知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2020年8月3日~8月7日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
今週は企業の決算発表の動向に左右される展開に
2020年8月3日~2020年8月8日の週の日経平均株価は、企業の決算発表の動向に左右される展開になるだろう。
新型肺炎の影響により業績が悪化している企業が多いことから、上昇トレンドには乗りにくいと考えられる。
その一方で、日経平均株価のPBRは7月31日には1.03倍と1倍に近い水準になっていることから、下落しても限定的なものにとどまる可能性が高い。
先週は米中対立が相場の重しとなる展開
2020年7月27日~2020年8月1日の週の日経平均株価は、週明け月曜日(27日)は、日本市場が休場中に激化した米中対立が相場の重しとなる展開に。
翌日の火曜日(28日)、水曜日(29日)は、円高の進行が懸念されたことに加え、国内企業の四半期決算が、新型肺炎の影響が予想以上のものとなったところが目立ち、株安を後押しした。
木曜日(30日)は、前日のFOMCで金融緩和策の継続が強調されたことが材料視されて、前日比プラス圏でスタートしたものの、すぐに伸び悩み、下落する展開に。
主要企業の決算発表の内容が思わしくないことが原因となった。
金曜日(31日)も前日比600円超安となって取引を終えるなど、軟調な一週間だった。
企業決算の結果が思わしくない
米中対立の激化が懸念されたこともそうだが、この週はすでに書いたように、企業決算の結果が思わしくないことが特に材料視されたようだ。
新型肺炎の影響が日本で出始めた今年3月から5月については、緊急事態宣言の発令によるテレワークの増加から商談やプロジェクトの遅れ等が発生したため、企業決算は悪化するとみられていた。
今回発表された企業決算は2020年4月~2020年6月までのものだが、例えばアドバンテスト(6857)は今期(2021年3月期)会社計画を大幅な減益予想としている。
同社が発表した通期会社計画が市場コンセンサスを大幅に下回る予想だったため、市場の楽観ムードを後退させたのだ。
しかも、アドバンテストはハイテク企業である。
米ハイテク企業が好決算だったため、日本のハイテク企業も好決算になるだろうと市場では予想していた。
しかし、同社の通期会社計画が、市場予想に冷や水を浴びせることとなったのだ。
なお、同社が今期予想を減収減益と厳しいものとしたのは、顧客の投資抑制にある。
企業業績のネガティブサプライズについて
もともと、新型肺炎の世界的な流行が企業業績にネガティブな影響を与えることは、ある程度織り込み済みだった。
だが、アドバンテストの事例からは、予想以上に企業業績が落ち込む可能性が伺える。
2020年8月3日~2020年8月8日の週も引き続き2020年4月~6月期の決算が発表されるが、このことが意識されるだろう。
そして、個々の企業の決算内容が日経平均株価に大きな影響を与えると考えられる。
中でも、ソニー(4日)やトヨタ(6日)の決算発表は注目を集めるだろう。
今回のアドバンテストのようなネガティブサプライズがあれば、日経平均株価には下押し圧力が強くかかり、下落する。
ただ、その場合、下降トレンドに転換するほどのものにはならないと考えられる。
もちろん、日銀のETF購入による下支え効果もあるが、冒頭でも書いたように、日経平均株価のPBRが1倍に近い水準になっていることから、下げた場合も限定的なものにとどまると考えられる。
日本国内における新型肺炎の新規感染者数の増加も懸念
反対にポジティブサプライズがあった場合も、日本株の上昇が続くかというと疑問である。
なぜなら、新型肺炎の影響による企業の業績悪化が市場予想を超えるものとなっていることに加え、日本国内における新型肺炎の新規感染者数の増加が懸念されているからだ。
金曜日(31日)に発表された東京の新規感染者数は463人と初の400人超えとなった。
また、東京のみならず大阪も新規感染者数が増加していて、200人を超えるまでになっている。
このほかにも、愛知県で100人超えの感染者数になるなど、大都市圏を中心に全国的に増加傾向にあるのだ。
安倍政権は、この状況下でも緊急事態宣言の再発令を否定しているが、各都道府県が独自の緊急事態宣言を発令するなど、感染拡大をめぐる状況は悪化している。
そのため、感染者数の急増によって、経済活動の本格的な回復がさらに遅れるのではないかとの懸念が強まっているのだ。
企業業績についても、今年の4月~6月を底に、7月以降に回復トレンドに入るとされていた当初の市場予想が、揺らぎかねない。
このような状況から、日経平均株価は積極的な上昇トレンドに入りにくいと考えられる。
米国雇用統計に要注意
なお、8月3日~2020年8月8日の週は、7日(金)に7月の米雇用統計が発表される。
この結果次第では、本格的な下降相場に転換する可能性もあるため、注意が必要だ。
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