知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2020年11月30日~12月4日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
今週も概ね堅調に推移
2020年11月30日~2020年12月5日の週の日経平均株価は、調整が入る可能性があるものの、概ね堅調に推移すると考えらえる。
2020年11月23日~2020年11月28日の週も、ワクチンへの期待感が相場を下支えした。
23日(月)は祝日のため、東京市場は休場だったが、24日(火)~27日(金)の全日で、日経平均株価は上昇して取引を終えている。
大幅上昇したのは24日(火)で、この日は前週末比700円超上昇する場面もあるなど強含みの展開となり、前週末比638円22銭高の26,165円59銭で取引を終えた。
25日(水)~27日(金)も、全て上昇して取引を終えているが、24日(火)と比べると、上昇幅は小さい。
特に25日(水)は、一時500円超上昇する場面もあったが、利益確定売りに押されて上げ幅を縮小している。
しかしながら、日経平均株価はバブル後の高値を連日更新しており、11月に入ってからは、すでに3,700円超も上昇している。
日経平均株価の上昇の背景は?
既述のとおり、日経平均株価の上昇の背景には、新型コロナウイルスワクチンの開発進展があり、これを受けた米国株の上昇も後押ししている。
なお、NYダウは24日(火)に史上初となる3万ドル台に乗せた。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が市場の材料となり出してから、日本はもちろん、欧米での感染拡大が報じられるたびに、経済活動の停滞や景気回復の遅れなどが懸念され、株式市場には大きな下押し圧力がかかった。
新型コロナウイルスに対する特効薬やワクチンが開発されない限り、本格的な景気回復には至らない、との見方がされていたが、ここに来て、米ファイザーやモデルナなどのワクチン開発が大幅に進展していることが、景気回復への期待感を高めているのだ。
なお、2020年11月23日~2020年11月28日に日経平均株価が急上昇したきっかけは、アストラゼネカのワクチンである。
英製薬大手のアストラゼネカが、英オックスフォード大と共同開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、最終段階の治験で、平均70%の効果を示したとの発表をしたのだ。
このニュースを市場は好感し、一気にリスクオンムードが高まった形だ。
今後も、新型コロナウイルスワクチンに関するポジティブな報道が、株価上昇のカタリストとなるだろう。
過剰流動性相場
とはいえ、このところの株価上昇はあまりにも急速で、過熱気味であると見なされているのも事実だ。
新型コロナウイルスの世界的な流行により、各地でロックダウンや外出制限、営業時間の短縮などの措置がとられてきた。
それによる経済活動の停滞を緩和するために、各国は金融緩和策を継続しているが、その資金が株式市場に流入し、「過剰流動性相場」を形成しているのだ。
日本の株式市場もその状態になっていることに加え、コロナ禍による最悪期を抜けた企業の存在や、巣ごもり需要などが相場を下支えしている形となっている。
日経平均株価がどこかで調整に入る可能性は否めない
今週も、日本国内での新型コロナウイルスの感染者数は急増している。
東京では27日に感染者数が過去最大となる570人に達し、大阪では感染者数が383人と、3日連続で300人超となっている。
北海道も2日連続で感染者数が200人超となり、冬の訪れとともに、第3波が襲来している状況だ。
このような不安要素があるものの、2020年11月30日~2020年12月5日の週の日経平均株価は、基本的には堅調に推移するものと考えられる。
とはいえ、このところの上昇はあまりにも急であるため、日経平均株価がどこかで調整に入る可能性は否めない。
その場合は、26,000円を割り込む水準にいったん押し戻されるだろう。
日経平均株価は中長期的には上昇トレンドが続く
特に米国市場は、26日(木)の感謝祭に続き、27日(金)は株式市場が米東部時間の午後1時で取引終了となることから、商いが薄くなる。
そのため、30日(月)の日経平均株価は、土日に大きなニュースが無い限り材料不足になりやすいだろう。
また、注意したいのが、2月、5月、8月、11月の最終営業日に行われるMSCI指数のリバランスである。
今年は11月30日(月)にリバランスが行われることになるが、それに伴い日本株が売られるため、この時に日経平均株価も調整が入る可能性があることに注意が必要だ。
ただ、調整が入ったとしても、株式市場は過剰流動性相場になっているため、日経平均株価は中長期的には上昇トレンドが続くとみられる。
今週は米雇用統計とFRB議長の発言に注意
なお、2020年11月30日~2020年12月5日の週は、1日(火)に11月米ISM製造業景況指数、3日(木)に11月米ISM非製造業景況指数が発表され、4日(金)には米雇用統計が発表される。
注目度の高いこれらの指標の結果には注意したい。
また、2日(水)には、パウエルFRB議長の発言が予定されている。
発言内容に市場が反応する可能性があるため、こちらにも注意が必要だ。
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