知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2020年11月16日~11月20日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
今週は概ね堅調に推移か
2020年11月16日~2020年11月21日の週の日経平均株価は、概ね堅調に推移すると考えらえる。
ただ、上昇しても急上昇にはならず、下落した場合も底堅く推移する可能性が高い。
先週は米国大統領選挙と新型コロナウイルスのワクチン開発に関する報道がに大きな材料に
2020年11月9日~2020年11月14日の週は、米大統領選でバイデン氏が勝利する見通しが強まったことに加え、米ファイザーと独ビオンテックによる新型コロナウイルスのワクチン開発に関する報道が、大きな材料となった。
9日(月)の日経平均株価は、バイデン氏が勝利する見通しとの報道を受けて大幅上昇し、翌10日(火)は、米ファイザーと独ビオンテックが開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、第3相試験の中間解析で90%の有効性があるとの報道を受けて400円超上昇し、25,000円台に乗せる場面もあった。
しかし、利益確定売りに押されて前日比65円高と小幅高で取引を終えた。
11日(水)も米ファイザーがの新型コロナウイルスワクチンが材料となり、景気敏感株を中心に幅広く買われ、前日比432円高と大幅上昇。
日経平均株価は29年ぶりに25,000円台で取引を終了した。
12日は前日のナスダック総合指数の上昇を手掛かりにIT関連株を中心に買いが入り、上昇したが、13日(金)の日経平均株価は、反落。
それでも、終値は25385円87銭と25,000円台を維持している。
新型コロナウイルスワクチンに関するニュースが好感され、経済活動の正常化により業績回復が期待できる空運や鉄道などの銘柄も急伸し、日経平均株価が29年ぶりに25,000円台を回復した。
しかし、急速な回復であったことから、ご祝儀相場的な要素も強いと言われていた。
急上昇からの反動が警戒されていたが、欧米での新型コロナウイルスの感染再拡大に加え、13日(金)は週末かつオプションSQが控えていることもあって、過熱感を冷ますための売りが出やすかったものと考えられる。
早期にワクチンが市場に出回ることはないとの見方が広まる
今回市場に大きなポジティブ・サプライズをもたらした米ファイザーと独ビオンテックによる新型コロナウイルスワクチンは、90%の予防効果を示した。
「90%」という数字が大きなインパクトを与え、市場ではしばらくリスクオンムードが強まったが、このワクチンはすぐに使えるようになるわけではなく、また、温度管理の問題もある。
マイナス70度以下という超低温での温度管理をしなければならず、通常の冷蔵庫で保管すると5日間しかもたないため、このような保管施設がない病院や国にはなかなか行きわたらないだろう。
また、年内に日本でワクチンを使用できる見通しは立っておらず、政府は、早くても来年上半期中にファイザーと英アストラゼネカから国民全員分のワクチン確保を目指すとしているため、早期にワクチンが市場に出回ることはない、との見方が広まったことも、利益確定売りを誘ったと考えられる。
とはいえ、反落しても25,000円台を維持していることはポジティブであると考えられる。
日経平均株価は10月の終わりから右肩上がりに上昇していたため、どこかで調整が入ると考えられていた。
そのため、今回の調整は市場にとっては織り込み済みと考えられる。
一方で懸念材料もあり、欧米での新型肺炎の感染拡大に加え、シカゴ市が30日間の外出禁止を勧告し、デトロイト市でも公立の学校での対面授業を中止していることから、米国でロックダウンが再拡大する可能性が不安視されている。
このことが下押し材料となり、日経平均株価は今後も調整が入る可能性はあるが、2020年11月16日~2020年11月21日の週について言えば、概ね堅調に推移するものと考えられる。
今週は国内ではなく米国市場の動向や欧米での新型コロナの感染拡大状況などが材料に
前回も書いたように、日本株は、コロナ禍の影響から底抜けし、回復の兆候が出ている会社の業績が株価を下支えしており、この状態がしばらくは続くだろう。
なお、2020年7-9月期決算発表は大体終わっていることから、11月16日~2020年11月21日の週は、決算発表の内容が日経平均株価に大きな影響を与える可能性は低い。
2020年11月9日~2020年11月14日の週のような急上昇をするには、エネルギー不足となるだろう。
国内だけでは材料不足になるため、米国市場の動向や欧米での新型コロナの感染拡大状況、ワクチン開発に関する報道が引き続き材料視されやすいと考えらえる。
その内容を受けて相場が動く可能性があるが、上昇した場合も下降した場合も、2020年11月9日~2020年11月14日の週ほど急なものにはならない可能性が高い。
なお、米大統領選を巡り、トランプ米大統領が訴訟を起こし、共和党もトランプ米大統領の訴訟を支援しているため、本件に関する動向が米国市場に大きな影響を与える可能性があることには引き続き留意しておきたい。
米国経済指標にも注意
また、2020年11月9日~2020年11月14日の週は、17日(火)に10月米小売売上高や同米鉱工業生産・設備稼働率が発表される。
また、18日(水)には10月の米住宅着工件数や10月建設許可件数が、そして19日には11月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数と10月の米中古住宅販売件数が発表される。
これらの結果にも注意が必要だ。
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