知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2020年9月28日~10月2日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
今週は方向感の出にくい展開に
2020年9月28日~2020年10月3日の週の日経平均株価は、方向感の出にくい展開になると考えられる。
米大統領選をめぐる重要イベントや注目度の高い米経済指標を前に様子見ムードとなりやすく、積極的に上値を追う展開にはなりにくいだろう。
先週の振り返り
2020年9月21日~2020年9月26日の週は、日本が4連休中だったことから、21日(月)と22日(火)が祝日で東京株式市場は休場。
23日(水)からのスタートとなった。
日本の4連休中、欧州では新型コロナウイルスの感染が再増加し、一部の国で経済活動が制限される可能性が出ていることが懸念されたために、21日(月)のNYダウは500ドル超の大幅下落となった。
22日(火)は前日の下落を受けて安値で拾う動きが出たため、NYダウは140ドルほど戻したものの、翌23日(水)の日経平均株価は、祝日中の欧米株安を受けて下落した。
24日(木)も前日の米国株の下落により日経平均株価は売り優勢となった。
25日(金)に、3営業日ぶりに反発して取引を終えたものの、1週間を通して軟調に推移したと考えられる。
株価下落の原因は2つ
今回、株価下落の原因になったのは主に二つで、一つ目は、先ほど書いたとおり、欧州における新型コロナウイルスの感染者数の再増加である。
フランスとスペインでは、9月に入ってから、感染者数が1日に1万人を上回る日が続いている。
スペインでは、首都マドリードの一部で外出制限を再開し、フランスも、リヨンとトゥールーズで、夜間のアルコール禁止や集会の上限人数を引き下げるなどの対策をとることになった。
また、イギリスでも新型コロナウイルスの感染が再拡大しているため、警戒レベルを5段階のうち、4に引き上げている。
欧州で感染者数が再び増加した原因として、まずは検査件数が増えたことが挙げられる。
さらには、バカンスで人の移動が増加したことも原因になったとみられている。
このことから、欧州でロックダウンが再開されるのではとの見方が強まり、21日(月)の欧米株の下落につながった。
株価下落の原因の二つ目は、新型コロナウイルスの感染拡大による景気の落ち込みを緩和するための米追加経済対策を巡る動向である。
この問題については、前週と前々週にも触れたとおり、米与野党が大統領選までに合意しない可能性が浮上したことから、このところの懸念材料となっていた。
ただ、24日(木)に与野党協議が再開するとの報道があったことから、この日の米国株はNYダウ、ナスダック総合指数ともに小幅上昇して取引を終え、25日(金)の日経平均株価の上昇を下支えしたと考えられる。
相場の懸念払しょくにはまだ時間がかかる
NYダウは今月に入ってから下落傾向にあり、3週間で2,000ドルほど下落している。
新型コロナウイルスに対する米追加経済対策を巡る与野党協議や米中対立の深刻化が懸念材料としてくすぶっている状態だ。
それに加え、新型コロナウイルスのワクチン開発を巡る報道も、市場に大きな影響を与えている。
本報道に市場が一喜一憂することからも、同ウイルスの感染拡大による経済活動の再停滞と、それによる米国の景気回復の遅れが懸念されていることが伺える。
22日(火)に行われた米下院金融委員会での議会証言で、パウエルFRB議長は、米経済が新型コロナウイルスの世界的流行から完全に回復するには長い時間がかかるとの見方を示した。
その一方で、パウエルFRB議長と米ムニューシン米財務長官は、予想以上に速いペースでの経済回復が進んでいることも、議会証言で強調している。
このことが22日(火)の米株価の下支え材料となったものの、相場の懸念払しょくにはまだ時間がかかるだろう。
29日の米大統領選の第1回候補者討論会
2020年9月28日~2020年10月3日の週の日経平均株価は、様子見ムードになりやすく、方向感が出にくいと考えられる。
なぜなら、米国の主要経済指標の発表に加え、米大統領選に関するイベントが行われるからだ。
29日(火)に、米大統領選を前に第1回候補者討論会が行われる。
この時に、トランプ米大統領とバイデン氏のどちらが討論を有利に進められるかに注目が集まるだろう。
トランプ米大統領が有利に進めることができれば、市場にとっては安心材料になるが、反対に、バイデン氏が有利に進めることになれば、市場にとっては懸念材料になると考えられる。
さらに、1日には米ISM製造業景況指数、2日(金)には米雇用統計が発表される。
ブラード米セントルイス連銀総裁は、米国経済が2020年7月-9月期に大幅成長し、年末までに完全回復する可能性があるとの見方を示している。
もしも米ISM製造業景況指数と米雇用統計の結果がポジティブなものになれば、米国経済の底堅さが確認でき、米国経済の早期完全回復が実現する可能性が高まると市場は捉えるだろう。
権利落ち日も要注意
このようなことから、2020年9月28日~2020年10月3日の週は、投資家は積極的に買いポジションを取りにくく、ポジション解消の売りなどに押され、日経平均株価はもみ合いとなる可能性がある。
また、9月の権利落ち日が29日(火)であるため、この日以降、売りが出やすいことに注意が必要だ。
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