知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2020年10月26日~10月30日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
今週は方向感が出にくい1週間
2020年10月26日~2020年10月31日の週の日経平均株価は、国内企業の7-9月決算発表の動向に左右されやすい展開になると考えられる。
ただ、米国の大統領選が近いため、株価が上昇しても利益確定売りが出やすく、方向感が出にくいだろう。
先週は国内市場は材料難から様子見ムード
2020年10月19日~2020年10月24日の週は、本格化する7-9月決算の発表を前に、国内市場は材料難から様子見ムードの一週間となった。
その分、米国株の動向に左右される展開が続き、主に米国の追加経済対策と新型コロナウイルスワクチンに関するニュースがその材料となった。
週始めの19日(月)は、前週末に米ファイザーが独ビオンテックと共同開発する新型肺炎ワクチン候補について、11月後半に米当局に緊急使用許可申請をすると発表したことが好材料となり、日経平均株価は反発。
翌20日(火)は、前日の米追加経済対策協議が進展しなかったことが懸念材料となり下落したが、21日(水)は、米モデルナの幹部が新型コロナウイルスのワクチンについて、12月に米当局の緊急使用許可が得られる可能性があると明らかにしたことが好感され、小幅上昇。
しかし、同日の為替市場でリスクオンムードが高まり、ドル売り優勢となったことから、急速に円高・ドル安が進んだため、23日(木)には日経平均株価が再び下落。
24日(金)には円高がやや改善したことや前日の米国株高が好感され、日経平均株価は小幅上昇して23,516円59銭で取引を終えた。
このように、10月19日~2020年10月24日の週の日経平均株価は、週始めに23,700円を付ける場面もあったが、その後は下落し、23,600円を割り込んだ。
すでに書いたように、米追加経済対策協議が進展しなかったことなどが主な原因であるが、米大統領選を前に様子見ムードが広がっているのも事実である。
それに加え、日本では国内企業の6-8月決算発表と7-9月決算発表との間の時期に差し掛かってしまったことも、軟調になった原因であると考えられる。
事実、売買代金も2兆円割れが続き、積極的な商いを避ける向きになっていた模様だ。
今週は国内企業の7-9月決算の決算が本格化
10月26日~2020年10月31日は国内企業の7-9月決算の決算が本格化するため、日本独自の材料で株価が動く場面もあるだろう。
ただ、冒頭でも書いたとおり、米大統領選を前に、基本的には方向感の出にくい状態になりやすいと考えられる。
なお、10月26日~2020年10月31日の週で注意したいのが、中国の共産党中央委員会の第5階全体会議だ。
26日~29日まで開催されるが、その政策にも市場の注目が集まるとみられる。
19日(月)に中国国家統計局が発表した2020年7-9月期の実質GDPは、前年同期比+4.9%と、2期連続のプラス成長となった。
米国やASEAN向けを中心に輸出が堅調だったことや、不動産投資やインフラ投資がけん引した形だ。
また、個人消費も底を脱した模様で、9月の実質社会消費小売総額(小売売上高)は9月だけで前年同月比+3.3%と増加し、8月の同0.5%より伸びが拡大している。
さらに、中国の国内線旅客者数は4,775万人と前年の98.0%に回復するなど、持ち直しが鮮明になってきているのだ。
ただ、中国では持ち直していても、欧州では新型コロナウイルスの感染が再拡大していて、景気回復の遅れが懸念されている。
米国についても感染拡大は収束しておらず、日本もまだコロナ前の水準まで景気は回復していない。
そのため、コロナ禍によるマスク需要や、巣ごもりによるノートパソコン需要の恩恵が剥落した後の中国経済の動向を不安視する見方もある。
さらには、中国の販売対象になっている住宅や開発業者の住宅在庫の評価額は2019年に52兆ドルに達し、コロナ禍でも膨張が止まらなかった。
そのため、不動産バブルについても懸念されているのだ。
このような理由から、中国の共産党中央委員会の第5回全体会議で発表される政策の内容は、株式市場に影響を与える可能性があるため十分に注意したい。
米国の追加経済対策に関する与野党協議の動向
また、2020年10月26日~2020年10月31日の週も、引き続き米国の追加経済対策に関する与野党協議の動向に注意が必要だ。
22日に追加経済対策に関し、米民主党のペロシ下院議長が米政権との協議に進展があったとの認識を示し、政権も議論を継続する意向を示した。
市場は大統領選前の米与野党の合意は難しいとの見方をしているが、引き続きその動向に振り回されることになるだろう。
なお、米大統領選に関しては、トランプ、バイデン両氏のどちらが勝利しても、市場は概ねポジティブに受け止めると考えられる。
ただ、最も懸念しているのが、郵便投票が行われる今回、開票の結果接戦となった場合に、当選者がなかなか決まらない状態に陥るケースだ。
トランプ、バイデン両陣営から異議申し立てが行われ、訴訟が行われる可能性がある。
その場合、最長で来年1月20日に当選者が決定することになるが、それまでは米国の政局が安定しないため、株式市場は軟調になりやすいだろう。
今週は経済指標のほか米企業の決算についても注意
なお、26日(月)には米9月新築住宅販売件数、27日(火)には米9月耐久財受注が発表される。
また、日本は27日(火)に信越化学やANA、28日(水)にソニー、JR東日本、JR東海、花王など、連日決算が発表される。
今回のコロナショックにより、企業業績はすでに底入れしたものと市場は見なしている。
決算の結果が市場予想より好調であっても、その度合いが大幅なものでなければ、株価は上値を追う展開にはなりにくいだろう。
さらには、米企業の決算についても注意が必要だ。
23日(金)に発表されたインテルやアメリカン・エキスプレスの決算は冴えないものだったが、その結果、NYダウは下落している。
米大手企業の決算が、日経平均株価や国内の同セクターの個別株に影響を与える可能性もあるため、その結果には十分注意したい。
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