知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通し(2020年5月4日~5月8日)について
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
緊急事態宣言の延長に対する相場の反応について
2020年5月4日~2020年5月9日の週の株式相場は、ゴールデンウィーク明け、5月7日の日経平均株価の動向に注意したい。
中でも注目したいのは、緊急事態宣言の延長に対する相場の反応だ。
5月1日に安倍首相は緊急事態宣言の現在の枠組みを概ね1か月程度延長すると述べた。
5月4日が正式発表の予定となっていることから、ゴールデンウィーク明けの5月7日の日経平均株価は下落する可能性がある。
とはいえ、5月1日の日経平均株価はすでに大幅下落しているため、ある程度は延期が織り込まれているものとみられる。
そのため、NYダウの動向にも注目したい。
先週は2万円台を回復したが
2020年4月27日~2020年5月2日の週の日経平均株価は、2万円台乗せをにらんだ動きが続いたものの、力不足と言える展開が続いた。
その前の週の金曜日の米国市場では、レムデシビルの初回の治験に関し、5月中旬に中国での大規模治験の結果が判明するとの報道を受け、治療薬の開発への懸念後退と、経済活動の早期再開への期待感からNYダウが上昇して終わった。
その流れを受けて週明け4月27日の日経平均株価は上昇。
また、同日に開催された日銀の金融政策決定会合では、事前予想どおりの追加緩和が発表され、特段のポジティブ材料はなかったものの銀行株を中心に上昇した。
しかし、上昇トレンドには至らず、2万円台を回復することのないまま翌28日の日経平均株価は小反落。
そのまま29日は祝日を迎えたが、この日の米国市場ではレムデシビルに関し、新型肺炎への効果を検証する治験で主要な評価項目を満たしたとの報道があったことから、この薬が有効な治療薬になるのではないかとの見方と、経済活動の早期再開への期待感から、NYダウが大幅上昇。
これを受けて翌30日の日経平均株価は上昇して2万円台を回復したのだが、米国市場におけるリスク回避姿勢の緩和の流れがそのまま続いただけであったため、棚ぼた的な上昇であったと言える。
事実、翌5月1日には日経平均株価は下落し、再び19,000円台に沈んでいる。
ただ、この日については、ゴールデンウィーク前のポジション調整の動きが入ったことも勘案しなければならない。
とはいえ、最初の方で書いたとおり緊急事態宣言の延長が予想されていたことから、投資家の買い意欲が後退していたのも、また事実だろう。
今週の米国の主要な経済指標に注意
2020年5月4日~2020年5月9日の週でまず注目したいのが、緊急事態宣言の延長だ。
1か月ほどの延長になることが確実視されているが、冒頭でも書いたとおり、これが確定した後の日経平均株価は弱含む可能性がある。
さらに、日本は5月6日まで休場となるが、欧米市場は通常どおり動いている。
そのため、NYダウの動きには特に注意したい。
元々5月はNYダウが下落しやすい月として知られている。
欧米では文化的に6月から9月までの間に長期休暇を取る傾向があり、この期間の市場は閑散としがちだ。
さらには、欧米の金融機関が中間決算となる6月に向けてポジションを調整したり、ヘッジファンドが売りを出したりする。
その結果、株価が軟調となることから生じた相場のアノマリーに「セル・イン・メイ」という言葉がある。
日経平均株価はNYダウの動向の影響を受けやすい。
もしもこのアノマリー通りに欧米株が軟調に推移すれば、日経平均株価も軟調になりやすいだろう。
特に今年は新型肺炎の影響で、相場には下押し材料が揃っている。
中でも5月6日のNYダウの動向に翌5月7日の日経平均株価がつれる可能性があることから、注意が必要だ。
なお、日本が連休となる5月4日~5月6日までの間に、米国では3月製造業受注、4月ISM非製造業景況指数、4月ADP雇用統計の発表がある。
5月8日には4月の米雇用統計の発表があることから、5月6日の4月ADP雇用統計の結果には注目したい。
ちなみに、5月1日には4月の米ISM製造業景況指数が発表されたが、主要項目のうち生産指数が1948年の統計開始以来、最大となる低下となった。
このように、新型肺炎の感染拡大の影響が顕著化し、米経済指標は弱い結果となっている。
5月4日~5月6日までの米国の主要な経済指標の結果には注意が必要だ。
米中両国の動向も要注意
さらに、米中貿易摩擦の再燃が懸念されることも、2020年5月4日~2020年5月9日の相場の下押し要因となるだろう。
4月30日に米トランプ米大統領が、新型肺炎の起源は中国・武漢市のウイルス研究所であるとする説に関し、確度の高い証拠を見たと主張。
中国に対し損害賠償を求め、報復措置として関税を課す可能性を示唆している。
これにより、米中貿易摩擦の激化が再燃するとの見方が強まったことから、5月1日のNYダウはリスク回避の売り優勢となり、前日比622.03ドル安で取引を終えた。
これに対し中国側は反発し、「米国の政治家は自らの問題をしっかり反省し、ウイルスの感染拡大を封じ込めることに努め、他人に責任を押し付けることをやめて欲しい」と中国外務省の報道官がコメントしている。
もしも中国が米国に対抗し、報復関税を課すことを発表すれば再び株式相場は軟調となるだろう。
そのため、米中両国の動向には気を付けたい。
このようなことから2020年5月4日~5月9日の週については、基本的に下げやすいと考えられる。
ただし、レムデシビルを巡る報道のように、経済活動の早期再開につながるようなポジティブなニュースがあれば、日経平均株価が再び2万円台を回復する場面もあるだろう。
ただ、それでも現状、2万円台からの上昇トレンドにはなりにくいと考えられる。
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