知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2020年7月6日~7月10日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
今週も方向感の出にくくもみ合いに
2020年7月6日~2020年7月11日の週の日経平均株価は、引き続きもみ合いになると考えられる。
新型肺炎の感染拡大に伴うハイテク株への物色が引き続き行われる可能性があるが、内需株の売りが打ち消して、方向感の出にくい状態になりやすいだろう。
米国雇用統計と東京都の感染者数増加
2020年6月29日~2020年7月4日の週の日経平均株価は前週に引き続き、揉みあう展開に。
7月3日の日経平均株価の終値は22,306円48銭と、前週末比205円60銭安で取引を終えた。
もみ合いとなった原因は、火曜日(6月30日)に22,400円を突破できずに終わったことにある。
正確に言えば、この日、いったん22409円まで上昇する場面もあり、22,400円を一時的に超えたのだが、それを維持できなかった。
この日の取引の終盤、14時半頃には再び22,400円を目指して22,398円まで上昇したのだが、結局22,400円を超えられず、急失速した。
その結果、翌水曜日(7月1日)には22,086円69銭まで下落したが、その後は週末にかけて22,300円を目指して上昇する展開となった。
とはいえ、上昇したかと思えば押し戻されるなど値動きは荒く、方向感の出にくい状態に。
金曜日(7月2日)については、既述のとおり、22,306円48銭で取引を終えたが、米国市場が休場で海外勢の参加が限定的な中、前日の米雇用統計の強い結果が相場に安心感を与えたことが上昇の原因だ。
ただし、上昇一辺倒だったわけではなく、上値の重さも感じられる展開だった。
その原因は、東京都での新型肺炎の新規感染者数が100人を超えたことにある。
7月2日(木)に明らかになった東京都の新型肺炎の新規感染者数は107人と、緊急事態宣言解除後初となる100人を超えた。
そして、7月3日(金)に明らかになった東京都の新規感染者数は124人となり、日本における感染第二波が意識されたことが、上値抑制要因になったと考えられる。
本来このことが材料視され、7月3日(金)に関しては、売り圧力がもっと強まる可能性もあったのだが、主な売り手となる海外投資家の多くが休場で不参加だったため、プラス圏を維持して取引を終えた格好だ。
米国も感染者数の増加が株価押下げ要因に
米国では、新型肺炎の新規感染者数が7月に入ってから5万人超となるなど、感染第二波とそれに伴う経済活動再開の遅れが懸念されている。
その一方、米国の経済指標は良好で、7月1日(水)に発表された6月ISM製造業景況感指数は事前予想の49.8を上回る52.6となり、拡大と縮小の分かれ目となる50を上回った。
1年2カ月ぶりとなる水準に回復し、ロックダウン解除後、活動が拡大していることが伺える内容であったと言える。
一方で、雇用指数は42.1と大幅改善したものの、依然として低い水準にあり、米国の製造号での人員削減が続くことが伺える。
また、7月2日に発表された米雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比480.0万人と、事前予想の同323.0万人を上回り、さらに前月(269.9万人)からも大幅に改善した。
失業率も事前予想の12.5%を下回る11.1%となり、前月の13.3%を下回るなど、良化していることが伺える内容だ。
ただ、雇用統計に関しては、今回改善することはある程度織り込み済みであったことから、この日のNYダウは急騰後に下落した。
プラス圏は維持したものの、積極的な買いにつながらなかったのだ。
また、雇用が回復しているとはいえ、雇用者数がコロナショック前の今年2月の水準に戻っていないことも、上げ幅を急速に縮める原因になったと考えられる。
今回の雇用統計からは、予想より速いペースでの回復の一方、完全回復には至っていないことが確認できた。
そのため、NYダウは急騰後、失速したのだろう。
感染第二波については、少し前から米国の株式市場の株価押下げ要因となっているが、すでに書いたように、日本における感染者数の再拡大も、今後、日経平均株価の下押し材料になると考えられる。
ハイテク株への資金流入
ただ、日経平均株価が下降トレンドに転じる可能性は今のところ低い。
なぜなら、投資マネーが、米国市場でナスダックを中心としたハイテク株に流入しているからだ。
今回の新型肺炎の流行により、テレワークに代表されるようなデジタルシフト、つまり、個人や企業のIT化が加速すると考えられている。
元々、将来的なデジタルシフトの拡大が見込まれていたが、新型肺炎がそれを加速させ、これらの企業のビジネスは、元々の計画よりも前倒しになると考えられているのだ。
感染第二波が到来した時に、従来型ビジネスモデルの企業の多くが再び大ダメージを受ける一方で、これらハイテク企業は強みを発揮するだろう。
このような理由から、コロナショック前から高水準だったこれらハイテク株は、さらに上がり続けている。
これらの企業へ金融緩和により潤沢となった投資マネーが入り込んでいると考えられるのだ。
そのため、2020年7月6日~2020年7月11日の週の株式相場では、米国のハイテク株の動向にも注意したい。
ナスダック構成銘柄をはじめとする米国のハイテク株の上昇は、日本のハイテク株の上昇にもつながり、日経平均株価を底上げするからだ。
ただ、冒頭でも書いたとおり、同時に内需株の売りと相殺されてしまい、日経平均株価はもみ合いになる可能性が高い。
感染者数の動向に注目があつまる展開
また、東京における感染者数の動向にも引き続き注意が必要だ。
100人超えの状態が続くようであれば、緊急事態宣言が再び意識されるだろう。
もっとも、今のところは東京を中心とした首都圏でのみ感染拡大が顕著なので、すぐに緊急事態宣言が発令されるような状態にはならないと考えられる。
ただ、緊急事態宣言の解除後に他府県への移動が開始されたことから、東京を訪れた人の感染が関東圏以外でもみられている。
また、鹿児島でもクラスターが発生しており、首都圏をはじめとする関東以外での感染者数の動向にも注意したい。
また、7月8日と10日については、この日を分配金支払い基準日としているETFが多くあるため、ETFの分配金に絡む売りに注意が必要だ。
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