月20日の週は、12月の米住宅着工件数が13年ぶりの高水準となったことを受けたNYダウの上昇により、前半はリスクオンムードに。
ドル円も円安が進み1ドル110円台を回復したが、中国で発生した新型肺炎の感染拡大に加え、米国内でも新型肺炎の感染者が見つかったことから、市場では一転して投資家のリスク回避姿勢が強まった。
去る1月17日に中国の2019年GDPが発表され、6.1%と1990年以来となる低水準になった。
米中貿易摩擦の激化が主因になったと考えられるが、これまで同国の経済成長を支え、今後も成長をけん引するとみられる第三次産業の伸びが鈍化していることが、不安材料になっている。
そんな中で発生した新型肺炎は、中国を中心にアジア圏での感染が拡大しており、中国経済の新たなリスクになり得るとして、不安視されているのだ。
感染拡大により、中国経済を支える消費にも影響が出ると考えられ、交通や娯楽などの面での消費が鈍化する可能性がある。
また、先日、米中貿易協議の第一段階の合意文書への署名が行われた。
しかし、今回の署名により、米国による対中制裁関税の全てが撤廃されたわけではなく、中国の成長ペースを押し上げるものにはならない。
そんな中で起きた新型肺炎による混乱が、中国の経済成長を下支えしてきた同国の消費を低迷させると考えられているのだ。
なぜなら、新型肺炎の感染が最初に確認された武漢や近隣の都市に加え、北京などの主要都市で、旅行や集会などへの規制が行われており、大規模な縁日等、春節関連行事が続々と中止に追い込まれているからである。
上海のディズニーランドも、新型肺炎の感染拡大防止のため、25日からの閉園を決めるなど、新型肺炎の感染拡大とそれに伴う関連行事の中止や商業施設等の閉鎖により、毎年消費が拡大する春節の時期の消費低迷が懸念されている。
春節が終わった後もこの混乱は続く可能性があり、中国の経済成長や景気を押し下げる可能性があることに留意したい。
なお、1月24日の日経平均株価は、前日のNYダウが下げ幅を縮めたことから、序盤は買い戻し優勢に。
来週からの決算発表を前に、好業績が期待される銘柄への買いも入ったが、週末前ということもあって、買いポジションを解消する動きもあり、もみ合いが続いた。
そのため、日経平均株価は前日比31円74銭高の23,827円18銭と小反発して取引を終えた。
不動産、空運、陸運が強く、保険、証券・商品先物取引、海運が軟化した。
また、同日のNYダウは、序盤こそ好決算の銘柄に買いが入ったものの、米国内で2人目となる新型肺炎の感染者が発表されたことや、3人目の感染者も確認する見込みとの報道があったことから、下落。
一時316ドルもの下落幅となった。
しかし、ボーイングの「737MAX」に関し、今年半ばよりも前に運航再開が承認できる見通しとの報道があったことから、ボーイング株が上昇。
これにより、NYダウは下げ幅を縮めた。
そのため、NYダウは前日比170.36ドル安の28,989.73ドルで取引を終えた。
為替相場について
一方、ドル円は、前日のニューヨーク市場からの流れを引き継ぎ、東京時間中は引き続きリスク回避の円買い優勢に。
東京株式市場がスタートし、日経平均株価がプラス圏で始まると1ドル109円58銭まで浮上したが、日経平均株価が上昇幅を縮小し、マイナス圏に沈むと1ドル109円40銭台まで軟化した。
その後は1ドル109円50銭台でもみ合いが続いたが、ロンドン時間に入ると欧州株が堅調に推移したことから、1ドル109円65銭近辺まで上昇。
その後も1ドル109円60銭台で推移したが、ニューヨーク時間に入り発表された米1月製造業PMIが事前予想を下回る51.7となったことが重しとなった上、米疾病対策センターが、米国内で新型肺炎の2例目を確認し、米国内での3例目を確認する見込みとの報道があると、市場のリスク回避姿勢が再び強まり、NYダウが316ドル下落。
米10年債利回りも1.68%台まで低下したことから、ドル円は1ドル109円17銭まで円高が進行した。
終盤にやや買い戻されたものの、上値は重く、ドル円は1ドル109円22銭~109円32銭で取引を終えた。
今週は新型肺炎と決算発表
2020年1月27日~2020年1月31日の週に関しては、引き続き、新型肺炎の感染拡大が相場の重しになるとみられる。
その一方で、10月~12月期決算発表を前に、好業績が予想される銘柄への買いや、マスクなど、新型肺炎に対する予防銘柄への物色が進むとみられそうだ。
特に31日に決算発表をする企業が多く、31日が週末であるものの、その前には買いポジションを解消する動きは一巡するだろう。
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